Types of Patent

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*Case2021

2021.11.16 「エイワイファーマ v. 大塚製薬工場」 知財高裁令和2年(行ケ)10144

大塚製薬工場とエイワイファーマとの高カロリー輸液を巡る特許紛争・・・エルネオパ NF®輸液特許に対するエイワイファーマによる3度目の無効審判請求。請求不成立審決の取消訴訟でも大塚製薬工場が勝訴。 1.背景 本件(知財高裁令和2年(行ケ)10144)は、大塚製薬工場が保有する「含硫化合物と微量金属元素を含む輸液製剤」に関する特許(第4171216号)のエイワイファーマによる無効審判請求(無効2019...
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*Case2021

2021.09.28 「メディオン v. P1・P2・P3・P4」 大阪地裁令和元年(ワ)5444

1.背景 本件(大阪地裁令和元年(ワ)5444)は、発明の名称を「二酸化炭素含有粘性組成物」とする2件の特許(特許第4659980号及び特許第4912492号。以下、併せて「本件各特許」といい、本件各特許に係る特許権を「本件各特許権」といい、本件各特許に係る発明を「本件各発明」という。)の特許権者であった原告(メディオン・リサーチ・ラボラトリーズ)が、各被告製品の製造販売等を行った訴外2社(ネオケ...
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*Case2021

2021.09.28 「沢井製薬 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和2年(行ケ)10038 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判④

・・・特許6301524(一定の服薬歴がある患者を対象とする医薬用途発明)の進歩性を認めた審決を取り消す。 >③から続く 前回記事:「骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判③」 1.はじめに 旭化成ファーマが製造販売する週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」(以下、「テリボン®」と略す。)のジェネリック参入障壁となっていると考えられるのが...
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*Pharma/IP news

理研・ヘリオス・大阪大学の「網膜色素上皮細胞の製造方法」特許に公共の利益のための通常実施権の設定を求めてビジョンケアが裁定を請求・・・iPS細胞を用いた世界初の臨床応用からなかなか進まないヘリオス・大日本住友による加齢黄斑変性に対する再生医療の治験

1.はじめに 理研・ヘリオス・大阪大学が特許権者である発明の名称を「網膜色素上皮細胞の製造方法」とする特許第6518878号に係る特許権を含む網膜色素上皮細胞を用いた再生医療についての独占ライセンス契約が理研-ヘリオス-大日本住友製薬の間で締結されているという状況のもと、2021年7月13日に、第三者であるビジョンケアらが、同特許権について公共の利益のための通常実施権の許諾を求める裁定の請求を行い...
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*Case2021

2021.08.31 「沢井製薬 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和2年(行ケ)10132 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判③

・・・特許6275900の進歩性を認めた審決を取り消す。 >②から続く 前回記事「骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判②」 1.はじめに 旭化成ファーマが製造販売する週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」のジェネリック参入障壁となっていると考えられるのが、テリパラチドの週1回投与を特徴とする発明に係る7つの特許(存続期間満了は2030年...
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*Case2021

2021.08.31 「沢井製薬 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和2年(行ケ)10056 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判②

・・・特許6043008の進歩性を認めた審決を取り消す。 >①から続く 前回記事「骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判①」 1.はじめに 旭化成ファーマが製造販売する週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」のジェネリック参入障壁となっていると考えられるのが、テリパラチドの週1回投与を特徴とする発明に係る7つの特許(存続期間満了は2030年...
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*Case2021

2021.08.31 「旭化成ファーマ v. 沢井製薬」 知財高裁令和2年(行ケ)10004 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判①

・・・予測をすることができなかった顕著な効果を奏するものであると認めることはできない。特許6274634は進歩性なしと判断された。 1.はじめに 旭化成ファーマ(株)は、ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)の活性部分であるN端側の1-34ペプチド断片であるテリパラチド(Teriparatide)酢酸塩を有効成分とする週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」を製造販売している(再審...
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*Case2021

