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2026.04.23 「帝國製薬 v. 特許庁長官」知財高裁令和7年(行ケ)10053 ― パップ剤開発の苦労と進歩性の評価

Summary

本件は、発明の名称を「水性貼付剤」とする帝國製薬の特許出願に対する拒絶審決の取消訴訟である。争点は、含水率、支持体条件、塗工量および粘着力といった数値限定・製剤条件について、引用発明との差異が進歩性を基礎付けるかであった。

知財高裁は、主引用例が広い数値範囲を開示している点を重視し、本願発明の各構成はいずれも当業者が容易に想到し得るとして、進歩性を否定した審決を維持した。また、原告提出の比較実験についても、本願発明で特定されていない成分や配合量が変更されており、主張される効果との因果関係が十分に立証されていないとして、引用発明を超える顕著な効果を認めなかった。

本判決は、広い数値範囲が開示された引用文献に対する数値限定発明の進歩性判断、および製剤分野における比較実験の設計・因果関係立証の重要性を改めて示したものとして実務上参考になる。

また、本願の出願時期、実施例構成、さらに有効成分を限定しない広い製剤クレームを維持した複数の分割出願の係属状況などからは、実製品の上市と連動した製剤特許戦略の一端もうかがわれる。

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おや、ピポとミャオがおしゃべりしてますよ・・・
ピポ
ピポ

新作レシピ本いくよ!『緑茶に合う、ふわもち高齢者向けパンケーキ♡』

水分ひかえめ、でもしっとり感キープ、焼き時間はいい感じ、これで全部解決!

ミャオ
ミャオ

その「いい感じ」が一番危ないんですけど…

ピポ
ピポ

大丈夫!ちゃんと普通のパンケーキと比べて、「緑茶相性スコアNo.10以上」っていう数値データで証明できているから!

ミャオ
ミャオ

そのスコアって、普通のパンケーキから何を工夫した結果なんですか?

ピポ
ピポ

えっと…水分(=含水率)はちょい低め、フライパンの厚みと重さ(=支持体条件)、生地の広げ方(=塗工量)も最適化、あと、もちもち感(=粘着力)もバッチリ!

ミャオ
ミャオ

それだと、普通に調整可能な範囲の最適化に見えますけど…結局、決定的に違う点って何なんですか?

ピポ
ピポ

うーん…「いい感じに焼く」…かな…

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1.背景

本件(知財高裁令和7年(行ケ)10053)は、発明の名称を「水性貼付剤」とする帝國製薬の特許出願(特願2018-199959号)に対する拒絶審決の取消訴訟である。争点は進歩性(特許法29条2項)の有無である。

本願発明は、水性貼付剤、いわゆるパップ剤において、薄型化と十分な粘着性を維持しつつ、保存時における膏体の裏抜けを抑制することを課題とするものである。

一般に、水性貼付剤では、含水率を高めると薬物溶解性や皮膚透過性には有利となる一方、膏体の流動性増加に伴い、裏抜け、包装材への付着、保形性低下などの問題が生じやすくなる。逆に含水率を低下させれば保形性には有利となるが、ケトプロフェン(Ketoprofen)のような難溶性薬物では結晶析出や皮膚透過性低下を招き得る。

本願発明は、このような課題に対し、アクリル系ポリマーを含む水溶性ポリマー、多価アルコールおよびグリセリンを特定割合で配合した低含水量膏体を採用し、これをフィルム非積層の比較的薄い支持体に一定範囲の塗工量で塗布することにより、「薄型化」「裏抜け防止」「粘着性維持」の両立を図ろうとするものである。

請求項1(本願発明)の記載は以下のとおりである。

【請求項1】
膏体成分として、アクリル系ポリマーを含む水溶性ポリマーを10~20重量%および多価アルコールを20~50重量%含有し、且つ、多価アルコールの一種として少なくともグリセリンを10~40重量%および架橋剤を含有する、含水率が25~45重量%である低含水量の膏体を、厚み0.4~0.7mm及び目付80~110g/m2の支持体に、塗工量として300~600g/m2の範囲で塗布してなり、日本薬局方「一般試験 6.12 粘着力試験法」の「3.2 傾斜式ボールタック試験法」による粘着力としてボールナンバー(No.)10以上の粘着力を有することを特徴とする水性貼付剤であって、前記アクリル系ポリマーは、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸部分中和物およびポリアクリル酸から選択される1種又は2種以上である水性貼付剤。
特許庁は、引用文献3(WO2016/104227)記載の発明(以下「引用発明」)を主引用例とし、本願発明との一致点および相違点を認定した上で、本願発明は当業者が容易に想到し得るとして拒絶審決をした。

