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理研・ヘリオス・大阪大学の「網膜色素上皮細胞の製造方法」特許に公共の利益のための通常実施権の設定を求めてビジョンケアが裁定を請求・・・iPS細胞を用いた世界初の臨床応用からなかなか進まないヘリオス・大日本住友による加齢黄斑変性に対する再生医療の治験

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1.はじめに

理研・ヘリオス・大阪大学が特許権者である発明の名称を「網膜色素上皮細胞の製造方法」とする特許第6518878号に係る特許権を含む網膜色素上皮細胞を用いた再生医療についての独占ライセンス契約が理研-ヘリオス-大日本住友製薬の間で締結されているという状況のもと、2021年7月13日に、第三者であるビジョンケアらが、同特許権について公共の利益のための通常実施権の許諾を求める裁定の請求を行いました。

本記事では、本件特許第6518878号の内容及び世界初のiPS細胞の臨床応用となった網膜色素上皮細胞を用いた再生医療の臨床研究とライセンス関係の変遷を紹介した後、公共の利益のための通常実施権の設定の裁定の要件及び大学等の知的財産・リサーチツールの円滑な活用という観点から、本件裁定請求について思うところを述べたいと思います。

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2.特許公報に掲載された裁定請求(2021-1)

2021年7月13日に、発明の名称を「網膜色素上皮細胞の製造方法」とする特許第6518878号に対して、裁定が請求されました。裁定請求番号は2021-1となります(以下「本件裁定請求」)。

特許法第193条第2項第9号には、特許庁は「裁定の請求若しくはその取下げ又は裁定」を特許公報に掲載しなければならない旨が定められています。そして、特許庁総務部普及支援課の公報発行案内(2015.6)によると、「裁定の請求若しくはその取下げ又は裁定」についての特許公報の種別は「特許庁公報(公示号)」となります。本件裁定請求は、2021年8月25日に発行された特許庁公報(公示号)(号数3 (2021)-008[838])に掲載されています(特許庁公報発行サイト)。

我が国では、特許法において、以下の3つの場合の裁定を規定しています。

  • 不実施の場合の通常実施権の設定の裁定(第83条)
  • 利用関係の場合の通常実施権の設定の裁定(第92条)
  • 公共の利益のための通常実施権の設定の裁定(第93条)

上記特許公報に掲載された事項からは、本件裁定請求をした者および請求理由は明らかではありませんでしたが、本件特許に係る発明者のひとりである高橋政代氏のSNS発信(2021.09.21)によると、公共の利益のための通常実施権の設定の裁定(第93条)が請求されたようです(後述)。

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3.特許第6518878号について

(1)本件特許の主な書誌事項

発明の名称を「網膜色素上皮細胞の製造方法」とする特許第6518878号(以下「本件特許」)に係る発明者は、

  • 澤田昌典氏(株式会社ヘリオス)
  • 高橋政代氏(国立研究開発法人理化学研究所)
  • 関口清俊(国立大学法人大阪大学)

の3名(※括弧は出願当時の所属)であり、

特許権者は、

  • 株式会社ヘリオス(以下「ヘリオス」)
  • 国立研究開発法人理化学研究所(以下「理研」)
  • 国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」)

となっています。

本件特許は、2014年10月9日(優先権主張 2013年10月9日・特願2013-212345号)を国際出願日とする特願2015-541641号に係るもの(以下「本件出願」)であって、2019年5月10日に設定登録がなされました。

存続期間満了日は2034年10月9日となります。

(2)本件特許の発明の内容

本件特許(第6518878号)の特許公報の記載によると、

本件特許第6518878号の特許公報(図面1)より

「本発明の目的は、多能性幹細胞からの網膜色素上皮細胞への分化誘導効率が改善され、簡易な操作で高い純度の網膜色素上皮細胞を短期間で得ることができる網膜色素上皮細胞の製造方法、細胞を安定に増殖培養できる網膜色素上皮細胞の培養法、及び移植治療に有用な網膜色素上皮細胞を用いた毒性・薬効評価法並びに網膜疾患治療薬を提供すること」にありました(【0007】)。

「本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ヒト多能性幹細胞をラミニンE8でコーティングした培養基材上で培養すると、播種した多能性幹細胞が培養基材へ速やかに接着し、早い段階から多量の色素細胞の生成が認められ、網膜色素上皮細胞の収量を著しく向上でき、しかも、培地交換時に細胞を失いにくく、純化工程を簡略化でき且つ短期間で高い純度の細胞集団が得られることを見出した。これにより、多能性幹細胞を網膜色素上皮細胞へ分化誘導する上での課題であった操作性及び経済性が著しく改善され、目的の網膜色素上皮細胞を安定に効率よく製造できることを見出し、本発明を完成させた。」とのことです(【0008】)。

