2021.09.28 「メディオン v. P1・P2・P3・P4」 大阪地裁令和元年(ワ)5444

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1.背景

本件(大阪地裁令和元年(ワ)5444)は、発明の名称を「二酸化炭素含有粘性組成物」とする2件の特許(特許第4659980号及び特許第4912492号。以下、併せて「本件各特許」といい、本件各特許に係る特許権を「本件各特許権」といい、本件各特許に係る発明を「本件各発明」という。)の特許権者であった原告(メディオン・リサーチ・ラボラトリーズ)が、各被告製品の製造販売等を行った訴外2社(ネオケミア及びクリアノワール)の代表取締役、取締役であった被告ら(P1、P2、P3、P4)に対し、本件各特許権が侵害され損害を受けたとして、主位的に、被告ら全員に対し、会社法429条1項に基づく損害賠償及び訴状送達による催告の後の遅延損害金の支払を求め、予備的に、代表取締役であった被告P1及び被告P3に対し、民法709条に基づく損害賠償及び各売上後の遅延損害金の支払を求めた事案である。

この訴訟に至る背景として、原告は、ネオケミア及びクリアノワールを被告とした本件各特許権の侵害訴訟において、ネオケミアに対し金1億1107万7895円及びこれに対する遅延損害金ならびにクリアノワールに対し1223万6265円及び遅延損害金を原告に支払うこと等を命じる旨の確定判決(2019.06.07 「ネオケミア v. メディオン」 知財高裁平成30年(ネ)10063)を得たが、原告において供託金の差押え等の方法により一部を回収した以外に、ネオケミアは前記債務を弁済することなく、被告P1はネオケミアの破産手続開始の申立てを行い、 クリアノワールも前記債務を弁済することはなかった。一方で、被告P1及び被告P3はそれぞれ新会社を設立していた。

このような背景から、ネオケミア及びクリアノワールから損害賠償金を回収できなかった原告が、それらの取締役であった被告らからその賠償金の回収を試みた事件が本件である。

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2.裁判所の判断

裁判所は、各被告製品を製造販売する行為は本件発明の間接侵害行為に当たり、本件各特許は特許無効審判により無効にされるべきものとは認められず、また、原告の損害賠償請求権の行使は権利の濫用とは認められないと判断したうえで、原告の主位的請求は、以下のとおり、いずれも理由があるから認容することとして、主文のとおり判決した。

主 文
1 被告P1及び被告P2は,原告に対し,連帯して,1億0129万1485円及びこれに対する令和元年7月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告P3及び被告P4は,原告に対し,連帯して,746万8027円及びこれに対する令和元年7月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 被告P3は,原告に対し,326万8238円及びこれに対する令和元年7月7日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
4 訴訟費用は,これを100分し,その7を被告P3及び被告P4の連帯負担,その3を被告P3の負担,その余を被告P1及び被告P2の連帯負担とする。
5 この判決は,第1項ないし第3項に限り,仮に執行することができる。

(1)被告らの悪意重過失の有無(争点3)について

ア 判断の枠組み

法人の代表者等が,法人の業務として第三者の特許権を侵害する行為を行った場合,第三者の排他的権利を侵害する不法行為を行ったものとして,法人は第三者に対し損害賠償債務を負担すると共に,当該行為者が罰せられるほか,法人自身も刑罰の対象となる(特許法196条,196条の2,201条)。

したがって,会社の取締役は,その善管注意義務の内容として,会社が第三者の特許権侵害となる行為に及ぶことを主導してはならず,また他の取締役の業務執行を監視して,会社がそのような行為に及ぶことのないよう注意すべき義務を負うということができる。

他方,特許権者と被疑侵害者との間で特許権侵害の成否や特許の有効無効について厳しく意見が対立し,双方が一定の論拠をもって自説を主張する場合には,特許庁あるいは裁判所の手続を経て,侵害の成否又は特許の有効性についての公権的判断が確定するまでに,一定の時間を要することがある。