なお、引用文献3の出願人は 久光製薬 であり、日本では特許第6469136号として登録されている。同特許は、ケトプロフェンを有効成分とする「モーラスパップXR120mg」および「モーラスパップXR240mg」に対応するものとして、特許権存続期間延長登録も受けている。

本件で争点となった主な相違点は以下の4点である。

  • 相違点1(含水率):本願発明においては、膏体の「含水率が25~45重量%である低含水量」であることが特定されているのに対し、引用発明では、約47.42重量%である点。
  • 相違点2(支持体条件):本願発明においては、「支持体」が「厚み0.4~0.7mm及び目付80~110g/m²」であることが特定されているのに対し、引用発明では、そのような特定がない点。
  • 相違点3(塗工量・方式):本願発明においては、膏体を「塗工量として300~600g/m²の範囲」で支持体に塗布することが特定されているのに対し、引用発明では、塗工量は特定されておらず、また、膏体液を剥離ライナー上に展延し、その上に基布を積層している点。
  • 相違点4(粘着力):本願発明においては、水性貼付剤が、「日本薬局方「一般試験 6.12 粘着力試験法」の「3.2 傾斜式ボールタック試験法」による粘着力としてボールナンバー(No.)10以上の粘着力を有する」ことが特定されているのに対し、引用発明では、そのような特定がない点。

本件では、膏体の基本組成自体には大きな差異がない中で、含水率、支持体条件、塗工量および粘着力といった数値限定・製剤条件について、引用発明との差異が進歩性を基礎付けるかが中心的争点となった。

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2.裁判所の判断

2026年4月23日、知的財産高等裁判所第3部(以下「裁判所」)は、原告である帝國製薬の請求を棄却した。裁判所は、引用文献3自体が比較的広い数値範囲および製剤条件を開示していることを重視し、本願発明の各構成はいずれも当業者が容易に想到し得るとして進歩性を否定した審決を維持した。

裁判所の判断は以下のとおりである。

(1)各相違点の容易想到性

ア.相違点1(含水率)

裁判所は、引用文献3において水分含有量について広い範囲が段階的に開示されている点を重視した。

すなわち、引用文献3には、

「本実施形態のパップ剤は、膏体層に水を含有する。膏体層が水を含有することにより、薬物の皮膚透過性が向上し、薬理作用がより効果的に発揮される。」([0033])

「水の含有量は、膏体層の質量を基準として、10~90質量%であることが好ましく、15~88質量%であることがより好ましく、18~85質量%であることがさらに好ましい。」([0034])

との記載が存在することを指摘した。

その上で裁判所は、引用発明における含水率約47.42重量%から、本願発明の上限値である45重量%程度へ調整することは、引用文献3に記載された「さらに好ましい」範囲内での数値調整にすぎず、当業者が容易に想到し得ると判断した。

イ.相違点2(支持体条件)

本願発明は、支持体について、

  • 厚み:0.4~0.7mm
  • 目付:80~110g/m²

という数値限定を有していた。

これに対し裁判所は、引用文献3には、

「基布が不織布である場合、・・・好適な基布の目付は、例えば、80~120g/m2であり、90~110g/m2であることが好ましい。好適な基布の厚みは、例えば、0.5~2mmである。」

との記載があることを指摘した。

その上で、引用文献3に開示された好適範囲内で目付および厚みを適宜調整し、本願発明の範囲に設定することは、当業者が容易に想到し得ると判断した。

すなわち裁判所は、本願発明の支持体条件について、引用文献3に記載された好適範囲の一部を切り出したにすぎないものと理解したものとみられる。

ウ.相違点3(塗工量・塗布方式)

本願発明は、膏体を支持体に対して300~600g/m²の範囲で塗布する点、および支持体へ直接塗布する構成を採用している点に特徴を有していた。

これに対し裁判所は、引用文献3には膏体層の質量に関する記載が存在し、その範囲内で塗工量を調整して300~600g/m²程度とすることは容易想到であると判断した。

また、引用文献3には、

「膏体液を基布に展延した後、剥離ライナーを積層して製造してもよい」

との記載が存在することから、引用発明においても、膏体液を基布(本願発明の支持体に相当)へ直接塗布する構成を採用することは容易に想到し得ると判断した。

エ.相違点4(粘着力)

本願発明は、日本薬局方「一般試験 6.12 粘着力試験法」の「3.2 傾斜式ボールタック試験法」において、ボールNo.10以上の粘着力を有することを特定していた。

これに対し裁判所は、ボールNo.10の粘着力は貼付剤において一般的に要求される程度の粘着力であると理解した。

さらに裁判所は、粘着力は塗工量等の調整により制御可能な物性であり、実際に原告提出の比較実験報告書(甲8)においても、塗工量の増加に伴い停止ボールNo.が上昇していることと整合すると指摘した。

