Apr 11, 2018

ハーセプチン®用途特許侵害訴訟。日本化薬バイオシミラーの承認効能効果受け、中外が差止請求放棄

2018年4月11日付の中外製薬のプレスリリースによると、中外製薬は、日本化薬を被告として提起していた特許侵害訴訟について、4月10日に請求放棄の手続を執ったとのことです。

中外製薬は、ジェネンテック社が保有する抗HER2ヒト化モノクローナル抗体「ハーセプチン®注射用60、同150」の乳癌治療に関する用途特許(おそらく、乳癌を治療するための医薬組成物に関する特許第5818545号と推測されます)の侵害を理由として、同製品のバイオ後続品の製造販売承認申請者である日本化薬に対し、2017年8月17日付で東京地裁にバイオ後続品の製造販売等の差し止めを求める訴訟を提起していました(過去記事: 2017.09.09 「中外がハーセプチン®バイオシミラー承認申請した日本化薬に対し用途特許侵害で製造販売差止訴訟提起」)。

中外製薬は、日本化薬のバイオ後続品がまだ承認されていない(従って、薬価収載・製造販売には至っていない)2017年8月17日時点で、差し止め請求及び仮処分命令申立という訴訟提起に踏み切ったわけですが、2018年3月23日に製造販売承認となった日本化薬のバイオ後続品の効能・効果が「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌」のみであり、「HER2過剰発現が確認された乳癌」は含まないこと(すなわち上記特許権への侵害が回避されたこと)から、上記訴訟における当初目的が達せられたと判断したと推測されます。

すなわち、ハーセプチン®注射用は、国内では、日本化薬のバイオ後続品により、「HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌」という効能・効果への浸食を受けることになりますが、「HER2過剰発現が確認された乳癌」への浸食は免れたということになります。

参考:

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