本件特許に係る特許請求の範囲は以下のとおりです。

【請求項1】
ラミニン511E8フラグメントがコーティングされた培養基材上でヒト多能性幹細胞を接着培養する工程を含む、網膜色素上皮細胞の製造方法であって、接着培養する工程が、分化誘導因子の存在下で行われる、方法。

【請求項2】
ヒト多能性幹細胞が、ヒトiPS細胞である、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
ラミニン511E8フラグメントがコーティングされた培養基材上で網膜色素上皮細胞を接着培養する工程を含む、網膜色素上皮細胞の増幅方法。

本件特許に係る発明は、明細書に記載された実施例からすると具体的には、iPS細胞を細胞外マトリックスタンパク質であるラミニン511(α5鎖、β1鎖、γ1鎖のヘテロ三量体で構成)のフラグメント(ラミニン511E8フラグメント)でコーティングした培養基材上で培養することによって、網膜色素上皮細胞(「RPE細胞」ともいう)を作成する方法です。

この技術が発明されたことにより、iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞をより効率的、大量且つ安定に作成することが可能になったのであれば、この発明は網膜疾患に対するiPS細胞を用いた再生医療の実用化にとって非常に期待される技術といえるでしょう。

(3)本件特許に関連する国内外出願ファミリー

本件出願に係る国際出願(PCT/JP2014/077111)は、2015年4月16日に国際公開され(WO2015/053375)、前記本件出願(JP)の他、少なくとも、AU、BR、CA、CN、EP、KR、SG、US、ZA、IN、THにも出願されており(espacenet, patentscopeより)、グローバルな権利化が進められています。

また、日本においては本件出願の分割出願に係る特許第6850455号も2021年3月10日に設定登録されています。こちらの特許請求の範囲は、「ラミニン511E8フラグメントを除くα5鎖を有するラミニンE8フラグメントがコーティングされた培養基材上でヒト多能性幹細胞を接着培養する工程」に限定された製造方法に関するものとなっています。

こちらの分割出願に係る特許第6850455号に対して、裁定の請求はされていません(2021年8月25日に発行された特許庁公報(公示号)まで)。

(4)本件特許と優先権の基礎出願を同じくする別件特許の存在

INPADOC patent familyの情報をたどると、本件出願と同じ優先権を主張(2013年10月9日・特願2013-212345号)するものではありますが、本件特許出願とは別の、2014年10月9日を国際出願日とし、発明の名称を「網膜色素上皮細胞の純化方法」とする特許第6518879号、およびその分割出願に係る特許第6850456号が存在します(これらをあわせて以下「別件特許」)。

この「別件特許」に係る発明者は、澤田昌典氏(ヘリオス)および関口清俊(大阪大学)の2名であり、「別件特許」の特許権者は、ヘリオスおよび大阪大学となっています。

「本件特許」とは異なり、高橋政代氏(理研)は発明者として記載されておらず、理研は共有の特許権者となっていません(優先権主張の基礎となる特願2013-212345号では、発明者3名であり、三者の共同出願でした。)。

「別件特許」(第6518879号)の特許公報の記載によると、本発明者らは、「ラミニン上で製造された網膜色素上皮細胞は他の細胞やマトリックス成分に埋もれて存在しているにも関わらず、この全体を纏めてフィルターに導入するという操作だけで網膜色素上皮細胞だけを効率よく純化できることを見出した。これにより、多能性幹細胞を網膜色素上皮細胞へ分化誘導した際に課題であった回収率の低さが著しく改善され、目的の網膜色素上皮細胞を簡便かつ安定に純化できることを見出した。」とのことです(【0008】)。

「別件特許」(第6518879号)の出願時当初の特許請求の範囲(請求項1)は以下のとおりです。

【請求項1】
多能性幹細胞をラミニンまたはそのフラグメント上で分化誘導して得られた網膜色素上皮細胞を含む細胞群をフィルターに導入し、フィルターを通過した細胞群を得る工程を含む、網膜色素上皮細胞の純化方法。

「本件特許」に係る発明は、ヒト多能性幹細胞を接着培養する工程に特徴がある網膜色素上皮細胞の製造方法であるのに対して、「別件特許」に係る発明は、網膜色素上皮細胞群をフィルターに導入し、フィルターを通過した細胞群を得る工程に特徴がある網膜色素上皮細胞の純化方法であるという違いがあります。この発明の特徴の差異が、「本件特許」と「別件特許」との間の発明者の差異、結果、共有特許権者の差異につながっていると思われます。

特許庁の審査を経て「別件特許」(第6518879号)は以下の特許請求の範囲(請求項1)で2019年5月10日に設定登録されました。

【請求項1】
網膜色素上皮細胞の純化方法であって、
(1)多能性幹細胞をラミニン511E8フラグメント上で網膜色素上皮細胞を含む細胞群に分化誘導する工程、;
(2)(1)で得られた細胞群を細胞分離液で処理して回収する工程;
(3)(2)で得られた細胞群の網膜色素上皮細胞間の接着を解離する工程:
(4)(3)で得られた細胞群をフィルターに導入し、フィルターを通過した網膜色素上皮細胞群を得る工程;
を含む、方法。

