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エーザイ、米国におけるLenvima®(レンバチニブ)に関する特許権侵害訴訟でDr. Reddyʼsと和解

エーザイは、経口チロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ®(Lenvima®)」(一般名:レンバチニブ)に関する特許権(米国特許第10,407,393号及び第11,186,547号、以下、本特許)の侵害を理由として、本剤に関する後発医薬品の簡略新薬承認申請(Abbreviated New Drug Application:ANDA)を行った後発医薬品メーカーであるDr. Reddy’s Laboratories, Ltd.及びDr. Reddy’s Laboratories, Inc.(以下、Dr. Reddyʼs)に対し、米国ニュージャージー州連邦地方裁判所に特許権侵害訴訟を提起していましたが、2025年9月22日にDr. Reddyʼsと和解契約(以下、本和解)を締結した、と発表しました(2025.9.24 エーザイ press release: 米国におけるレンバチニブに関する特許侵害訴訟の和解について)。

本和解契約に基づき、Dr. Reddyʼsは、一定の状況下を除き、2030年6月30日までレンバチニブの後発医薬品販売を行わないとのことで、本和解は同裁判所の同意後に発行するとのことです。

Lenvima®のOrangebookによると、本特許の存続期間満了日は2036年2月26日(小児延長含む)です。にもかかわらず、2030年6月30日までの参入阻止とした和解であることから、エーザイは一定の妥協をしたものと想像されます。

本特許は、「レンビマ®(Lenvima®)」に含まれる高純度のレンバチニブに関するものであり、他の特許権侵害訴訟でも権利行使されています(例えば、米国特許第第11,186,547号のclaim 1は以下のとおり)。

これまでエーザイが提起した本特許に対する他の侵害訴訟については、SUN Pharmaceutical Industries Ltd.及び SUN Pharmaceutical Industries Inc.に対しては、2024年3月21日に和解契約を締結し、一定の状況下を除き、2030年6月30日までレンバチニブの後発医薬品販売を行わないことが確認されています(2024.03.25ブログ記事「エーザイ、米国におけるLenvima®(レンバチニブ)に関する特許侵害訴訟でSUN Pharmaと和解」参照)。

エーザイ、米国におけるLenvima®(レンバチニブ)に関する特許侵害訴訟でSUN Pharmaと和解
2024年3月25日、エーザイは、経口チロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ®」(Lenvima®)(一般名:レンバチニブメシル酸塩(Lenvatinib mesilate))に関する特許(米国特許第10,407,393号及び第11,186,547号、以下、本特許)の侵害を理由として、本剤に関する後発医薬品の簡略新薬承認申請(Abbreviated New Drug Application:ANDA)を...

また、Shilpa Medicare Limited(以下、Shilpa)に対しては、2025年5月28日にニュージャージー州連邦地方裁判所がエーザイ勝訴の判決を下し、Shilpaは11,186,547特許および関連する独占期間が2036年2月に満了するまで、レンバチニブの後発医薬品の販売承認を米国FDAから得ることができないとのことです(2025.05.29ブログ記事「レンビマ®米国特許権侵害訴訟でエーザイがShilpa社に勝訴、2036年まで販売阻止へ」参照)。Shilpaは、本判決について米国連邦高等裁判所に上訴中のようです。

レンビマ®米国特許権侵害訴訟でエーザイがShilpa社に勝訴、2036年まで販売阻止へ
2025年5月29日、エーザイ株式会社は、同社が創製した経口チロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ®(Lenvima®)」(一般名:レンバチニブメシル酸塩(lenvatinib mesilate))に関する特許権(米国特許第11,186,547号、以下、ʼ547特許)の侵害を理由として、本剤に関する後発医薬品の簡略新薬承認申請(Abbreviated New Drug Application:ANDA)...

現在、他の後発医薬品メーカー、Torrent Pharmaceuticals Ltd.に対する特許権侵害訴訟がニュージャージー州連邦地方裁判所で係属しているとのことです。

米国における2025年3月期の「レンビマ®(Lenvima®)」の売上収益の実績は2,296億円(1,505百万米ドル)であり、エーザイは本件による2026年3月期の業績予想への影響はないとしています。

Fubuki
Fubuki

レンビマ®(Lenvima®)はエーザイの主力品。今後期待されるレケンビ®が成長するまでは後発医薬品の市場参入は阻止したいところです。

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