このような場合に,特許権者が被疑侵害者に特許権侵害を通告したからといって,被疑侵害者の立場で,いかなる場合であっても,その一事をもって当然に実施行為を停止すべきであるということはできないし,逆に,被疑侵害者の側に,非侵害又は特許の無効を主張する一定の論拠があるからといって,実施行為を継続することが当然に許容されることにもならない。

自社の行為が第三者の特許権侵害となる可能性のあることを指摘された取締役としては,侵害の成否又は権利の有効性についての自社の論拠及び相手方の論拠を慎重に検討した上で,前述のとおり,侵害の成否または権利の有効性については,公権的判断が確定するまではいずれとも決しない場合があること,その判断が自社に有利に確定するとは限らないこと,正常な経済活動を理由なく停止すべきではないが,第三者の権利を侵害して損害賠償債務を負担する事態は可及的に回避すべきであり,仮に侵害となる場合であっても,負担する損害賠償債務は可及的に抑制すべきこと等を総合的に考慮しつつ,当該事案において最も適切な経営判断を行うべきこととなり,それが取締役としての善管注意義務の内容をなすと考えられる。

具体的には,①非侵害又は無効の判断が得られる蓋然性を考慮して,実施行為を停止し,あるいは製品の構造,構成等を変更する,②相手方との間で,非侵害又は無効についての自社の主張を反映した料率を定め,使用料を支払って実施行為を継続する,③暫定的合意により実施行為を停止し,非侵害又は無効の判断が確定すれば,その間の補償が得られるようにする,④実施行為を継続しつつ,損害賠償相当額を利益より留保するなどして,侵害かつ有効の判断が確定した場合には直ちに補償を行い,自社が損害賠償債務を実質的には負担しないようにするなど,いくつかの方法が考えられるのであって,それぞれの事案の特質に応じ,取締役の行った経営判断が適切であったかを検討すべきことになる。

イ 被告P1の悪意重過失について

(ア)被告P1の主張について

被告P1は,兵庫県の工業試験センターの相談会で弁理士から非侵害であると言われたこと,畑中弁護士から原告の特許権は冒認出願で無効であると言われたこと,平成14年から平成23年まで原告から警告を受けなかったこと,岡田弁護士から原告の特許発明は作用効果を奏せず進歩性を欠くと言われたこと,青山特許事務所がネオケミアの製品が原告の特許権を侵害していない旨の鑑定書を作成したこと,別件訴訟について岡田弁護士から原告の特許権に技術的意義がないことから勝訴の見込みであると言われたこと,中森弁護士と岡田弁護士は別件訴訟において非侵害の主張で十分戦えるとの強気の見込みを有していたことを理由に,被告P1において取締役として求められる調査義務を尽くし,妥当な根拠に基づいた合理的な判断をした旨を主張するので,以下のとおり検討する。

(ア) 兵庫県工業試験センターの相談会で被告P1が弁理士に相談した内容は,前記認定のとおり,先行して出願された本件特許権1に抵触することなくネオケミア特許が登録されるか否かであったから,弁理士が抵触しない旨を回答したとしても,当時企画中であった各被告製品が,原告の特許権を侵害するものではないとの意味を有するものではない。

(イ) 畑中弁護士から冒認出願による無効の可能性がある旨聞いたことがあったとしても,平成23年に原告から警告を受けた後に相談した岡田弁護士からその主張は困難であると言われ,前記認定のとおり,中森弁護士及び岡田弁護士から,共同出願違反についても断念するよう言われたのであるから,仮に被告P1において本件各特許がなお無効であると判断したとすれば,専門家の意見を無視した不合理な判断といえる。

(ウ) 本件特許権1の登録は平成23年,本件特許権2の登録は平成24年であるから,平成14年から平成23年までの間,原告が警告をしなかったとしても,今後原告からの権利行使がないと考えるべき合理的な理由はない。