こちらの別件特許(第6518879号および特許第6850456号)に対して、裁定の請求はされていません(2021年8月25日に発行された特許庁公報(公示号)まで)。

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4.世界初のiPS細胞を用いた臨床研究とライセンス関係の変遷

(1)世界初のiPS細胞を用いた臨床研究

本件出願(優先日2013年10月9日)と並行して、理研は、難病の滲出型加齢黄斑変性患者本人の皮膚細胞から多分化能をもったiPS細胞を作製し、それを網膜色素上皮細胞に分化させシート状にして網膜の黄斑部に移植することによって、痛んだ網膜組織の再生を促し、視機能を維持・回復させるという新しい治療法の開発を目指し臨床研究をスタートしました。本件特許の発明者のひとりである高橋政代氏(以下「高橋氏」)は、当時、理研・網膜再生医療研究開発プロジェクトのプロジェクトリーダーとしてこの臨床研究をリードし、2014年に第一症例目となる移植手術を実施、この臨床研究が世界で初めてiPS細胞を臨床応用する事例となりました。

ただし、この臨床研究について発表された論文の記載を見ると、この臨床研究においては、本件特許の発明である「ラミニン511E8フラグメントでコーティングした培養基材上で培養する工程」を利用したわけではないようです。

理研の発表:

(2)理研からヘリオスへ独占ライセンス。そして開発主体は大日本住友へ

ヘリオスは、2011年2月24日に設立された理研認定ベンチャーです。

ヘリオスは理研との間でiPS細胞を含む多能性幹細胞由来RPE細胞を有効成分として含有する再生医療製品を対象とする全世界を許諾領域とした特許実施許諾契約を締結して独占的ライセンスを受けています(ヘリオス2015年12月期有価証券報告書等より)。

  • 契約締結日: 2013年3月28日
  • 契約期間: 2013年3月28日から許諾を受けた特許権全ての満了日まで
  • 主な契約内容:
    • 多能性幹細胞由来網膜色素上皮細胞を有効成分として含有する再生医療製品を全世界で開発・製造・製造委託・使用・販売・販売委託するための特許権及びノウハウの再実施許諾権付独占的通常実施権を理研はヘリオスに対して許諾する。
    • 許諾の対価として、ヘリオスは理研に対して一定の実施料を支払う。

また、ヘリオスは、2013年12月に、大日本住友製薬と加齢黄斑変性等の眼疾患を対象としたiPS細胞由来RPE細胞を用いた国内における共同開発契約および実施許諾契約を締結し、ヘリオスが所有するRPE細胞に関する一切の技術(特許、ノウハウ等)について、大日本住友製薬が実施許諾を受けること、RPE細胞医薬品については、国内での独占的通常実施権を、その他の製品については全世界の非独占的通常実施権を大日本住友製薬がヘリオスより受け、大日本住友製薬が提供する最大52億円の開発費用を基に国内におけるiPS細胞由来RPE細胞による細胞医薬品の開発を共同で行い、ヘリオスが製造販売承認の取得および販売を行うことに合意するなど、ヘリオスは、iPS細胞から分化誘導したRPE細胞移植による加齢黄斑変性の新たな治療法を開発することを目指していました。

実施許諾契約(サブライセンス契約):

  • 契約締結日: 2013年12月2日
  • 契約期間: 2013年12月2日から2033年12月2日まで
  • 主な契約内容:
    • 日本における眼疾患の予防又は治療を目的とする網膜色素上皮細胞を有効成分として含有する再生医療等製品の研究・開発・製造・使用・販売・輸出入等を行うための特許権等の独占的通常実施権(第三者から非独占的通常実施権を受けているものについては非独占的通常実施権)を大日本住友製薬に許諾する。
    • 全世界における疾患の予防又は治療のためのその他の再生医療等製品の研究、開発、製造、使用、販売、輸出入等を行うための特許権等の非独占的通常実施権を大日本住友製薬に許諾する。
    • 許諾の対価として、網膜色素上皮細胞製品の開発の進捗により、ヘリオスは総額16億円の実施料の支払いを受ける。
      (1)本契約締結日:5億円
      (2)開発マイルストン:総額11億円

参考:

しかし、2019年、ヘリオスは「短期的には体性幹細胞医薬品分野で実施中の2つの治験に集中する・・・。そのため自社のみで3つ目の治験を実施するのではなく、共同開発パートナーのサポートにより製品化に向けて進みたい」との意向から、ヘリオスと大日本住友製薬は当初の契約を見直し、大日本住友製薬が主体となってRPE細胞製品の治験を行うことができるようにするなど共同開発契約を変更、また、RPE細胞製品に関する実施許諾の対象地域を日本(独占)のみから、海外(非独占)も加わるなどの実施許諾契約を変更することとなりました。

