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ViiV・GSK・塩野義とGilead 抗HIV薬を巡るグローバル特許紛争で和解・・・ドルテグラビル(dolutegravir)とビクテグラビル(bictegravir)

2022年2月1日、GlaxoSmithKline社(GSK)は、塩野義製薬(塩野義)らとともに資本参加しているViiV Healthcare社(ViiV)および塩野義が保有するHIVの治療に用いられる抗レトロウイルス薬ドルテグラビル(dolutegravir)に関する特許をめぐり、ViiV、GSK、塩野義、Gilead Sciences, Inc.(Gilead)との間で争われていたグローバルな特許権侵害訴訟について、和解に合意したことを発表しました。

ドルテグラビル(dolutegravir)

ViiV、GSKおよび塩野義は、ドルテグラビルと同じHIVインテグラーゼ阻害剤であるビクテグラビル(bictegravir)、テノホビル アラフェナミド(tenofovir alafenamide)およびエムトリシタビン(emtricitabine)を有効成分として含む3剤併用のHIV治療配合剤であるGileadのBiktarvy®/ビクタルビ®が、ドルテグラビルに関する特許権を侵害していると主張し、米国等で侵害訴訟を提起していました。

米国で権利行使に踏み切った特許権はドルテグラビルの物質発明に係るもの(米国特許第8,129,385号(’385特許))で、Gileadは、「ビクテグラビルはドルテグラビルとは構造的に異なり、ビクテグラビルは米国特許8,129,385の請求の範囲を侵害しておらず、またその範囲は無効である」と主張していました。

ビクテグラビル(bictegravir)

GileadのBiktarvy®の米国承認の発表、それを受けViiV、GSKおよび塩野義が訴訟提起を発表したとき(2018年2月)から、4年での決着となりました。

訴訟背景については以下の記事をご覧下さい。

関連記事:

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発表によると、この和解により、米国、英国、フランス、アイルランド、ドイツ、日本、韓国、オーストラリア、カナダにおける特許権侵害訴訟は取下げられることになるとのことです。

ViiV、GSK、塩野義およびGileadは、グローバルな和解契約および特許ライセンス契約を締結し、Gileadは、ドルテグラビルに関するViiVの特定特許の世界的ライセンスを受けるとともに、ViiV、GSKおよび塩野義は、過去または将来のBiktarvy®/ビクタルビ®に関する侵害の請求に関連してViiV、GSK、塩野義が管理する特許をGileadに対して権利行使しないことを約定し、ビクテグラビルを含む将来の製品に対しても、その製品のビクテグラビル成分に関連する範囲で、特許権の行使をしないことに合意したとのことです。

グローバルな和解およびライセンス契約の条件に基づき、Gileadは、ViiVに12億5000万ドルの一時金を支払うことになり(2022年第1四半期に予定)、また、Biktarvy®/ビクタルビ®の将来の米国での全売上高(2020年は60億9000万ドル)および将来米国で販売される他のビクテグラビル含有製品のビクテグラビル成分に関しても、3%のロイヤルティを支払うことになります。

これらのロイヤルティは、2022年2月1日から2027年10月5日にViiVの米国特許第8,129,385号(’385特許)が満了するまで、GileadがViiVに支払うことになります。ただし、Gileadのロイヤルティ支払い義務は、ドルテグラビルの小児用途の臨床試験実施に基づく独占販売期間延長が認められたとしても、その期間には適用されないとのことです。その小児用途の臨床試験実施に基づく独占販売期間は、’385特許満了後の独占期間を2027年10月5日から2028年4月5日まで(6ヶ月間)延長するもののようです。

参考:

コメント

  1. Fubuki Fubuki より:

    【追加情報】
    2022.02.03 塩野義 press release: ViiV社の抗HIV薬Dolutegravirに対するGilead社Biktarvyの特許権侵害訴訟の和解ならびに特許ライセンス契約の締結に関するGSK社の発表について
    https://www.shionogi.com/jp/ja/news/2022/2/22020203.html

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