(エ) 被告P1は,岡田弁護士から進歩性欠如の話を聞いたとするが,当時の原告との交渉においてそのような主張はされておらず,中森弁護士の回答書(乙101)においてもどのような無効主張を検討していたのか不明であり,当時の主たる主張は構成要件の非充足の主張であったから,被告P1が岡田弁護士と進歩性欠如の無効理由について十分な検討をしていたとは認められない

(オ) 青山特許事務所の鑑定書は,平成27年に原告とネオケミアとの間の交渉が決裂し,原告からの訴訟提起が予想される中で取得されたものであり,取引先に対して不安を静めるために保証書を差し入れたのと同じ目的のものと考えられ,これによって,被告P1が各被告製品の販売継続の可否を判断したものとは考えられない。被告P1は,別件訴訟での裁判所の心証開示後にも取引先に保証書を差し入れているのであり(乙96の3,4),被告P1の取引先に対する説明が,その判断の合理性を裏付けるものとはいえない。

(カ) 別件訴訟において中森弁護士及び岡田弁護士が非侵害の主張に自信を持ち,勝訴の見込みがあると考えていたとしても,その具体的な根拠は明らかではない

また,登録された特許権であっても,先願の特許発明を利用するものであるときは,特許権者は業としてその特許発明を利用することができず(特許法72条),先願の特許権者に対し実施の許諾を求めなければならないところ(同法92条),前記認定のとおり,被告P1は,ネオケミア特許が登録された以上,その実施品については本件各特許権の侵害にはならないものとして,各被告製品の製造販売を継続し,取引先にその旨説明していたところ,別件訴訟の提起後,ネオケミアの特許は先願の原告の特許を利用する関係にあることを知ったというのであるから,特許権に関する基本的な事項について誤解したまま,各被告製品につき特許権侵害は成立しないと考えてその製造販売を継続し,取引先に説明していたものである。

(イ)判断

被告P1が,各被告製品の製造販売が本件各特許権の侵害にならない,あるいは本件各特許は無効であると主張した点について十分な論拠があったということはできず,むしろ特許制度の基本的な内容に対する無理解の故に,ネオケミア特許の実施品であれば本件各特許権の侵害にはならないと誤解して各被告製品の製造販売を続け,取引先にもそのように説明したものである。

前述のとおり,特許権侵害の成否,権利の有効無効については,公権力のある判断が確定するまでは軽々に決し得ない場合があり,自社に不利な判断が確定する場合もあるのであるから,取締役にはそれを前提とした経営判断をすべきことが求められ,前記(1)の①ないし④で述べたような方法をとることで,特許権侵害に及び,自社に損害賠償債務を負担させることを可及的に回避することは可能であるにも関わらず,被告P1はそのいずれの方法をとることもせず,各被告製品の製造販売を継続している。

さらに,別件判決(甲5)によれば,ネオケミアは各被告製品の販売により相応の利益を得ていたのであるから,特許権侵害となった場合の賠償相当額を留保するなどして,別件判決確定後に損害を遅滞なく填補すれば,ネオケミアに損害賠償債務を確定的に負担させないようにすることも可能であったのに,被告P1は任意での賠償を行わず,ネオケミアを債務超過の状態としたまま,破産手続開始の申立てを行ったものである。

以上を総合すると,被告P1が,本件各特許が登録されたことを知りながら,特段の方法をとることなく各被告製品の製造販売を継続したことは,ネオケミアの取締役としての善管注意義務に違反するものであり,被告P1は,その前提となる事情をすべて認識しながら,ネオケミアの業務としてこれを行ったのであるから,その善管注意義務違反は,悪意によるものと評価するのが相当である。

ウ 被告P2の悪意重過失について

会社法上,取締役として選任されている以上は,個々の能力,知識,報酬等の有無にかかわらず,取締役として一般に要求される善管注意義務を尽くして代表取締役の業務執行を監視,監督すべきものである。