実施許諾契約(変更):

  • 契約締結日: 2019年6月13日
  • 契約期間: 2019年6月13日から2039年6月12日まで
  • 主な契約内容(赤字が主な追加変更内容):
    • 開発マイルストンとして網膜色素上皮細胞製品の開発の進捗により、総額10億円の実施料の支払いを受ける
    • 日本における眼疾患の予防又は治療を目的とする網膜色素上皮細胞を有効成分として含有する再生医療等製品の研究・開発・製造・使用・販売・輸出入等を行うための特許権等の独占的通常実施権(第三者から非独占的通常実施権を受けているものについては非独占的通常実施権)を大日本住友製薬に許諾する。
    • 日本を除く全世界における眼疾患の予防又は治療を目的とする網膜色素上皮細胞を有効成分として含有する再生医療等製品の研究・開発・製造・使用・販売・輸出入等を行うための特許権等の非独占的通常実施権を大日本住友製薬に許諾する。
    • 全世界における疾患の予防又は治療のためのその他の再生医療等製品の研究、開発、製造、使用、販売、輸出入等を行うための特許権等の非独占的通常実施権を大日本住友製薬に許諾する。

参考:

以上の経緯をたどり、加齢黄斑変性等の網膜疾患を対象としたiPS細胞由来RPE細胞を用いた国内における開発は理研からの独占ライセンスを受けてヘリオスが当初計画していましたが、実質的には、ヘリオスからさらにRPE細胞医薬品についての独占的通常実施権(日本)を得た大日本住友製薬が主体となって治験を進めることとなりました。

ヘリオスの2021年12月期 第2四半期決算短信(2021/8/10)によると、「iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)細胞を用いた治療法開発に向けて治験への準備を進め・・・大日本住友製薬株式会社との共同開発体制の変更を決定し、現在は同社が主体となって治験の準備が進められております。」と述べられており、大日本住友製薬の2022年3⽉期第1四半期決算資料(2021/7/29)(p16)によると、「加齢⻩斑変性を適応症として他家iPS細胞由来網膜⾊素上⽪細胞を用いた臨床研究実施中、企業治験開始に向けて準備中 (⽇本)、2021年度治験開始⽬標」とのことですが、治験開始時期のスケジュールは以前から後ろ倒しが続いているようです。

ヘリオス/大日本住友製薬は、患者ごとに製造する必要があるためコストが高くなる自家iPS細胞ではなく、免疫抑制剤が必要かもしれませんがready-to-use(1ライン)で製造可能な他家iPS細胞から網膜⾊素上⽪細胞を作製することによる再生医療を目指しています。

他家iPS細胞という難しさがあるのかも知れませんが、2014年に自家iPS細胞由来網膜⾊素上⽪細胞の移植手術が実施されて以来、既に7年も経過しています。治験開始を阻んでいる主なボトルネックは何なのでしょうか。

(3)高橋氏が理研を退職し、株式会社ビジョンケアへ

株式会社ビジョンケアのビジョンは、

「Total solutions for every patient すべての患者さんのために、あらゆる解決策を」

であり、「アイセンター 構想の実現に向けて、治療だけでなく生活・就業環境、世の中の意識やルールに到るまでありとあらゆる手段で課題解決を行っていく」ことをミッションとして掲げています。

理研において網膜再生医療研究開発プロジェクトのプロジェクトリーダーとしてiPS細胞由来RPE細胞を用いた臨床研究をリードしてきた高橋氏(本件特許の発明者の一人)は、2019年7月末に理研を退職し、8月1日に株式会社ビジョンケア(以下「ビジョンケア」)の代表取締役社長に就任しました。

高橋氏も創立者の一人だったヘリオスが、前述の通り、網膜疾患の再生医療の開発を主体で進めないこととなったこと(2019年6月発表)や、ヘリオスの運営方針に関する考え方の差も広がったことから、このままでは網膜疾患の再生医療の実用化が遅れることを懸念し、これまでの経験を活かすことで自らその実用化を早期に実現することを決断したようです。

しかし、日本経済新聞の記事にも指摘されているように、ビジョンケアがiPS細胞由来のRPE細胞を用いた網膜疾患の再生医療の開発を進めれば、「将来的にへリオスとの間で競合が生じる可能性」は当然想定されます。

もし仮に、ビジョンケアが実用化を目指す再生医療等製品が、理研とヘリオスの間、そしてヘリオスと大日本住友製薬の間でそれぞれ締結されている特許権等の独占実施許諾契約の対象特許発明に該当するものであるとしたら、その契約当事者ではないビジョンケアは、理研、そして独占ライセンスを受けているヘリオスおよび大日本住友製薬と交渉して実施許諾を得なければ、ビジョンケアが実用化したい再生医療等製品を世の中に送り出すことができないという最悪のケースもありえることになります。