2021.06.29 「EAファーマ v. 沢井製薬・大原薬品工業」 知財高裁令和2年(行ケ)10094

・・・パリエット®のPPI抵抗性逆流性食道炎に対する維持療法に関する用法・用量特許を無効とする判断。臨床試験の結果を頼りとする特許出願のタイミングについて ー特許取得可能性の観点とジェネリックへの対抗力の観点からー 1.パリエット®の「PPI抵抗性逆流性食道炎に対する維持療法に関する用法・用量」追加とジェネリックの参入 エーザイは、2017年9月22日にパリエット®錠5mg/10mg(一般名: ラ...
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*Case2021

2021.07.07 「ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア v. 国」 東京地裁令和2年(行ウ)423

1.事件の概要 本件(東京地裁令和2年(行ウ)423)は、国際特許出願(PCT/US2016/065653)をした原告(ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア)が、特許法184条の4第1項が定める優先日から2年6月の国内書面提出期間内(2018年6月11日まで)に同項に規定する明細書等の翻訳文を提出することができなかったことについて、同条4項の正当な理由があるにもかかわら...
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*Case2021

2021.06.29 「ネオケミア v. メディオン」 知財高裁令和2年(行ケ)10051; 知財高裁令和2年(行ケ)10052; 2021.07.20 知財高裁令和2年(行ケ)10053

1.背景 本件各訴訟(知財高裁令和2年(行ケ)10051;知財高裁令和2年(行ケ)10052; 知財高裁令和2年(行ケ)10053)は、メディオン・リサーチ・ラボラトリーズ(以下、「メディオン」と略す。)が特許権者である「二酸化炭素含有粘性組成物」に関する特許4659980号及び特許4912492号(いずれも2018年10月5日に満了)及び「二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物」に関する特許5643...
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*Case2021

2021.03.30 「東レ v. 沢井製薬・扶桑薬品工業」 東京地裁平成30年(ワ)38504, 平成30年(ワ)39508・・・延長特許権の効力について判断せず。「有効成分」を狭く解釈し、被告ら製剤は非充足。しかし別件審決取消訴訟で知財高裁は広く解釈・・・

1.はじめに 経口そう痒症改善剤レミッチ®の後発医薬品(ナルフラフィン塩酸塩OD錠)を製造販売する沢井製薬及び扶桑薬品工業(被告ら)に対して、東レが、ナルフラフィンの用途特許に係る特許権(延長登録出願によりみなし延長された)を侵害していると主張して、被告ら製品の製造販売差止と損害賠償等を求めていた訴訟で、東京地裁は、東レの請求をいずれも棄却した。 延長された特許権の効力は被告ら製剤に及ぶのかどうか...
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*Case2021

2021.05.17 「メルク・シャープ・アンド・ドーム v. ワイス」 知財高裁令和2年(行ケ)10015

発明の効果に係る発明特定事項を相違点として認定し、これが容易想到でないとして発明の進歩性を肯定した審決の判断に誤りがないとされた事例・・・肺炎球菌ワクチン市場の覇権を握るのはファイザーそれともMSD? 1.はじめに プレベナー13®(Prevnar 13/Prevenar 13)は、13種類の肺炎球菌莢膜ポリサッカライド(血清型 1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F...
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*Case2021

2021.04.15 「メディミューン v. 国」 知財高裁令和2年(行コ)10005

PCT出願の日本移行(法184条の4第4項: 外国語でされた国際特許出願の翻訳文)手続期限徒過でみなし取下げ。「相当な注意基準」から「故意基準」へ要件を緩和する権利回復制度見直し法律案が国会で可決成立(2021.05.14)。 1.知財高裁令和2年(行コ)10005 控訴人メディミューン(以下、「MedImmune社」という。)は、2016年6月21日、Boston Pharmaceuticals...
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*Case2021

2021.04.14 「訴訟行為の排除を求める申立ての却下決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件」 最高裁令和2年(許)37

塩野義らとギリアドとの抗HIV薬を巡る特許権侵害訴訟・・・弁護士職務基本規程57条に違反する訴訟行為について、相手方である当事者は、同条違反を理由として、これに異議を述べ、裁判所に対しその行為の排除を求めることはできない。 1.背景 本件(最高裁令和2年(許)37)は、「HIVインテグラ―ゼ阻害活性を有する多環性カルバモイルピリドン誘導体」に関する特許4295353号の特許権者である塩野義製薬及び...
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*Case2021

