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2006.10.30 「X v. 特許庁長官」 知財高裁平成17年(行ケ)10834

「精製及び滅菌濾過」は当業者が適宜することができる範囲内の事項: 知財高裁平成17年(行ケ)10834

【背景】

依存性薬物に対するワクチンの製造方法に関する本発明(特表平5-502871号)を進歩性なしとした拒絶審決の取消訴訟。

引例との相違点は、「精製及び滅菌濾過後、ワクチンの長期持続性保護を誘導する治療のための1回投与量及び投与回数で使用する」点であったが、原告は、「精製及び滅菌濾過」が引例に言及されていない点、「1回投与量及び投与回数」について本願実施例と引例とでは大きな差がある点等を主張した。

請求項1:

「ハプテン-担体複合体を得るためにハプテンとして担体化合物に結合させた依存性を起こしうる1種またはそれ以上の薬物を含有するワクチンの製造方法であって,該複合体は,精製及び滅菌濾過後,該ワクチンの長持続性保護を誘導する治療のための1回投与量及び投与回数で使用するためのものである,上記方法。」

【要旨】

「精製及び滅菌濾過」は医薬品であれば通常行われる事項である。また、クレームにおいて、具体的投与量や投与回数は特定されていないし、実施例に限定されるものでもない。従って、当業者にとって容易に相当し得るので進歩性なし。

請求棄却。

【コメント】

「1回投与量及び投与回数」について、本願実施例と引例とでは大きな差があるという点を主張するのであれば、少なくとも実施例に限定したクレームを作っておくべきだったのでは。

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