また、理研は、ヘリオスとの実施許諾契約において、関連するノウハウも独占的通常実施権を許諾しています。それらノウハウに携わっていた理研の元研究者は、それらがノウハウである限りまたはその契約に特段の定めがない限り、ビジョンケアを含む第三者へそれらノウハウを持ち込むことはできないでしょう。

高橋氏は、理研を退職してビジョンケアの代表取締役社長に就任しましたが、理研-ヘリオス-大日本住友製薬の間でがっちり独占ライセンスの契約が締結されているなかで、ビジョンケアという第三者の立場で網膜疾患の再生医療の実用化という事業自由度の確保をしていくために、非常に難しい舵取りをせざるを得ないと想像されます。

参考(日本経済新聞):

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5.発明者のひとり高橋氏によるSNS発信

2021年9月21日、高橋氏はSNSにて、RPE作成法の特許について、理研、ヘリオスらを相手に経済産業大臣に対して公共の利益のための通常実施権の実施を求める裁定を請求した旨(事件番号は2021年裁定請求第1号であるとのこと)を発信しました。以下に該当ツイートを添付させていただきました。

そして、高橋氏への取材記事(朝日新聞)によると、裁定を求めたのはビジョンケアとその関連会社であることがわかりました。

裁定を求めたのは、ビジョンケア(本社・神戸市)とその関連会社「VC Cell Therapy」(同)。対象にしている特許は高橋氏が発明者の一人で、網膜の細胞を大量につくるにあたって重要な技術に関するもの。当時高橋氏が所属していた理研が、ヘリオスとの間で特許契約を結んだ。高橋氏はその後理研を退職し、現在はこの技術を自由に使えない状態になっているという。

– 朝日新聞記事(2021.09.28 特許技術の使用求め裁定請求 iPS細胞初移植の高橋政代氏

高橋氏がSNS発信で言及されている裁定請求番号からも、2021年7月13日に発明の名称を「網膜色素上皮細胞の製造方法」とする特許第6518878号に対してされた裁定請求が上記の裁定請求に該当することが分かりました。

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6.公共の利益のための通常実施権の設定の裁定について

理研・ヘリオス・大阪大学が特許権者である発明の名称を「網膜色素上皮細胞の製造方法」とする特許第6518878号に対してされた裁定の請求は、ビジョンケアらが公共の利益のための通常実施権の設定を求めるものであることがわかりました。

少し古い資料になりますが、2004年に開催された産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会 第7回特許戦略計画関連問題ワーキンググループ(平成16年3月3日)資料5には「我が国における裁定制度について」詳しくまとめられています。

上記資料(2004年3月)によれば、裁定の実績として、「これまで特許権、実用新案権及び意匠権を合わせ計23件(不実施9件、利用関係14件)の裁定請求が行われているが、いずれも裁定に至る前に取り下げられており、裁定により通常実施権が設定された事例はない。」とのことです。

そして、朝日新聞記事(2021.09.28 特許技術の使用求め裁定請求 iPS細胞初移植の高橋政代氏)によれば、「特許庁によると、「公共の利益のための通常実施権」による裁定請求は過去に1度だけで、却下されている。今回裁定の判断がされれば初のケースになるという。」とのことです。

また、神戸新聞記事(2021.09.28 制度初 iPS実用化巡り国に「裁定」請求 元理研の高橋政代氏「5年遅れている」)によれば、「特許庁総務課によると、裁定が受理され、審議が始まるのは1972年の制度開始以来初めて。」とのことです。

(1)公共の利益の場合の通常実施権の設定の裁定

2004年に開催された産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会 第7回特許戦略計画関連問題ワーキンググループ(平成16年3月3日)資料5「我が国における裁定制度について」にまとめられた、公共の利益の場合の通常実施権の設定の裁定についての記載を以下に抜粋します。

ア 沿革

我が国特許法における公共の利益のための裁定に関する規定は、1909年(明治42年)に制定された特許法において、「軍事上祕密ヲ要シ又ハ軍事上若ハ公益上必要ナル場合ニ於テハ特許權ハ之ヲ制限シ又ハ政府ニ於テ之ヲ收用シ、特許ハ之ヲ取消シ又ハ政府ニ於テ其ノ發明ヲ實施スルコトヲ得」(第44条第1項)と規定されたことに始まる。1921年(大正10年)法においても、明治42年法とほぼ同様の規定が維持された(第40条)。