2021.03.25 「東レ v. 沢井製薬・ニプロ」 知財高裁令和2年(行ケ)10098

そう痒症改善剤レミッチ®OD錠の特許権の存続期間の延長登録「腹膜透析患者」についての無効審決部分は取消しとする判決。 本件特許について、 レミッチOD錠「血液透析患者、慢性肝疾患患者のそう痒症」ノピコールカプセル「慢性肝疾患患者のそう痒症」レミッチカプセル「腹膜透析患者のそう痒症」レミッチOD錠「腹膜透析患者のそう痒症」(本件延長登録) の延長登録出願または延長登録についての審決取消判決が同日に言...
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*Case2021

2021.03.25 「東レ v. 沢井製薬・ニプロ」 知財高裁令和2年(行ケ)10097

そう痒症改善剤レミッチ®カプセルの特許権の存続期間の延長登録「腹膜透析患者」についての無効審決部分は取消しとする判決。 1.はじめに 本件(知財高裁令和2年(行ケ)10097)は、東レが保有する「止痒剤」に関する特許権の存続期間の延長登録(出願番号2017-700309)を無効とする審決(無効2020-800003号)に対する取消訴訟である。 争点は、①被告ニプロに被告適格があるか否か、②本件特許...
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*Case2021

2021.03.25 「東レ v. 沢井製薬・ニプロ」 知財高裁令和2年(行ケ)10096

そう痒症改善剤ノピコール®の特許権の存続期間の延長登録無効審決の取消し・・・「ナルフラフィン塩酸塩」のみを本件医薬品の有効成分と解し、「ナルフラフィン」は本件医薬品の有効成分ではないと認定して、本件発明の実施に本件処分を受けることが必要であったとはいえないと判断した本件審決の認定判断は誤り 1.はじめに 本件(知財高裁令和2年(行ケ)10096)は、東レが保有する「止痒剤」に関する特許権の存続期間...
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*Case2021

2021.03.25 「東レ v. 特許庁長官」 知財高裁令和2年(行ケ)10063

そう痒症改善剤レミッチ®の特許権の存続期間の延長登録出願・・・「ナルフラフィン塩酸塩」のみを本件医薬品の有効成分と解し、「ナルフラフィン」は本件医薬品の有効成分ではないと認定して、本件発明の実施に本件処分を受けることが必要であったとはいえないと判断した本件審決の認定判断は誤り 1.はじめに 本件(知財高裁令和2年(行ケ)10063)は、経口そう痒症改善剤レミッチ®に関わる東レが保有する「止痒剤」に...
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*Case2021

2021.03.25 「沢井製薬 v. 東レ」 知財高裁令和2年(行ケ)10041

レミッチ®(ナルフラフィン)の医薬用途特許の進歩性。裁判所は、公知文献の仮説や推論が動機付けを基礎づける場合はあるが、本件においては、技術的な裏付けの乏しい一つの仮説にすぎないものであり、「止痒剤」用途を動機付けるとは認められない、と判断した。 1.はじめに 本件(知財高裁令和2年(行ケ)10041)は、東レの「止痒剤」に関する特許(第3531170号)に対して沢井製薬が請求した無効審判(無効20...
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*Case2020

2020.12.24 「大塚製薬工場 v. エイワイファーマ・陽進堂」 東京地裁平成30年(ワ)29802

東京地裁は、大塚製薬工場とエイワイファーマ・陽進堂との間で争われていた高カロリー輸液製剤に関する特許権侵害差止請求事件において、エイワイファーマが製造販売する「ワンパル®1号輸液/ワンパル®2号輸液」は大塚製薬工場の「エルネオパ®NF1号輸液/エルネオパ®NF2号輸液」を保護する特許権を侵害する旨主張した大塚製薬工場の請求を棄却した。 1.事案の概要 本件(東京地裁平成30年(ワ)29802)は、...
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*Case2021

