Jun 30, 2018

ヘムライブラに対する特許侵害訴訟でバクスアルタが控訴

2018年6月29日付の中外製薬のプレスリリースによると、中外製薬の血友病A治療薬「ヘムライブラ®」(一般名:エミシズマブ)がバクスアルタ社保有の「第Ⅸ因子/第Ⅸa因子の抗体および抗体誘導体」に関する特許権(特許第4313531号; 存続期間満了日は2020年9月13日)に触れるとして上記ヘムライブラの製造等差止・廃棄を求め、バクスアルタ社が中外製薬を被告として提起した特許侵害訴訟について、バクスアルタ社は、東京地裁判決(2018.03.28 「バクスアルタ v. 中外製薬」 東京地裁平成28年(ワ)11475)を不服として、知財高裁に控訴したとのことです。

参考:

Jun 23, 2018

東和のピタバスタチンCa・OD錠 興和が製剤特許侵害で損害賠償請求

2018年6月22日付の東和薬品プレスリリースによると、2018年6月1日付にて、東和薬品に対して、2013年12月13日から2016年3月31日までに東和薬品が販売したピタバスタチンCa・OD錠1mg/2mg/4mg「トーワ」(先発・代表薬剤:リバロ OD 錠 4mg)について、興和が有する製剤特許の侵害を理由とする損害賠償請求訴訟(請求金額は約38億円)が、興和により、東京地裁に提起されたとのことです。OD錠4mg「トーワ」については同特許の侵害を理由として差止及び廃棄請求訴訟が先行しており、知財高裁から興和勝訴判決がでています(2018.04.04 「東和薬品 v. 興和」 知財高裁平成29年(ネ)10090)が、最高裁に上告受理を申立て中とのことです(下記過去経緯参照)。今回は上記差止訴訟の結果を受けて興和が損害賠償の回収を開始したと思われます。東和薬品は裁判において争っていく方針。


過去の経緯:

東和薬品がピタバスタチンCa・OD錠4mg「トーワ」を製造等する行為は興和が保有する製剤特許(第5190159号)を侵害すると主張して、興和が同製品の製造等の差止及び廃棄を求めた訴訟において、東京地裁は、東和薬品は先使用権を有するとは認められず、本件発明2についての特許が特許無効審判により無効にされるべきものとも認められないとして、興和の請求をいずれも認容しました(2017.09.29 「興和 v. 東和薬品」 東京地裁平成27年(ワ)30872; 興和による東和リバロ後発品の製造販売差止請求で東京地裁が容認判決)。東和薬品は控訴しましたが、知財高裁においても、東和薬品は本件発明2に係る特許権について先使用権を有するとは認められず、本件発明2に係る特許が特許無効審判により無効にされるべきものとも認められないから、興和の請求は理由があると判断されていました(2018.04.04 「東和薬品 v. 興和」 知財高裁平成29年(ネ)10090; 興和、東和の「リバロ」後発品特許訴訟で勝訴)。

Jun 2, 2018

2018.04.13 「日本ケミファ v. 塩野義」 知財高裁平成28年(行ケ)10260

ロスバスタチンカルシウム(クレストール®)物質特許の無効審判請求取消訴訟: 知財高裁平成28年(行ケ)10260

塩野義製薬(被告)が保有する「ピリミジン誘導体」に関する特許(第2648897号; 2017.05.28満了)の無効審判請求(請求人: 日本ケミファ)を不成立とする審決(無効2016-800032号)の取消訴訟。争点は、訴えの利益の有無、進歩性の有無及びサポート要件違反の有無。本件は請求項13,15~17についての特許無効審判請求に係るものであり、請求項1,2,5,9~12についての特許無効審判請求については同日判決である2018.04.13 「日本ケミファ v. 塩野義」 知財高裁平成28年(行ケ)10182; 10184で判断された。

裁判所は、訴えの利益を認めた上で、本件特許が進歩性及びサポート要件を充足することを認め、原告らの請求を棄却した。判断内容は、同日判決である2018.04.13 「日本ケミファ v. 塩野義」 知財高裁平成28年(行ケ)10182; 10184と同じ。

訴えの利益について
「特許権侵害を問題にされる可能性が少しでも残っている限り,そのような問題を提起されるおそれのある者は,当該特許を無効にすることについて私的な利害関係を有し,特許無効審判請求を行う利益(したがって,特許無効審判請求を不成立とした審決に対する取消しの訴えの利益)を有することは明らかであるから,訴えの利益が消滅したというためには,客観的に見て,原告に対し特許権侵害を問題にされる可能性が全くなくなったと認められることが必要であり,特許権の存続期間が満了し,かつ,特許権の存続期間中にされた行為について,原告に対し,損害賠償又は不当利得返還の請求が行われたり,刑事罰が科されたりする可能性が全くなくなったと認められる特段の事情が存することが必要であると解すべきである。」

参考: