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2019.06.13 「アミレックス v. 特許庁長官」 知財高裁平成30年(行ケ)10125

βアミロイドを透析工程で補足・除去しアルツハイマー病を治療する知財高裁平成30年(行ケ)10125

アミレックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッドの「β-アミロイドの対外的減少のための新規組成物及びその製造方法」に関する特許出願(特願2015-508893号)について、進歩性欠如(特許法29条2項)を理由とする拒絶査定に対する不服審判請求を不成立とした審決(不服2016-16991号)の取消訴訟である。

裁判所は、(a)引用発明に他の引用文献に記載された技術を適用して本願発明とすることは当業者にとって容易に想到できる、(b)顕著な効果を有するとの原告の主張は、引用発明が当然備える効果であるから理由がなく、(c)引用文献は技術分野が異なりまた阻害要因もあるとの原告の主張も理由がない、と判断し、原告の請求を棄却した。

本願発明:

患者のβアミロイドレベルの誘導に関連する病的症状の治療用の改良された透析液製剤を製造する方法であって,該方法は,(a)捕捉結合剤としての以下の構造(構造は省略)を有する四量体ペプチド及びキャリアを含む組成物を調製する工程と,(b)前記組成物を透析緩衝液と混合する工程とを含み,前記キャリアは,ポリ(エチレングリコール)架橋キャリアゲルである方法。

【コメント】

アミレックス社のwebpageによると、昨年フィリピンFDAから承認されたアミレックス社の製品(BETACLEAR®)は、本件特許出願の優先権の基礎となるフィリピン出願(PH/1/2013/000037)の登録特許により保護されているようである。アミレックス社が日本においても同製品の開発を進めるのかどうかは明らかでないが、本件出願が特許として成立していたならば、その製品を保護していたものと考えられる。

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