しかし、1959年(昭和34年)法では、特許権の制限や政府による収用、特許の取消に関する規定が削除された。これは公益上の必要に基づくとはいっても国民の権利を制限し、剥奪するのは必要最小限にとどまるべきであり、また種々の事態を想定するも特許権を制限し、収用し、又は取り消すことを必要とする場合はほとんどあり得ないとの理由による。さらに、通常実施権の設定を受けることができるのは、旧法のように政府のみにとどまらず、公共の利益のために特に必要があって特許発明を実施しようとする者は誰でも通常実施権の設定を受けることができるとされた。また、不実施や利用関係の場合と同様、裁定請求に先立ち、協議が必要となった。

その後、1971年(昭和46年)には、許可、認可等の整理に関する法律(昭和46年法律第96号)により、通常実施権の許諾を求める協議の際に必要とされていた通商産業大臣の許可に関する規定が削除され、現在に至っている。

イ 現行規定(特許法第93条 公共の利益のための通常実施権の設定の裁定)

第93条 特許発明の実施が公共の利益のため特に必要であるときは、その特許発明の実施をしようとする者は、特許権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。
2 前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、その特許発明の実施をしようとする者は、経済産業大臣の裁定を請求することができる。
3 略

ウ 要件

特許法第93条第1項における「公共の利益のため特に必要であるとき」の主要な事例としては、次に掲げる場合等が考えられる。

○国民の生命、財産の保全、公共施設の建設等国民生活に直接関係する分野で特に必要である場合。
○当該特許発明の通常実施権の許諾をしないことにより当該産業全般の健全な発展を阻害し、その結果国民生活に実質的弊害が認められる場合。

【参考】外資審議会専門委員会報告(1968年(昭和43年)3月15日)

1968年に開催された外資審議会専門委員会(委員長 鈴木 武男氏)は、3月15日に「技術導入自由化と特許法、独占禁止法その他技術導入に関連する法律的諸問題」について報告を取りまとめ、同審議会技術導入小委員会に提出した。当該報告の中では、資本取引及び技術導入自由化に関連し、特許法第93条
による強制実施の裁定基準に係る考え方が示された。主な内容は以下のとおり。

  • 特許法第93条の適用の可能性が考えられる場合として、当該特許発明が国民の生命、健康あるいは公共施設の建設等国民生活に直接関係する重要なものである場合があげられるほか、特定製品の生産または特定方法の実施に不可欠な工程に関する重要な特許発明が独占されることによって、次に掲げるような事態が生じ、その結果国民経済に重大な悪影響がもたらされる場合が考えられる。
    1. 当該特許発明の利用が期待される産業に、企業の倒産等の混乱が生じることにより、大量の失業者が発生するおそれがあること。
    2. 当該特許発明の利用が期待される産業に、企業の倒産等の混乱が生じることにより、その特許発明が実施できれば利用可能であった巨額の既存設備が廃棄されるおそれがあること。
    3. 当該特許発明の利用が期待される基幹産業、重要輸出産業又は先端技術分野の産業に、企業の倒産等の混乱が生じることにより、これら産業の健全な経済的・技術的発展を著しく阻害するおそれがあること
  • 特許法第93条は特許権に対する重大な制約であるから、その適用は慎重にすべきである。なお、特許法第92条の強制実施によりうる場合には、これを発動すべきではない。

(2)本件裁定請求は「公共の利益のため特に必要であるとき」要件を満たすか

本件裁定請求は、理研・ヘリオス・大阪大学が特許権者である発明の名称を「網膜色素上皮細胞の製造方法」とする特許第6518878号に係る特許権を含む網膜色素上皮細胞を用いた再生医療についての独占ライセンス契約が理研-ヘリオス-大日本住友製薬の間で締結され(当該特許発明を用いるかどうかは明らかでないが、大日本住友製薬が主体となって加齢黄斑変性に対するiPS細胞による再生医療の治験準備を進め)ているという状況のもと、第三者であるビジョンケアらが、「公共の利益のため特に必要である」ことを理由として、同特許権について通常実施権の許諾を求めるものであると思われます。

本件裁定請求が「公共の利益のため特に必要であるとき」要件を満たすかどうかは、これまで裁定の請求自体が極稀であることや、実際に裁定請求が認められた事例がないため、前記の古い資料を頼りにせざるをえませんが、ビジョンケアらによる当該特許発明の実施が国民の生命や健康にとって重要であり必要であるかどうかや当該特許発明が独占された場合に産業の健全な発展・経済を著しく阻害することがないかどうか等が判断のポイントになると思われます。

加齢黄斑変性は失明を引き起こす可能性がある疾患であることから国民の健康にとって重要であることは疑いようがありません。ビジョンケアによる当該特許発明の実施がその疾患治療にとって欠くことのできないものであって、大日本住友製薬が主体で進めている実用化の存在や他の治療の選択肢の存在、裁定による通常実施権の付与が逆に産業の健全な発展を阻害することはないか(いたずらに実施権を付与すれば競争力としての知的財産への投資意欲を減退させイノベーションを阻害するおそれ。結果として産業の発達に寄与することを目的とする特許法の趣旨に反することとなる可能性)など、政策的な観点も含めて経済産業大臣は判断することになるでしょう。

