Dec 1, 2014

2014.10.30 「興和 v. 沢井製薬」 東京地裁平成26年(ワ)768

ピタバスタチンのピタバとPITAVA(その2): 東京地裁平成26年(ワ)768

【背景】

薬剤を指定商品とする商標権(第4942833号)を有する原告(興和)が、被告(沢井製薬)が薬剤に付した被告標章「ピタバ」が原告の商標権の登録商標(PITAVA)に類似すると主張して、被告に対し、被告標章の使用の差止め及び被告標章を付した薬剤の廃棄を求めた事案。

【要旨】

主 文
原告の請求をいずれも棄却する。
裁判所の判断
「~被告各標章は本件商標に類似すると解されるところ,被告各商品への使用がいわゆる商標的使用に当たるとすれば本件商標権を侵害するとみる余地があることから,本件商標の商標登録が審判により無効にされるべきか否かについて検討することとする。~需要者ないし取引者のうち一般に医療従事者においては,医薬品に付された「PITAVA」の記載から本件物質を想起すると認められる。そうすると,本件商標の指定商品のうち本件物質を含有しない薬剤に本件商標を使用した場合には,需要者等が当該薬剤に本件物質が含まれると誤認するおそれがあるので,本件商標は「商品の品質…の誤認を生ずるおそれがある商標」(商標法4条1項16号)に当たると判断するのが相当である。したがって,本件商標の商標登録は無効審判により無効にされるべきものであり,原告は本件商標権を行使することができない(同法39条,特許法104条の3第1項)。」
【コメント】

2014.08.28 「興和 v. Meiji Seikaファルマ」 東京地裁平成26年(ワ)770では、被告( Meiji Seikaファルマ)標章の使用は被告商品の出所を表示するものではなく有効成分の説明的表示であると認識されるものであり商標的使用に当たらず本件商標権を侵害するものではないと東京地裁(第47部)は判断した。一方、本件では、東京地裁(第46部)は、被告各標章が出所識別機能を有しないとはいえないと判断し、被告各商品への使用がいわゆる商標的使用に当たるとすれば本件商標権を侵害するとみる余地があるとしたうえで、本件商標権を権利行使できるかどうかまで判断した。判決の結論は同じであるが、医薬品の有効成分の一般名の略称を付した被告標章に関して商標の出所識別機能の考え方がこれら二つの判決で異なっていることは興味深い。

参考:

関連判決:

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