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AMITIZA®特許和解をめぐる米国反トラスト訴訟 武田薬品工業に不利な陪審評決

武田薬品工業は2026年5月19日、米国におけるAMITIZA®(一般名:lubiprostone/ルビプロストン)をめぐる反トラスト訴訟について、マサチューセッツ州連邦地方裁判所において陪審が同社に不利な評決を下したこと、ならびにこれに関連して2025年度業績予想を修正することを公表しました(2026.05.19 武田薬品工業 press release: AMITIZA®(ルビプロストン)に係る米国の反トラスト訴訟における陪審評決および 関連する2026年3月期(2025年度)決算値の修正について)。

同社によれば、2026年5月18日(米国東部時間)、陪審は原告側損害として総額8億8494万3990米ドルを認定しました。内訳として、卸売業者クラスに対して4億7489万7965米ドル、小売薬局に対して合計3億4683万7646米ドルが認定されています。米国反トラスト法上、これらの損害賠償額は判決確定時に自動的に3倍化されるとされています。なお、最終支払者クラスについては、損害額認定に関して追加の裁判手続が予定されているとのことです。

参照:  In Re Amitiza Antitrust Litigation, No. 1:21-cv-11057-MJJ

本件訴訟は、2021年以降、武田薬品工業、Takeda Pharmaceuticals U.S.A., Inc.およびTakeda Pharmaceuticals America, Inc.(以下「武田側」)に対して、卸売業者クラス、最終支払者クラス、および個別小売業者から提起された複数の反トラスト訴訟が併合されています。

原告側は、武田側およびSucampo Pharmaceuticals, Inc.(以下「Sucampo社」)が2014年にPar Pharmaceutical, Inc.(以下「Par社」)との間で締結した和解契約について、AMITIZA®の後発品をめぐる特許紛争解決を装った反競争的合意(いわゆるpay-for-delay)があったと主張しました。

これに対し武田側は、当該和解はハッチ・ワックスマン法に則った独立当事者間交渉による特許紛争解決であり、違法な競争制限には当たらないと主張しています。同社によれば、この和解によりPar社は2021年1月1日からオーソライズド・ジェネリックの上市が可能となっており、これはAMITIZA®関連特許の満了予定より6年以上前であり、またPar社自身のANDA承認より17か月前であったとしています。さらに、その後の他の後発品についても、各許諾契約に基づく参入時期に従って上市されたと説明しています。

AMITIZA®は、2006年に米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けた慢性特発性便秘治療薬です。なお、武田薬品工業は、Sucampo社とのAMITIZA®に関する提携・ライセンス契約が2024年3月31日に終了しており、現在は同製品の販売・マーケティングを行っていないとしています。

また武田薬品工業は本件評決について、「当社は、原告の主張には根拠がないと考えており、当社の見解に変わりはありません。当社は、評決後申立ておよび控訴を含め、可能なあらゆる法的手段を通じて本件について争ってまいります。また、審理において証拠面および法的観点の双方で誤りがあったと考えております。このたびの評決は誠に遺憾ですが、陪審員の皆様のご尽力に敬意を表します。」とのコメントを発表しています。

Fubuki
Fubuki

AG供与等を含む和解スキームが反トラスト法上どのように評価されるかについては、FTC v. Actavis判決に基づく法理の射程が改めて問われる事案。今後の評決後申立ておよび控訴審を含め、pay-for-delay規制の枠組みがどのように整理されるのかが注目されますね。

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