被告P2は,自身が名目上の取締役であり,ネオケミアの業務に全く関与せず,本件各特許の内容を知らず,各被告製品が本件各特許権を侵害するかを判断する機会もなかったので,被告P1の経営判断が特許権侵害であるとしても,それを発見し,抑止することはできなかったと主張するが,このような理由で,取締役としての善管注意義務が存在しない,あるいは免除されていると解することはできない。

既に認定したとおり,原告とネオケミアとの間で各被告製品に係る明らかな紛争が発生していたのであるから,被告P2において,これを把握することは容易であり,前記(2)で検討したとおり,被告P1に対し,ネオケミアに不利となる公権的判断が確定する可能性をも考慮した適切な経営判断を行っているかを確認し,被告P1の判断に不十分な点があれば,再考を求めることは可能であったと解される。

被告P2が,上述したような監視,監督を尽くしても,被告P1の行為を抑止できなかったとすべき具体的な事情は認められないし,被告P2がネオケミアの業務に関心を持たず,本件各特許すら知らず,各被告製品に係る紛争を知らなかったということを被告P2に有利な事情と解することはできず,むしろ,取締役としての義務に違反する程度は大きいといわざるを得ない。

以上を総合すると,被告P2には,取締役である被告P1の業務執行に対する適切な監視,監督を怠ったことについて,重大な過失があったということができる。

エ 被告P3の悪意重過失について

被告P3は,原告から被告製品14の販売が本件各特許権の侵害に当たるとの警告を受けたものの,本件各特許の発明者であって炭酸ガスパックの専門家であった被告P1から,ネオケミアが委任した弁護士や弁理士が特許権侵害ではないと言っているなどと聞き,どのような根拠で特許権侵害に当たらないということになるのか理解できないまま,ネオケミアも特許権を有していて,原告製品よりネオケミアの製品の方が品質・性能が良いので,原告の特許権が優先することはないなどと考え,被告製品14の販売を継続する意思決定をしたというのであるから,主として,被告製品14の製造元であるネオケミアからの説明に依拠してその判断を行ったことになる。

しかしながら,特許権侵害が成立しないとするネオケミア側の説明に十分な論拠がなく,むしろ被告P1の特許制度に対する誤解が前提となっていたことは,前記(2)で検討したとおりであるし,品質・性能において上回っていることは,特許権侵害を否定する理由とはなり得ない。

被告P3は,特許権侵害の判断は素人には難しく,警告を受ければすべからく製造販売等を停止しなければならないとすることは不当であると主張するが,前記(1)で述べたとおり,クリアノワールの代表取締役として,被告P3には,特許権侵害の成否や権利の有効性についての公権的判断が,自己に有利にも不利にも確定する可能性があることを前提に,そのいずれの場合であっても第三者の権利を侵害し損害を生じさせることを可及的に回避しつつ,自社の利益を図るような経営判断をすべき注意義務があったということができる。

この点について被告P3は,特許権侵害の警告を受けた後も,主として被告製品14の製造元であるネオケミア側からの説明に依拠し,前記(1)の①ないし④で検討したような方法をとることもなく,裁判所からの心証開示があるまでの間,被告製品の14の販売をして特許権侵害の不法行為を継続し,原告に損害を生じさせたのであるから,取締役としての善管注意義務に違反したというべきであり,少なくとも重過失によると認めるのが相当である。

オ 被告P4の悪意重過失について

会社法上,取締役として選任されている以上は,個々の能力,知識,報酬等の有無にかかわらず,取締役として一般に要求される善管注意義務を尽くして代表取締役の業務執行の監督を行うべきものである。

前記(4)のとおり,原告から警告書の送付を受けるなど,クリアノワールについて被告製品14に係る明らかな紛争が発生していたのであるから,その取締役であった被告P4においてこれを把握することは容易であった。また,前記(4)で認定したとおり,被告P3に確認すれば,特許権侵害が成立しないことの十分な論拠はなく,仮に特許権侵害が確定した場合の対応も想定しないままに,クリアノワールが被告製品14の販売を継続しようとしていることを知り得たのであるから,被告P4には,取締役である被告P3の監視・監督を怠る義務違反があったというべきであり,その過失の程度は重大というべきである。