2021.03.17 「X v. 小野薬品・Y」 知財高裁令和2年(ネ)10052

元大学院生が、小野薬品及び本庶氏が共有する抗PD-L1抗体に関する特許権に係る発明の共同発明者であると主張して同特許権の持分の一部移転登録手続等を請求した事件(控訴審判決) 1.事件の背景 本件(知財高裁令和2年(ネ)10052)は、控訴人(X)が、抗PD-L1抗体を有効成分として含む癌治療剤に関する特許第5885764号(*1)に係る発明は、控訴人が大学院在籍中に行った実験結果やその分析から得ら...
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*Case2021

2021.02.09 「X v. アムジェン」 知財高裁令和2年(ネ)10051・・・新薬承認を得るために必要な試験は特許法69条1項の『試験又は研究』に該当するか

1.事件の概要・・・本件治験は特許法69条1項の『試験又は研究』に該当するか 本件(知財高裁令和2年(ネ)10051)は、「ウイルス及び治療法におけるそれらの使用」に関する特許第4212897号に係る特許権者である控訴人(X)が、被控訴人(アムジェン)が腫瘍溶解性ウイルス「T-VEC」の国内ブリッジング試験(本件治験)を実施していることが、本件発明の実施に当たり、本件特許権を侵害すると主張して、同...
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*Case2020

2020.12.14 「ロシュ v. アムジェン」 知財高裁令和元年(行ケ)10076・・・相違点は引用発明に内在する作用効果にすぎないのか争われた事例

1.はじめに 本件は、本願発明と引用発明との相違点について「あくまで先願発明に内在していた効果にすぎないところ,それによって新たな用途が見出されたわけではない」と原告が主張し、新規性が争点の一つとなった事件である。出願時には知られていなかった内在的特性(inherent feature)を構成に取り入れた物の発明についての新規性をどのように取り扱うかという重要な論点について、裁判所は「出願日より前...
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*Case2020

2020.12.02 「東レ v. 沢井製薬・ニプロ」 知財高裁令和2年(行ケ)10096, 令和2年(行ケ)10097, 令和2年(行ケ)10098(中間判決)

1.事件の背景・中間判決の概要 東レが保有する「止痒剤」に関する特許権(特許第3531170号)の3件の存続期間の延長登録を無効とした各審決に対して、東レ(原告)が、無効審判請求人である沢井製薬及び特許法148条1項に基づいて各審判に参加したニプロを被告として、取消しを求めた延長登録無効審決取消訴訟で、2020年12月2日、知財高裁は、「被告ニプロの被告適格に関する本案前の抗弁は理由がない。」との...
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*Case2020

2020.12.15 「ヘルシン・大鵬薬品 v. ニプロ」 知財高裁令和元年(行ケ)10136・・・5-HT3受容体拮抗型制吐剤アロキシ®(パロノセトロン)のジェネリック参入の動き

1.はじめに ヘルシン社のアロキシ®で訴訟と言えば、2019年初めに出された米国最高裁判決を連想する方もいるかも知れませんが、今回取り上げるのは日本の話、ヘルシン社が保有する「パロノセトロン液状医薬製剤」に関する特許5551658の無効審決取消訴訟です。被告(無効審判請求人)はニプロであり、原告である特許権者(ヘルシン社)側には実施権者である大鵬薬品が補助参加しました。 本件特許権は、ヘルシン社か...
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*Case2020

2020.10.28 「日本ケミファ・ダイト v. ジー.ディー.サール」 知財高裁令和元年(行ケ)10137

1.背景 セレコックス錠®(有効成分: セレコキシブ)を保護する特許~先発メーカーとジェネリックメーカーの攻防・・・本件(知財高裁令和元年(行ケ)10137)は、被告(ジー.ディー.サール)が保有する「セレコキシブ組成物」に関する特許3563036号(本件特許)に対して無効審判(無効2018-800071)を請求した原告ら(日本ケミファ及びダイト)が、特許庁がした請求不成立審決(進歩性欠如、サポー...
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*Case2020

2020.07.22 「X v. アムジェン」 東京地裁平成31年(ワ)1409

腫瘍溶解性ウイルスの開発競争に特許侵害訴訟も勃発(G47Δ/DS-1647 v. T-VEC/IMLYGIC)・・・本件治験が特許法69条1項「試験又は研究のためにする特許発明の実施」に該当するか・・・ 腫瘍溶解性ウイルスの開発競争 東京大学医科学研究所の藤堂具紀教授は、がん細胞でのみ増殖可能となるよう設計された遺伝子組換え第三世代がん治療用単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)である「DS-16...
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*Case2020

