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2007.11.29 Takeda’s PCT Publication (WO2007/136129)

ORAL PREPARATION COMPRISING PIOGLITAZONE (WO 2007/136129)2007.11.29公開の武田薬品のPCT出願。ピオグリタゾンの苦味を抑えた新製剤の発明。ピオグリタゾンのライフサイクル延命戦略における新製剤をカバーする特許となるかどうか、今後の動向に期待。

Abstract:

The present invention provides an oral preparation sufficiently masking the bitter taste of pioglitazone and a salt thereof. The present invention provides an oral preparation containing pioglitazone or a salt thereof and alkali metal chloride.

形式面において、この出願で興味深い点としては、優先権の基礎出願は日本語、発明者も日本人であるにもかかわらず、PCT出願が英語で行われている点である。武田は時々このような出願戦術を取っているようだが、どのような場合にその戦術を実行するのかは不明。考えられるメリット/デメリットは下記のようなところだろうか?

メリット:

1) 米国においてより強い後願排除効(102(e))の獲得。

  • 参考: 豊栖康司 パテント Vol.56, No.3, 2003

2) 早期の英語明細書作成により、パリ優先権を主張してPCT非加盟国へ出願することが可能。
3) EPOによる国際調査報告が得られる。

デメリット:

1) 早期に英語での明細書作成(翻訳)作業が必要とな(時間的制限)。
2) 基礎出願の日本語と、本願の原文となる英語の微妙なニュアンスの違いが、優先権の利益を享受できないリスク(第三者による特許無効の攻撃リスク)を高めるかもしれない。

参考:

  • ピオグリタゾン塩酸塩は武田薬品が販売している2型糖尿病治療剤(インスリン抵抗性改善剤、販売名: アクトス錠(ACTOS tablet))の有効成分。アクトス錠には、有効成分であるピオグリタゾン塩酸塩以外の添加剤として、カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物を含有。
  • ACTOS website~キャラクターの説明がなんとも愛らしい。

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