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PhRMA、日本の特許期間延長(PTE)制度の適切な運用維持を要望

2026年7月15日、PhRMA(米国研究製薬工業協会)は、日本の特許期間延長(PTE)制度に関するポジションペーパー「特許期間延長(PTE)制度の適切な運用の維持」を公表し、制度の適切な運用の維持を求めました。

PhRMAは、PTE制度について、新薬の開発では臨床試験や承認審査に通常10年以上を要することから、その過程で失われた特許期間の一部を回復し、高リスクな研究開発への投資を継続するための重要な制度であると説明しています。

また、知的財産高等裁判所は、物質特許の延長期間中に後発医薬品等のフォローオン医薬品の承認を判断する際に、厚生労働省が適用すべき「実質同一」という基準を示しているとして、この基準の下では、先発医薬品と比較した相違が「僅かな差異」又は「全体的にみて形式的な差異」にすぎない場合、厚生労働省はフォローオン医薬品を承認すべきではないと指摘しています。

一方で、近年は特許延長期間中に後発医薬品等のフォローオン医薬品が承認された事例が生じており、一部では下級審もこれを支持していることから、この基準が実務上、一貫して適用されているかについて懸念を表明しています。PhRMAは、これは法的保護の不足ではなく、知的財産高等裁判所の先例が適切に適用されていない可能性を示唆するものとしています。

さらに、特許延長期間満了前に同一有効成分を有するフォローオン医薬品の市場参入を認めることは、実質的に保護期間を短縮し、開発企業が延長制度の利益を十分に享受する機会を損なうとともに、日本への継続的な投資インセンティブを弱めると指摘しています。また、日本で再び課題となっているドラッグラグやドラッグロスへの影響も看過できないとしました。

なお、2026年5月18日、日本製薬工業協会(製薬協)知的財産委員会も、ダサチニブ事件地裁判決(2025.06.24ブログ記事「2025.05.15 「沢井製薬 v. BMS」 東京地裁令和5年(ワ)70527・令和6年(ワ)70016 ― スプリセル®後発品訴訟で特許権延長制度の根幹を揺るがす形式判断」)やシタグリプチン事件(2026.02.03ブログ記事「シタグリプチン特許権侵害訴訟、沢井がMSDの主張を全面認諾する形で終結 ― 延長特許権の効力と水和物/無水物の関係をめぐる重要事例」参照)を挙げて、物質特許や用途特許の存続期間中であるにもかかわらず後発医薬品の参入が発生している現在の状況に対して強い懸念を表明しています。

Fubuki
Fubuki

特許延長効力の一貫した判断と適用が求められています。


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