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米国で初のOpdivo®バイオシミラー訴訟、BMS・小野がAmgenを提訴

2026年9月8日、Bristol-Myers Squibb(BMS)と小野薬品工業は、Amgenを相手取り、抗PD-1抗体nivolumab(製品名: Opdivo®)のバイオシミラーをめぐる特許侵害訴訟を米国デラウェア州連邦地裁に提起しました(BMS et al. v. Amgen, No. 1:26-cv-01134)。

対象となるのは、Amgenが開発するnivolumabバイオシミラー「ABP 206」です。報道によれば、米国でOpdivo®のバイオシミラーについて提起された初めてのBPCIA訴訟です。

ピポ
ピポ

Opdivo®(オプジーボ®)といえば、あれこれや、あれこれや、あれこれや・・・の事件があったけど、とうとうバイオシミラーとの特許訴訟まで来たんだなあ。

BPCIA(Biologics Price Competition and Innovation Act)に基づくPatent Danceにおいて、BMSらは当初、Amgenに対して24件の特許を提示しました。その後、新たに発行された2件を追加し、合計26件の特許について協議が行われました。

その結果、今回のfirst-wave litigationの対象として7件の特許が選択されました。

対象特許は、以下の7件です。

  • US 8,008,449: nivolumabそのものをカバーする基本的な特許。PTA 413日およびPTEが付与されており、PTEには承認日から14年間という上限があるため、最終的な満了日は2028年12月22日となります。
  • US 9,856,320: nivolumab+抗CTLA-4抗体の併用療法に関する特許。PCT出願日は2013年5月13日で、PTAは359日です。
  • US 10,072,082: PD-L1発現を基準として患者を選択し、抗PD-1抗体を投与する治療方法に関する特許。2013年5月13日出願の米国出願(13/892,671)から派生したファミリーに属し、PTAは204日です。
  • US 12,590,154: 肝細胞癌に対するnivolumab+ipilimumabの併用療法に関する特許。2013年5月13日出願の米国出願(13/892,671)から派生したファミリーに属します。
  • US 12,624,107: 腎細胞癌に対するnivolumab+ipilimumabの併用療法に関する特許。2013年5月13日出願の米国出願(13/892,671)から派生したファミリーに属します。
  • US 12,590,153: 悪性黒色腫に対するnivolumab+ipilimumabの併用療法に関する特許。2016年4月28日出願の米国出願(15/141,769)から派生したファミリーに属します。PTAは1055日です。
  • US 12,479,917: 非小細胞肺癌に対する化学療法+nivolumab+抗CTLA-4抗体の併用療法に関する特許。PCT出願日は2019年10月23日で、PTAは960日です。

訴状によれば、これらにはnivolumabそのものをカバーする特許に加え、nivolumab+ipilimumab(抗CTLA-4抗体であり、Yervoy®の有効成分)の併用療法を中心とした、肝細胞癌、腎細胞癌、悪性黒色腫、非小細胞肺癌などにおける具体的な治療方法をカバーする特許が含まれています。BMSらは、AmgenによるaBLAの提出等について特許侵害を主張し、バイオシミラーの製造・使用・販売等の差止め、損害賠償などを求めています。

Opdivo®について初めて本格的なバイオシミラー特許訴訟が始まったことで、今後、Amgenが7件の特許についてどのような非侵害・無効の主張を展開するのか、そして最終的にOpdivo®の米国でのバイオシミラーEntry Windowがどう形成されるのかが注目されます。

Opdivo®の米国におけるパテントクリフを考える上で重要なのは、「2028年」という一つの日付だけではありません。今回BMSらが主張した7件の特許を見ると、nivolumabそのものをカバーする基本特許以外の6件は主としてmethod-of-treatment claimsを含む特許です。

したがって、基本特許が2028年に満了することと、nivolumabバイオシミラーがすべての適応症・治療方法について自由に市場参入できることは同義ではありません。特定のがん種や併用療法を対象とする用途特許が残っている場合には、そのクレームとバイオシミラーの承認内容・ラベル、実際の使用方法との関係で、適応症ごとに特許リスクが残る可能性があります。

Fubuki
Fubuki

Opdivo®の添付文書によると、ipilimumab(イピリムマブ)との併用療法が多くのがん種で採用されていますね。

ミャオ
ミャオ

ipilimumabとの併用療法に関してカーブアウトして承認ってあり得ないのかな?

ピポ
ピポ

カーブアウトしたとしても、医師がオフラベルで使う可能性は残るよね。

ミャオ
ミャオ

じゃあ、医師が勝手にオフラベルで使った場合、BSメーカーは特許侵害になるの?

ピポ
ピポ

そこが難しいところ。2026年6月の米国最高裁(Hikma v. Amarin事件)は、医師が侵害用途に使う可能性があるというだけではなく、メーカー自身がactively encouraged infringementしたかどうかが重要だと判断しているんだ。

今回の訴訟は、単に「Opdivo®の特許がいつ切れるか」をめぐる争いというより、基本特許の満了後に、用途特許がバイオシミラーのEntry Windowをどこまで左右するのかを見る上でも興味深い事例です。今後、Amgenが7件の特許についてどのような非侵害・無効の主張を展開し、裁判所がそれらをどのように判断するのかが注目されます。

BMSは、2025年の米国におけるOpdivo®の売上高が59億ドルだったと報告しています。


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