前記資料に基づく要件の考え方は、1968年の外資審議会専門委員会報告の中で示された考え方を踏襲するものであり、既に半世紀が経過しています。国民の生命や健康を取り巻く社会状況や産業・技術・経済は50年以上前に比べれば極めて大きく変化・進展しています。時代の変化に応じて要件を満たすのかどうかも慎重に検討したうえで判断されることを期待します。

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7.大学等の知的財産・リサーチツールの円滑な活用という観点

大学等における政府資金を原資とする研究開発から生じた知的財産権については、産学官連携や研究開発成果の事業化を促進することによってその成果を国民・社会に還元するための重要な役割を果たすものであると同時に、円滑に使用することによって大学等の自由な研究活動とイノベーションを推進するものでもあります。

また、大学や国の研究機関が特定の企業だけに対して安易に独占実施権を許諾してしまうことにより、せっかくの研究成果が世の中に広く還元されなくなるような事態(いわゆる「特許の塩漬け」)は避けなければなりません。

そして、研究の上流にあるいわゆる「リサーチツール特許」は、全く使用できないとなれば、その下流となる医薬品の研究開発の全体的な発展を阻害することになりかねないため、権利者と利用者のバランスを考慮した合理的な条件で非独占的に広くライセンスされるべきであることは、全体の産業の発達に寄与することや国民の生命や健康に貢献するという点でも納得できるものです。

本件裁定請求の対象である「網膜色素上皮細胞の製造方法」に関する本件特許が、「リサーチツール特許」に該当するかどうかは議論があるかもしれませんが、内閣府が設置する総合科学技術会議での議論や指針、また、日本製薬工業協会からの提言の趣旨を考えると、国の研究機関である理研や大学での研究開発から生じた本件特許は合理的な条件で非独占的に広くライセンスされるべきとの考えで議論されても良いように思われます。

但し、具体的な契約にあたっては、本指針の基本的な考え方に沿ったものとすることが望まれるものの、最終的には個々の契約における事情を踏まえた当事者の判断に委ねられることから、協議の結果、ライセンスに至らない場合もあるでしょう。

本件裁定請求の前提として、ビジョンケアらが特許権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めたものの協議が成立しなかった(又は協議をすることができなかった)(特許法93条第2項)と考えられます。

(1)総合科学技術会議からの研究ライセンスに関する指針

2006年5月23日、内閣府が設置する総合科学技術会議において「大学等における政府資金を原資とする研究開発から生じた知的財産権についての研究ライセンスに関する指針」が決定されました。

本指針においては、大学等の研究における知的財産権の使用の円滑化を図るため、政府資金を原資として得られた大学等の知的財産権について、他の大学等が使用する場合の基本的な考え方が示されています。

(2)総合科学技術会議からのリサーチツール特許の使用の円滑化に関する指針

また、2007年3月1日、総合科学技術会議において「ライフサイエンス分野におけるリサーチツール特許の使用の円滑化に関する指針」が決定されました。

本指針においては、大学等の研究におけるライフサイエンス分野におけるリサーチツール特許について紛争を未然に回避し、使用の円滑化を図るため、大学等や民間企業におけるライセンスの基本的な考え方や、大学における必要な関連規程の整備や体制整備の促進を行うことが示されています。

本指針において「リサーチツール特許」とは、ライフサイエンス分野において研究を行うための道具として使用される物又は方法に関する日本特許をいう。これには、実験用動植物、細胞株、単クローン抗体、スクリーニング方法などに関する特許が含まれるとしています。

(3)製薬協からのリサーチツール特許のライセンスに関するガイドライン提言

総合科学技術会議(2006年10月17日 知的財産戦略専門調査会ライフサイエンス分野における知的財産の保護・活用等に関する検討プロジェクトチーム(第2回))において、日本製薬工業協会から「リサーチツール特許のライセンスに関するガイドライン(提言)」が提出されました。

リサーチツール特許は、医薬の研究開発の発展を阻害することのなきよう、権利者と利用者のバランスを考慮した合理的な条件で非独占的に広くライセンスされるべきであることが提言されています。

本ガイドラインにおいて、リサーチツール特許とは、医薬の研究開発過程において最終製品(医薬)を選択する目的のためのツールとして用いられる遺伝子・たんぱく質等及びそれらの製造、選択又は使用(例えば、生物化学実験で用いられるマーカーたんぱく質又はそれをコードする遺伝子、たんぱく質の製造法、遺伝子の選択方法、医薬の医薬分子と反応し得る受容体たんぱく質又はそれをコードする遺伝子、医薬のスクリーニング方法、トランスジェニック動物、ベクター、抗体等)に関する発明についての特許のことを指すとしています。

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8.おわりに

特許法は産業の発達に寄与することを目的とする法律ですが、発明の保護(独占性)という手段から、公共の利益との間で対立関係となることがあります。特に、発明が医薬品に関連する場合には、公共の利益が国民の生命や健康に直接関わることとなるためその議論が顕著に現れることがあります。典型的な例としては、知的財産権と医薬品アクセス問題が挙げられるでしょう(例えば下記記事)。

COVID-19ワクチンの知的財産権の放棄を支持したバイデン政権と各製薬業界団体の失望・・・将来のパンデミックに対するイノベーションは誰が担うのか?

