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カナグリフロジン水和物(商品名カナグル®)に関する特許権について

2026年1月20日、田辺ファーマ株式会社による「カナグリフロジン水和物(商品名カナグル®)に関する特許権について」と題する謹告文が日刊薬業のウェブサイトに掲載されました。

当該謹告において田辺ファーマ株式会社は、同社が一般名カナグリフロジン水和物(Canagliflozin Hydrate)を有効成分とし、その効能・効果を「2型糖尿病、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病 ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。」とする医薬品を、「カナグル®錠100㎎」「カナグル®OD錠100㎎」の商品名で製造販売していることを示した上で、カナグリフロジン水和物を有効成分とする医薬品に関し、当該有効成分の物質特許(日本特許第4130466号)、同有効成分の医薬用途特許(日本特許第4496174号)、同有効成分の結晶特許(日本特許第5159788号)、並びに製剤または製法に関する特許(日本特許第5596799号及び日本特許第6123111号)を有している旨を述べています。

Fubuki
Fubuki

カナグル®(一般名:カナグリフロジン水和物)は、田辺三菱製薬株式会社(現 田辺ファーマ株式会社)で創製されたナトリウム-グルコース共輸送体(sodium glucose co-transporter;SGLT)2 阻害薬です。

例えば、物質特許(日本特許第4130466号)に係る特許権は、「カナグル®錠100㎎」の「2型糖尿病」の承認時(2014年7月4日)の存続期間延長登録及び「カナグル®錠100㎎」の「2 型糖尿病を合併する慢性腎臓病 ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。」の追加承認時(2022年6月20日)の存続期間延長登録においていずれも5年間の延長が認められ、存続期間は2024年7月30日(20年満了日)だったところ2029年7月30日まで延長されています。しかし、「カナグル®OD錠100㎎」の承認時(2024年3月15日)に基づいた存続期間延長登録出願は行っていないようです。

また、医薬用途特許(日本特許第4496174号)に係る特許権は、「カナグル®錠100㎎」の「2型糖尿病」の承認時の存続期間延長登録及び「カナグル®錠100㎎」の「2 型糖尿病を合併する慢性腎臓病 ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。」の追加承認時の存続期間延長登録により、それぞれ4年2月17日及び5年の延長が認められ、存続期間は2026年1月30日(20年満了日)だったところ、それぞれ2030年4月16日及び2031年1月30日までとなっています。「カナグル®OD錠100㎎」の承認(2024年3月15日)に基づき、5年の延長を求める存続期間延長登録出願は行われていますが、「出願人が延長登録を求める期間は、特許発明の実施をすることができなかった期間を超えている(特許法第67条の3第1項第3号)」との拒絶査定を受けて拒絶査定不服審判に係属しているようです。ただし、拒絶が確定しない限り、その存続期間は延長されたものとみなされます(特許法第67条の5第4項)。

結晶特許(日本特許第5159788号)に係る特許権も存続期間は2027月12月3日(20年満了日)であるところ、各承認に基づき延長登録又は出願がされています。

なお、「カナグル®錠100㎎」「カナグル®OD錠100㎎」の再審査期間は、「2型糖尿病」につていは「カナグル®錠100㎎」の製造販売承認日である2014年7月4日から8年間とされており、2022年7月3日に終了しています。一方、「2 型糖尿病を合併する慢性腎臓病 ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。」については当該効能効果追加の承認日である2022年6月20日から4年間とされ、2026年6月19日に終了します。

Fubuki
Fubuki

仮にOD錠の後発医薬品申請がなされたとして、厚労省はカナグル®錠承認で延長された特許権の効力を鑑みて適切にパテントリンケージを判断できるのか心配・・・。医薬用途特許については「カナグル®OD錠100㎎」承認に基づく延長登録出願が拒絶確定に至っていない以上、「みなし延長」されていることも忘れてはなりません。

ニャー
ニャー

試行された専門委員制度がうまくワークすることを祈ります。現時点において、謹告文に列挙された特許に対して無効審判は請求されていないようです。

ピポ
ピポ

結晶特許は後発医薬品に対する参入障壁として効果を発揮しているんだろうか。

ミャオ
ミャオ

結晶特許の回避に成功して、もし仮に後発医薬品が承認されたら・・・。カナグル®錠承認で延長された物質発明/医薬用途発明に係る特許権の効力が他の製剤/剤形の後発医薬品に及ぶかどうか争うことになるのでしょうか。

田辺ファーマ株式会社は、これらの特許権を侵害する行為、または侵害するおそれのある行為に対しては、直ちに厳正な法的措置を講じる方針であることに言及しています。その上で、カナグリフロジン水和物を有効成分として含有する医薬品の製造、輸入または販売を予定・計画されている企業には、前記権利を侵害する行為がないよう、十分に留意することを求めています。

再審査期間終了後の後発医薬品参入を見据え、延長された特許権の効力やパテントリンケージ運用との関係も含め、カナグリフロジン水和物をめぐる特許実務の動向が引き続き注目されます。


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