Dec 24, 2017

2017.11.30 「明治 v. 特許庁長官」 知財高裁平成28年(行ケ)10279

優先権主張を伴う特許出願において手続を履行しなかったために新規性喪失の例外適用を受けることができないとされた事件知財高裁平成28年(行ケ)10279

【背景】

「NK細胞活性化剤」に関する特許出願(特願2013-55183; 特開2013-173746)の拒絶査定不服審判請求に対する不成立審決(不服2015-10465号)の取消訴訟。争点は、いわゆる基礎出願においては特許法30条4項の手続を履践したものの、優先権主張を伴う特許出願においては同手続を履践していないときには、同条1項の規定(新規性喪失の例外)の適用を受けることができないとした判断の誤りの有無である。

請求項1:
酸性多糖類を有効成分として含有することを特徴とするNK細胞活性化剤。
【要旨】

裁判所は、
「国内優先権主張出願に係る発明(基礎出願の当初明細書等に記載された発明を含む。)について,平成23年改正前特許法30条1項の適用を受けるためには,同条4項所定の手続的要件として,所定期間内に4項書面及び4項証明書を提出することが必要であり,基礎出願において提出した4項書面及び4項証明書を提出したことをもって,これに代えることはできないというべきである。」

「基礎出願Xにおいて,平成23年改正前特許法30条4項所定の手続が履践されているものの,これを基礎出願とする国内優先権主張出願である出願Aにおいて,同項所定の手続が履践されていないから,出願Aの分割出願である本願の原出願をさらに分割出願した本願は,刊行物Aについて同条1項の適用を受けることはできず,本願発明は,刊行物Aに記載された発明であるか,同発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである」
と判断した。請求棄却。

【コメント】

本件特許出願(本願)は分割出願であり、本事件で問題となった優先権出張を伴う出願A(特願2004-203601)自体はクレームを補正して登録に至っている(特許5177728)。

特許5177728の請求項1:
「L. bulgaricus OLL1073R-1およびS. thermophilus OLS3059をスターター菌として製造する、NK細胞活性化作用を有する発酵乳。」
この特許5177728は、明治プロビオヨーグルトR-1を保護する特許のようである。
  • 特願2004-203601(出願A)⇒登録 特許5177728
  • 分割(第1世代)特願2010-230889⇒登録 特許5744462
  • 分割(第2世代)特願2013-055183(本願)⇒拒絶査定⇒拒絶審決⇒審決取消訴訟請求棄却(本事件)
  • 分割(第3世代)特願2016-146787⇒拒絶査定

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