2020.09.16 「メディミューン v. 国」 東京地裁令和元年(行ウ)536

Boston Pharmaceuticals社がMedImmune社から取得したMEDI7169のPCT出願、日本移行手続期間徒過でみなし取下げ・・・本件(東京地裁令和元年(行ウ)536)は、MedImmune社(原告メディミューン)が、国(被告)に対し、MedImmune社が国内書面提出期間内に明細書等翻訳文を提出することができなかったことについて、特許法184条の4第4項所定の「正当な理由」が...
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*Case2020

2020.08.21 「X v. 小野薬品・Y」 東京地裁平成29年(ワ)27378

当時の大学院生が、小野薬品及び本庶氏が共有する抗PD-L1抗体に関する特許権に係る発明の共同発明者であると主張して同特許権の持分の一部移転登録手続等を請求した事件・・・本件(東京地裁平成29年(ワ)27378)は、2000年4月から2002年3月まで京都大学大学院生命科学研究科(生体制御分野)の修士課程に在籍しZ教授の研究室(Z研)に所属していた原告Xが、抗PD-L1抗体を有効成分として含む癌治療...
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*Case2020

2020.08.05 「ネオケミア v. メディオン」 知財高裁令和元年(行ケ)10082; 10084

炭酸ガスの効能を利用したフェイス用パック剤、いわゆる「炭酸ガスパック」を巡る、株式会社メディオン・リサーチ・ラボラトリーズ(以下メディオン)とネオケミア株式会社(以下ネオケミア)との特許係争において、2020年8月5日に二つの知財高裁判決(知財高裁令和元年(行ケ)10082; 10084)が出された。これまで特許権者であるメディオンが、被告ネオケミアに対する特許侵害訴訟においても勝訴、ネオケミアに...
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*Case2020

2020.07.02 「アメリカ合衆国 v. 高田製薬」 知財高裁平成30年(行ケ)10158 (A事件); 10113 (B事件)

ベルケイド®(凍結乾燥粉末形態のボルテゾミブ(Bortezomib)のマンニトールエステル)に関する特許: 知財高裁平成30年(行ケ)10158 (A事件); 10113 (B事件) 1.背景 本事件は、「ボロン酸化合物製剤」に関する特許(第4162491号)の無効審判において特許庁がした請求不成立審決及び無効審決(無効2016-800096)に対して、特許権者(アメリカ合衆国)及び審判請求人(高...
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*Case2020

2020.06.17 「X v. アルコンリサーチ/協和キリン」 知財高裁令和元年(行ケ)10118

差戻審知財高裁判決が発明効果の顕著性を認め原告の請求棄却: 知財高裁令和元年(行ケ)10118 1.背景 本件は、協和キリン及びアルコンリサーチが保有する「アレルギー性眼疾患を処置するためのドキセピン誘導体を含有する局所的眼科用処方物」に関する特許第3068858号の無効審判請求(無効2011-800018号事件)に対する不成立審決の取消訴訟である。本件化合物を本件各発明に係る用途に適用することを...
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*Pharma/IP news

骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与に関連する特許群とジェネリックメーカーの動き

旭化成ファーマは、ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)の活性部分である N 端側の 1-34番目のアミノ酸に相当する化学合成ペプチドであるテリパラチド(Teriparatide)酢酸塩を有効成分とする週 1 回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」を製造販売しています(再審査期間は、2011年9月26日~2017年9月25日(6年))。2019年9月には「テリボン®皮下注28.2μg...
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*Case2020

2020.02.19 「ニプロ v. 千葉大学・扶桑薬品工業」 知財高裁平成30年(行ケ)10165

用時混合型急性血液浄化用薬液の進歩性(2): 知財高裁平成30年(行ケ)10165 被告(千葉大学・扶桑薬品工業)が保有する「安定な炭酸水素イオン含有薬液」に関する特許(第5636075号)に対して原告(ニプロ)がした無効審判請求の不成立審決(無効2017-800015号)取消訴訟。 裁判所は、 当業者は引用発明において相違点に係る本件訂正発明の構成とすることを容易に想到することができたものと認め...
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*Pharma/IP news

