Dec 11, 2016

2016.11.30 「テバ v. 特許庁長官」 知財高裁平成28年(行ケ)10121; 平成28年(行ケ)10122; 平成28年(行ケ)10123; 平成28年(行ケ)10124

DuoResp Spiromax®吸入デバイスの意匠: 知財高裁平成28年(行ケ)10121知財高裁平成28年(行ケ)10122; 知財高裁平成28年(行ケ)10123; 知財高裁平成28年(行ケ)10124

【背景】

意匠に係る物品を吸入器とする下記態様の意匠に関する登録出願(意願2014-007570; 意願2014-007571; 意願2014-007572; 意願2014-007573)の拒絶審決(不服2015-15459号; 不服2015-15460号; 不服2015-15461号; 不服2015-15462号)取消訴訟。

意願2014-007570

意願2014-007571

意願2014-007572

意願2014-007573
審決理由は、下記「薬剤吸入器」の引用意匠(特開2007-289716に掲載)に類似する意匠であるから、意匠法3条1項3号に該当し意匠登録を受けることができないというもの。

引用意匠(特開2007-289716)

【要旨】

以下、知財高裁平成28年(行ケ)10121を抜粋。平成28年(行ケ)10123も判決は同じ。平成28年(行ケ)10122及び平成28年(行ケ)10124も意匠がその中央に円形孔及びその周囲に4つの小円形孔が形成された端壁を設けたものである点以外、判決内容は実質同じ。

主 文
特許庁が不服2015-15459号事件について平成28年1月20日にした審決を取り消す。(他略)
裁判所の判断(抜粋)
両意匠に係る物品の性質,用途及び使用態様並びに公知意匠との関係を総合すれば,本願意匠と引用意匠は,基本的構成態様において共通するものの,その態様は,ありふれたものであり,需要者の注意を強く惹くものとはいえない。また,具体的構成態様における共通点も,需要者の注意を強く惹くものとはいえない。これに対し,マウスピース部の端部の形態の相違は,需要者である患者及び医療関係者らの注意を強く惹き,視覚を通じて起こさせる美感に大きな影響を与えるものである。
したがって,本願意匠と引用意匠の相違点のうち,マウスピース部の端部について,本願意匠は,その中央に円形孔が形成された端壁を設けたものであるのに対して,引用意匠は,端壁がなく,単に筒状のまま大きく開口した点は,マウスピースカバー部が透明であることと相まって,需要者である患者や医療関係者の注意を強く惹くものと認められ,異なる美感を起こさせるものであり,それ以外の共通点から生じる印象に埋没するものではないというべきである。
よって,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。

被告は,使用者は主に使用時に限ってマウスピース部の構成態様に注目し,購入時などマウスピースカバー部が閉じられた状態では,透けて見えるにすぎないマウスピース部の端部の態様は,需要者に強い印象を与えるものとはいえない,マウスピース部の端壁の有無は全体から一部分と認められるマウスピース部の,さらにその先端部分のみの相違であって,全体からすると僅かな範囲のものであるとして,マウスピースの端部の相違点が,両意匠の類否判断に及ぼす影響は限定的であると主張する。
しかし,マウスピース部の端部は,需要者である患者が吸引器を使用する際に観察するものであるし,医療関係者も,処方する薬剤を前提に機能を重視して観察するものであるから,かかる部分が全体と比較して僅かな範囲のものであるとしても,マウスピース部の端部の相違点が類否判断に及ぼす影響を限定的であるということはできない。被告の前記主張は採用できない。
【コメント】

Teva UKのwebpageから、本件意匠は、喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)を適応症とするDuoResp Spiromax®(Budesonide/Formoterol fumarate dihydrate)に用いられている吸入デバイスであり、Medical Design Excellence Awards 2015を受賞しているようである。日本では、先発品としてアストラゼネカが販売するシムビコート®タービュヘイラー®があるが、テバのデバイス製品はまだ参入していないようである。

参考:

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