その上で、引用発明において塗工量等を適宜調整し、一般的に要求される粘着力であるボールNo.10以上を実現することは、当業者が容易に想到し得ると判断した。

すなわち裁判所は、「ボールNo.10以上」という特性値について、格別に臨界的な性能指標ではなく、通常求められる粘着性能を示すものと理解したといえる。

(2)本願発明の効果についての判断

原告は、拒絶査定不服審判請求後に提出した比較実験報告書および比較実験報告書(2)に基づき、ケトプロフェン含有パップ剤において、

  • 引用発明側では結晶析出が認められたこと
  • 本願発明側では結晶析出が抑制されたこと
  • 本願発明側では皮膚透過性も良好であったこと

などを主張し、本願発明の効果は当業者にとって予測困難であると主張した。

これに対し裁判所は、顕著な効果の判断について、

「本願の出願日当時、本願発明の構成が奏するものとして当業者が予測することができなかったものか否か、当該構成から当業者が予測することができた範囲の効果を超える顕著なものであるか否かという観点から検討すべきである(最高裁平成30年(行ヒ)第69号令和元年8月27日第三小法廷判決・裁判集民事262号51頁参照)。」

との判断枠組み(2019.08.27ブログ記事「2019.08.27 「アルコン・協和キリン v. X」 最高裁平成30年(行ヒ)69」参照)を示したうえで、本件比較実験では、本願発明で特定されていない成分の種類や配合量も変更されており、主張される効果が本願発明と引用発明との構成差に起因することが十分に立証されていないと判断した。

2019.08.27 「アルコン・協和キリン v. X」 最高裁平成30年(行ヒ)69
化合物の医薬用途に係る特許発明の進歩性の有無に関し当該特許発明の効果が予測できない顕著なものであることを否定した原審の判断に違法があるとされた事例: 最高裁平成30年(行ヒ)69【背景】「アレルギー性眼疾患を処置するためのドキセピン誘導体を含有する局所的眼科用処方物」に関する特許(第3068858号)に対する無効審判請求の不成立審決取消訴訟において、原審(2017.11.21 「X v. アルコン...

すなわち裁判所は、比較実験において、効果との因果関係を基礎付けるべき比較条件が適切に揃えられていないと理解したものとみられる。

その結果、裁判所は、本願発明の効果について、引用発明から当業者が予測し得る範囲を超える顕著なものとは認められず、進歩性を基礎付ける事情にはならないと結論付けた。

数値限定発明における顕著な効果の立証においては、当該数値範囲以外の条件を可能な限り一致させた比較設計が強く求められることを、改めて示したものといえる。

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3.コメント

(1)製剤開発の苦労と進歩性

水性パップ剤の開発は、一見すると単純な配合調整の問題のように見えるものの、実際には複数の物性パラメータ間の相反関係を調整する高度な製剤設計を要する。

例えば、含水率を高めれば、薬物の溶解性や皮膚透過性には有利となる一方、膏体の流動性が増加するため、裏抜け、ダレ、保形性低下といった問題が生じやすくなる。逆に含水率を低下させれば、保形性や裏抜け防止には有利となるが、ケトプロフェンのような難溶性NSAIDsでは結晶析出リスクが高まり、皮膚透過性や粘着性の低下を招き得る。

さらに、支持体の厚み・目付・塗工量も相互に影響し合うため、水性貼付剤の開発では、複数の設計変数を組み合わせた「全体最適型」の製剤設計が必要となる。このような試行錯誤は、製剤開発に特有の経験的・累積的性格を強く有しており、本願明細書および提出された比較実験報告書からも、その実務的苦労の一端をうかがうことができる。

しかし、本件が改めて示したのは、「製剤開発上の技術的困難性」と「特許法上の進歩性」とは、必ずしも一致しないという点である。

特許法上の進歩性は、「当業者が先行技術に基づいて容易に想到できたか」を基準として判断されるものであり、開発者が実際に費やした試行錯誤や研究開発コストそのものを直接評価する制度ではない。

本件では、引用文献3自体が比較的広い数値範囲を開示していたため、本願発明の構成は、その範囲内における適宜の最適化にすぎないと評価されたといえる。とりわけ、引用発明の含水率(約47.42重量%)と、本願発明の上限値(45重量%)との差が比較的小さい点は、相違点とはいえ調整範囲内である程度の差にすぎないとの印象を与える。

本件で進歩性を基礎付けるためには、特定数値範囲において物性や性能が非連続的に変化する、いわゆる「臨界的意義」の存在を、比較条件を適切に揃えた実験データによって説得的に示す必要があったものと思われる。

