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2007.01.18 「エーザイ v. 特許庁長官」 知財高裁平成17年(行ケ)10724

存続期間延長の「用途(効能・効果)」の異同: 知財高裁平成17年(行ケ)10724

【背景】
ラベプラゾールナトリウム(Sodium Rabeprazole、プロトンポンプ阻害剤、販売名パリエット(Pariet)錠)の一変承認に基づく特許権存続期間延長の出願の拒絶審決取消訴訟。先の薬事承認処分と本件薬事承認処分との違いは「用法・用量」だったが、原告は、本件処分は新しい効能・効果があることを前提になされたものであり、本件処分の「用途(効能・効果)」は先の処分のそれと実質的に異なると主張した。

【要旨】
裁判所は、「用途(効能・効果)」の異同は、承認書の形式的な記載により直ちに決することができるものではないと言及しつつも、本件において、先の処分と本件処分は、薬理作用が同一であり、疾患の病態が異なるということはできず、実質的には投与期間を延長することに意義があるものであるから、用法及び用量を異にするにすぎず、用途(効能又は効果)は同一であるというべきである、と判断した。
請求棄却。

【コメント】
本件処分の「用法・用量」の一変承認は実質的な「用途(効能・効果)」が先の処分と異なることに基づく、との原告の主張には無理があった。しかし、承認書の「効能・効果」欄の形式的な記載ではなく、実質的な観点で判断せよ、との主張を展開した原告の試みによって、「用途(効能・効果)」の異同は、承認書の形式的な記載により直ちに決することができるものではない、と裁判所に言及させただけでも価値あり。

同判決内容↓
2007.01.18 「エーザイ v. 特許庁長官」 知財高裁平成17年(行ケ)10725
2007.01.18 「エーザイ v. 特許庁長官」 知財高裁平成17年(行ケ)10726

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