エビリファイ®用途特許を巡るジェネリックメーカーの動き (2)

エビリファイ®はアリピプラゾール(aripiprazole)を有効成分とする抗精神病薬であり、日本では「統合失調症」の効能・効果で2006年1月に製造販売承認を取得した。世界での売上は 2014年度には6,542億円(そのうち米国は5,225億円)に達し、大塚ホールディングス株式会社の連結売上高の約4割を占めた。現在は、ジェネリックの参入により売り上げは落ち込んでいるが(米国では、2015年4月に...
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*Case2020

2020.02.18 「ネオケミア v. メディオン」 知財高裁令和元年(行ケ)10083

メディオンの炭酸パック特許: 知財高裁令和元年(行ケ)10083 【背景】 メディオン(被告)が保有する「二酸化炭素含有粘性組成物」に関する特許(第4912492号)の無効審判請求(無効2018-800054号)不成立審決取消訴訟。争点は進歩性。 本件審決が認定した引用発明、本件発明1と引用発明との一致点及び相違点1: 一致点 医薬組成物又は化粧料として使用される二酸化炭素含有粘性組成物を得るため...
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*Case2019

2019.07.25 「シオノケミカル v. イコス」 特許庁審決 無効2017-800140号事件

タダラフィルの特定用量製剤(シアリス®錠)特許: 特許庁審決 無効2017-800140号事件 イコス・コーポレイションが保有する「単位製剤」に関する特許(第4975214号; 存続期間満了日2020.4.26)に対してシオノケミカル(株)が請求した無効審判。審判合議体は、訂正を認めたうえで、本件発明1~13は無効理由2(進歩性欠如)により無効にすべきものであると判断した。 訂正後の請求項1(本件...
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*Case2019

2019.10.23 「ワイス v. 国(処分行政庁 特許庁長官)」東京地裁平成31年(行ウ)162

特許料の追納期間徒過の救済要件「正当な理由」に関する事案(ファイザーのgedatolisibを保護する物質特許): 東京地裁平成31年(行ウ)162 【背景】 本件は、特許法112条1項所定の特許料追納期間中に特許料等を納付せず同条4項により消滅したものとみなされた「PI3キナーゼおよびmTOR阻害剤としてのトリアジン化合物」に関する特許第4948677号の特許権の原特許権者である原告が、法112...
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*Case2019

2019.12.25 「杏林製薬、メルク・シャープ・アンド・ドーム v. 東興薬品工業」 知財高裁平成31年(行ケ)10006; 知財高裁平成31年(行ケ)10058

ナゾネックス®点鼻液 モメタゾンフロエート水性懸濁液を含有する1日1回鼻腔内投与されるアレルギー性鼻炎治療薬の進歩性判断とオーソライズド・ジェネリック戦略: 知財高裁平成31年(行ケ)10006(第1事件); 知財高裁平成31年(行ケ)10058(第2事件) 【背景】 メルク・シャープ・アンド・ドームが保有する「気道流路および肺疾患の処置のためのモメタゾンフロエートの使用」に関する特許(第3480...
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*Case2019

2019.11.28 「ニプロ v. イーライ リリー」 知財高裁平成30年(行ケ)10115; 10116

アリムタ®のビタミン療法特許(進歩性と臨床試験の公然実施について): 知財高裁平成30年(行ケ)10115; 10116 【背景】 イーライリリーが保有する「新規な葉酸代謝拮抗薬の組み合わせ療法」に関する特許5102928及びその分割出願による特許5469706に対してニプロがした無効審判請求の不成立審決(無効2014-800208及び無効2015-800006)の取消訴訟。 争点は、進歩性及び新...
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*Case2019