(2)原告の損害額(争点4)について

裁判所は、以下のとおり、ネオケミア及びクリアノワールの行為に係る原告の損害額を認め、これら損害が、前記の被告らの任務懈怠行為と相当因果関係があると判断した。

ネオケミアの行為と相当因果関係のある損害として特許法102条2項により推定される損害額及び弁護士費用は,1億0829万1485円であると認められる。また,原告は,700万円を回収した等として控除することを自認しているから,ネオケミアの行為と相当因果関係のある損害額として現存するのは,1億0129万1485円であると認められる。

・・・被告らは,会社法429条1項に基づく責任に特許法102条2項を適用または類推適用すべきではない旨主張する。

しかしながら,特許法102条2項は,推定を用いるとはいえ,特許権者が受けた損害賠償額を算定する方法を定めたものであり,別件判決の確定により,原告がネオケミアの特許権侵害により上記損害を受けたことは確定しているのであるから,取締役の善管注意義務違反によりネオケミアが特許権侵害を行ったことによる損害も,これと同じものであると解するのが相当であり,法的性質は異なるとして,別途の算定をしなければならないと解すべき理由はない

・・・クリアノワールの行為と相当因果関係のある損害として特許法102条2項により推定される損害額及び弁護士費用は,1223万6265円であると認められる。また,原告は,150万円を回収したとして控除することを自認しているから,現存するクリアノワールの行為と相当因果関係のある損害額は,1073万6265円であると認められる。

・・・前記アで述べたとおり,取締役の善管注意義務違反によりクリアノワールが特許権侵害を行ったことによる損害も,同様に解するのが相当である。

被告P3及び被告P4は,会社法429条1項は悪意又は重過失を要件としており,成立要件を厳格にしておきながら,損害額の立証については立証を容易にする推定規定を適用することは立法趣旨に反すると主張するが,会社法429条1項の責任は不法行為責任とは別個の責任を定めるものであるところ,第三者の生じた損害をどう認定するかについては何も定めておらず,特許権侵害があった場合の損害の算定について,特許法の規定を用いることを禁じるものとは解されない

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3.コメント

本件は、ネオケミア及びクリアノワールから損害賠償金を回収できなかった原告が、それらの取締役であった被告らからその賠償金の回収を試み、その請求が認められた事件である。

取締役であった被告らが特許権侵害による損害賠償責任を負うことの理由として、大阪地裁は、「経営判断が適切であったかを検討すべき」、「それが取締役としての善管注意義務の内容をなす」と前置きしたうえで、被告らには会社法429条1項に基づく取締役としての善管注意義務に違反があり、その善管注意義務違反は、悪意または重過失によるものと評価して、原告の主位的請求を認めた。

本判決は、特許権侵害を問われた場面において「適切な経営判断」が法的義務として取締役に求められていることを強調する判断だったといえる。

会社法429条:

1 役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。

ちょうど先日(2021年10月26日)に開催された知的財産戦略本部・知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会(第6回)において、内閣府知的財産推進事務局からの説明資料(資料3)には、「特許侵害についての取締役の善管注意義務違反」と題したスライド(p37)に、「近時の地裁判決において、第三者の特許を侵害することを回避することが、取締役の善管注意義務の内容であるとされ、取締役個人の損害賠償責任が認容されている。」と本件を紹介している。

2021年6月に改訂されたコーポレートガバナンス・コードには、「知的財産への投資について監督する取締役会等」の義務が明示されたことを受けて、そのスライドは取締役会による実効的な監督の在り方について議論するための材料として紹介されたと思われる(議論の概要がまだアップされていない。)。

とにかく、他社特許権侵害リスクへの対応ひとつが事業の運命を左右する。適切な時期に最善の判断が求められる。新事業を突っ走った後になって慌てても後の祭り、破産となることも。折角立ち上げた事業、 FTOは注意して。

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