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2021年5月5日、米通商代表部(USTR)のタイ代表は、WTOでの議論(TRIPS協定において定められた知的財産保護に関する規程の適用除外/履行義務免除(waiver)を求める提案)を受けて、バイデン政権がCOVID-19ワクチンの知的財産権保護の放棄(前記waiver)を支持することを発表しました。その発表に対して各製薬業界団体は反対と失望の声明を出しています。バイデン政権の安全で効果的なワ...

知的財産権とCOVID-19についての製薬団体のステートメント

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1.はじめに製薬産業にとって、知的財産権はイノベーションの原動力であり、成功確率が極めて低い挑戦にも敢えて膨大な投資ができるインセンティブを与えてくれます。いまだに有効な治療法が見つかっていない病気に対する、新しい治療薬や診断薬等(アンメット・メディカル・ニーズ)への挑戦と投資が繰り返され、幾多の発明が生まれては消え、患者様や医療現場に至るものは極僅か。それでも世の中に出た医薬品には患者様...

そして、本件裁定請求事件も、発明の保護と公共の利益の対立をどのようなバランスで考えるかの好例となるかもしれません。

しかし、「人命と特許どちらが大切?」といった短絡的な二者択一の構図で捉え、問題の原因のすべてを特許権(知的財産権)の存在(または知的財産制度)に求めることは妥当ではありません。イノベーションの原動力である特許権に安易に強制的な実施権を許すことは、特許権(知的財産権)による競争力を弱体化させ、長い目で見ると今なお病気に苦しむ患者や医療現場に希望を与えるための挑戦への投資インセンティブを減退させることに繋がりかねないからです。公共の利益に与える重大さ、特許権者の実施状況、代替手段・選択肢の存在、公権力が特許権者らの私的権利に与える影響、政策的な観点など、総合的に検討しなければならない難しい問題です(個人的には裁定実施権の設定には慎重な立場です)。

大日本住友製薬が主体で治験準備を進めているというiPS細胞由来の網膜色素上皮細胞を用いた再生医療の実用化には大いに期待していますし、その礎となったiPS細胞を用いた臨床研究を理研時代にリードした高橋氏(ビジョンケア)が患者のために目指している眼の医療を進歩させる思いにも共感します。

ビジョンケアは裁定請求という手段にまで至ってしまったことから、あらゆる手段・譲歩を尽くしても特許権者(理研・ヘリオス・大阪大学)との協議は成立しなかったと思われます。しかし、治験を主体的に準備しており独占ライセンスを得ているのは大日本住友製薬であり、ビジョンケアへの実施権付与により一番影響を受けるのは大日本住友製薬と思われます。大日本住友製薬としても、ビジョンケアは競合関係となることから実施権を許すことにはかなり消極的であると想像されますが、高橋氏(ビジョンケア)と提携して眼科再生医療分野での患者への貢献とプレゼンスを高めることは長期的な企業価値向上にとって悪い話ではないように思われます。

ビジョンケアは、本件裁定請求と並行して、大日本住友製薬との直接ビジネス交渉(必要なら大日本住友製薬トップへの直談判)や再生医療分野で著名な先生に仲裁をお願いするなど粘り強く交渉を継続したほうがよいでしょうし、すでにされていることと想像します(ビジョンケアも相当な妥協が必要と思われますが)。また、大日本住友製薬をはじめ理研・ヘリオスも、現契約の縛りがあるのか協議にリスクを感じているのかはわかりませんが、前向きな契約交渉により解決策を探るようもっと知恵を絞るべきでしょう。

iPS細胞での再生医療の実用化を待ち望んでいる患者のためになるように当事者努力による解決に至ることを願っています。

コメント

  1. Fubuki Fubuki より:

    【追記】
    2021.10.07 ヘリオス ニュースリリース「裁定請求に関する当社の対応につきまして」
    https://www.healios.co.jp/news/oshirase-20211007/

  2. 匿名 より:

    Wikipediaの加齢黄斑変性の項には、iPS細胞移植よりVEGF阻害剤投与の方が見込みがある旨の記載があり、これが本当だとすれば、本件の背景にも今後の進行にも関係するように思います。

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