2019.11.14 「東和薬品・日本ケミファ・ヘキサル v. ジー.ディー.サール」 知財高裁平成30年(行ケ)10110; 10112; 10155

セレコックス(セレコキシブ) 数値範囲を発明特定事項に含む発明のサポート要件:  知財高裁平成30年(行ケ)10110; 10112; 10155 【背景】 「セレコキシブ組成物」に関する特許(第3563036号)に対する無効審判(無効2016-800112号)の請求不成立審決とされた部分(訂正後の請求項1~5、7~19についての明確性要件違反、実施可能要件違反、サポート要件違反、新規性欠如、進歩...
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*Case2019

2019.10.30 「サノフィ v. アムジェン」 知財高裁平成31年(ネ)10014

抗PCSK9抗体を巡るサノフィ(プラルエントPraluent®)とアムジェン(レパーサRepatha®)の争い: 知財高裁平成31年(ネ)10014 【背景】 「プロタンパク質コンベルターゼスブチリシンケクシン9型(PCSK9)に対する抗原結合タンパク質」に関する特許権(第5705288号及び第5906333号)を保有するアムジェンが、サノフィによるプラルエント® (Praluent®)(被告製品...
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*Case2019

2019.10.03 「バクスアルタ v. 中外製薬」 知財高裁平成30年(ネ)10043

機能的表現抗体クレームの技術的範囲の解釈(中外エミシズマブ(ヘムライブラ®)): 知財高裁平成30年(ネ)10043 (原審: 2018.03.28 「バクスアルタ v. 中外製薬」 東京地裁平成28年(ワ)11475) 【背景】 「第Ⅸ因子/第Ⅸa因子の抗体および抗体誘導体」に関する特許権(特許第4313531号; 存続期間満了日は2020年9月13日)に係る特許発明の技術的範囲に属すると主張し...
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*Pharma/IP news

パリエット®(ラベプラゾール)逆流性食道炎の再発抑制に関する用法・用量特許を巡るジェネリックメーカーの動き

エーザイは、2017年9月22日にパリエット®錠5mg/10mg(一般名: ラベプラゾールナトリウム(Rabeprazole Sodium))について、プロトンポンプ阻害剤抵抗性逆流性食道炎(プロトンポンプ阻害剤の1日1回投与による従来の治療で効果不十分な逆流性食道炎)に対する維持療法に関して、ラベプラゾールナトリウムとして1回10mg、1日2回投与の用法・用量追加の承認を取得している。この用法・...
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*Pharma/IP news

シロドシン製剤特許を巡るジェネリックメーカーの動き

「シロドシンの苦味をマスキングした経口投与製剤」に関する特許(日本特許第6392207号; 存続期間満了日2034年3月25日(延長なし))の有効性を巡り、キッセイ薬品工業と小林化工が特許無効審判で争っている(無効2019-800015; 請求日2019年2月22日)。 小林化工は、本件特許の無効審決を得て、シロドシンを有効成分とする前立腺肥大症に伴う排尿障害改善薬ユリーフ®のジェネリックの販売に...
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*Case2019

2019.08.28 「盐城捷康三氯蔗糖制造有限公司(ジェイケー スクラロース) v. 三栄源エフ・エフ・アイ」 知財高裁平成30年(行ケ)10164

酸味のマスキング方法の容易想到性: 知財高裁平成30年(行ケ)10164 被告(三栄源エフ・エフ・アイ)が保有する「酸味のマスキング方法」に関する特許第3916281号に対して原告(ジェイケー スクラロース)が請求した無効審判(無効2014-800118)の無効審決(一次審決)を取消す旨の判決(2017.07.19 「三栄源エフ・エフ・アイ v. ジェイケー スクラロース」 知財高裁平成28年(行...
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*Case2019

2019.07.10 「テバ v. メルク・シャープ・アンド・ドーム」特許庁審決 無効2018-800106号事件

ゼチーア®(エゼチミブ)の延長登録無効審判: 無効2018-800106号事件 「特許発明の実施することができなかった期間(特許法125条の2第3号)」に特許権者の特許発明を実施する意思及び能力が必要か。必要であるとして、処分を受けた者が通常実施権者である場合、その実施許諾時期がその期間に影響するのか。 メルク・シャープ・アンド・ドーム(MSD)が保有する「低コレステロール血症薬剤として有用なヒド...
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