本件は、製剤分野における「全体最適型」の技術的苦労と、数値限定発明に要求される法的な進歩性立証との間に存在する構造的ギャップを、改めて示した事例といえる。

(2)本件はケトプロフェンパップ剤の実開発を意識した出願か

本件判決自体は、比較的オーソドックスな進歩性否定事例であり、数値限定発明に関する従来の裁判例の枠組みを大きく変更するものではない。

もっとも、本件を製薬企業の開発・出願実務という観点から見ると、興味深い背景事情が存在する。

本件明細書の実施例1~4は、いずれもケトプロフェンを用いた試験系を中心として構成されており、比較実験においても、ケトプロフェン含有パップ剤における結晶析出および皮膚透過性が主要な評価対象となっていた。また、請求項群には有効成分を具体的に限定した下位クレームも含まれていた。

これらの事情からすると、本件発明は、単なる抽象的な基剤研究ではなく、ケトプロフェン貼付剤の実製品開発を相当程度意識した出願であった可能性がうかがわれる。

この点との関係で、帝國製薬グループが実際に展開しているケトプロフェン含有貼付剤との近接性が注目される。

帝國製薬グループの テイコクファルマケアは、2006年に一般用医薬品として「オムニード®ケトプロフェンパップ」を発売し(2006.06.05 帝國製薬 press release: 帝國製薬グループ・テイコクファルマケア 一般用ケトプロフェンパップ剤を発売)、2026年にはハリックス®ブランド(2024年3月、ライオン株式会社より同ブランド及び同社貼付剤事業を譲受(プレスリリース))での承認取得を行い「ハリックス®55KPパップ」として新発売されている(2026.05.25薬事日報記事より)。同製品は、ポリアクリル酸部分中和物やグリセリン等を添加物として含有している。

また、医療用後発医薬品である「ケトプロフェンパップXR120mg『テイコク』」は、水性パップ剤として、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸部分中和物、濃グリセリン、D-ソルビトール、プロピレングリコール等を添加物として含有し、2018年8月15日に製造販売承認を取得している。

これに対し、本願の出願日は2018年10月24日であり、「ケトプロフェンパップXR120mg『テイコク』」の製造販売承認取得日(同年8月15日)の約2か月後に当たる一方、薬価収載(同年12月14日)および販売開始(2019年1月25日)前のタイミングに位置している。

さらに、本願明細書の実施例1および処方例1・3・4に記載された添加物構成は、同製品の添加物構成を広く包含するようにも見受けられる。

もちろん、本件判決自体は、実製品との関係について直接論じたものではなく、上記は公開情報に基づく推測的検討の域を出るものではない。

しかしながら、出願時期、実施例の内容、比較実験の評価項目、添加物構成といった事情を総合すると、本件出願が、実製品の上市を見据えた製剤特許戦略の一環として位置付けられていた可能性は十分に考えられる。

製剤特許実務においては、製造販売承認取得前後のタイミングで、実製品処方に近接した製剤発明について追加出願や分割出願を行う例は少なくない。本件も、そのような実務上の文脈の中で理解することができる事例かもしれない。

(3)広い製剤クレームへの拘り

本件でさらに注目されるのは、帝國製薬が、有効成分を限定した狭いクレームへの収斂ではなく、有効成分を特定しない広い製剤クレームとしての権利化を一貫して志向しているように見える点である。

本願については、2024年5月17日に3件の分割出願が行われているが、確認できる範囲では、これらの分割出願においても、ケトプロフェン等の特定有効成分へ限定する方向には進まず、親出願である本願と同様、比較的広い製剤クレームを維持したまま審査が継続されている。

一般に、有効成分を限定しない広い製剤特許が成立すれば、特定薬物に依存しない基盤的製剤技術として、他薬剤への展開可能性を持つ。その結果、後発品や競合製品に対しても、より広範な権利行使余地を確保し得る。

製薬企業にとって、この種の広い製剤権利は、単一製品の保護にとどまらず、製剤プラットフォーム技術として長期的競争優位を形成し得る点に大きな意味がある。

また、本件では、審査・審判段階を通じて第三者による複数回の情報提供(刊行物等提出書)が行われており、本件出願の権利化動向に対して、業界関係者が一定の関心または警戒感を有していたこともうかがわれる。

現時点では、分割出願群も拒絶査定を受けているものの、今後の補正やさらなる分割によって権利化が模索される可能性はなお残されている。

その意味で本件は、広いクレームについて司法判断を求めつつ、並行して分割出願群により補正余地を維持し、将来的な権利化可能性を多層的に確保するという、製薬企業に特徴的な出願・権利化戦略を示す事例としても興味深い。

本件は、①数値限定発明における「臨界的意義」の立証、②製剤分野特有の全体最適型設計と進歩性立証との緊張関係、③比較実験における因果関係立証の厳格性、さらに④実製品開発と並行する製剤特許戦略の在り方という、製剤特許実務上の複数の論点を示した事例として、今後の実務においても参考になるものと思われる。


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