2021

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*Case2021

2021.03.25 「東レ v. 特許庁長官」 知財高裁令和2年(行ケ)10063

そう痒症改善剤レミッチ®の特許権の存続期間の延長登録出願・・・「ナルフラフィン塩酸塩」のみを本件医薬品の有効成分と解し、「ナルフラフィン」は本件医薬品の有効成分ではないと認定して、本件発明の実施に本件処分を受けることが必要であったとはいえないと判断した本件審決の認定判断は誤り 1.はじめに 本件(知財高裁令和2年(行ケ)10063)は、経口そう痒症改善剤レミッチ®に関わる東レが保有する「止痒剤」に...
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*Pharma/IP news

抗PD-1抗体に関する本庶特許の発明者を巡る米国での裁判、そして日本・・・(3)

>(2)から続く 前回記事「抗PD-1抗体に関する本庶特許の発明者を巡る米国での裁判、そして日本・・・(2)」 小野薬品、本庶氏、BMSは、CAFC判決には明らかな法的問題があると主張して、米国最高裁判所に請願書を提出した。 1.はじめに 2021年3月8日、小野薬品、本庶氏、BMS(以下、まとめて「小野薬品ら」)は、抗PD-1抗体等に関する6つの米国特許(いわゆる「本庶特許」)の共同発明者として...
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*Pharma/IP news

東和薬品のピタバスタチンOD錠 興和が製剤特許侵害で、さらに追加の損害賠償請求

2021年4月5日付、興和のプレスリリース「高コレステロール血症治療剤「リバロ」の特許権侵害に対する損害賠償請求訴訟の提起について 」によると、興和は、興和が保有する高コレステロール血症治療剤「リバロ錠」(一般名:ピタバスタチンカルシウム)に係る医薬特許(特許第5190159号、以下「本件特許」)の侵害に対する損害賠償請求訴訟を、後発医薬品である『ピタバスタチン Ca・OD錠 1mg/2mg/4m...
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*Case2021

2021.03.25 「沢井製薬 v. 東レ」 知財高裁令和2年(行ケ)10041

レミッチ®(ナルフラフィン)の医薬用途特許の進歩性。裁判所は、公知文献の仮説や推論が動機付けを基礎づける場合はあるが、本件においては、技術的な裏付けの乏しい一つの仮説にすぎないものであり、「止痒剤」用途を動機付けるとは認められない、と判断した。 1.はじめに 本件(知財高裁令和2年(行ケ)10041)は、東レの「止痒剤」に関する特許(第3531170号)に対して沢井製薬が請求した無効審判(無効20...
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*Pharma/IP news

田辺三菱製薬 米国におけるカナグリフロジン水和物(INVOKANA®/INVOKAMET®)特許侵害訴訟の地裁勝訴について

2021年3月31日付、田辺三菱製薬のプレスリリース「米国におけるカナグリフロジン水和物 特許侵害訴訟の地裁勝訴について」によると、田辺三菱製薬がJanssen Pharmaceuticals, Inc.等と共同で、米国のニュージャージー連邦地方裁判所に提起していた、カナグリフロジン水和物(米国製品名INVOKANA®/INVOKAMET®)に関する特許侵害訴訟において、3月22日、同裁判所は、「...
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*Case2020

2020.12.24 「大塚製薬工場 v. エイワイファーマ・陽進堂」 東京地裁平成30年(ワ)29802

東京地裁は、大塚製薬工場とエイワイファーマ・陽進堂との間で争われていた高カロリー輸液製剤に関する特許権侵害差止請求事件において、エイワイファーマが製造販売する「ワンパル®1号輸液/ワンパル®2号輸液」は大塚製薬工場の「エルネオパ®NF1号輸液/エルネオパ®NF2号輸液」を保護する特許権を侵害する旨主張した大塚製薬工場の請求を棄却した。 1.事案の概要 本件(東京地裁平成30年(ワ)29802)は、...
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*Case2021

2021.03.17 「X v. 小野薬品・Y」 知財高裁令和2年(ネ)10052

元大学院生が、小野薬品及び本庶氏が共有する抗PD-L1抗体に関する特許権に係る発明の共同発明者であると主張して同特許権の持分の一部移転登録手続等を請求した事件(控訴審判決) 1.事件の背景 本件(知財高裁令和2年(ネ)10052)は、控訴人(X)が、抗PD-L1抗体を有効成分として含む癌治療剤に関する特許第5885764号(*1)に係る発明は、控訴人が大学院在籍中に行った実験結果やその分析から得ら...
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*Pharma/IP news

製薬協 政策提言2021を発表「『イノベーションの創出』と『イノベーションの適切な評価』を車の両輪として強力に推進することが不可欠」

日本製薬工業協会(製薬協)は、そのウェブサイトに「製薬協 政策提言2021」を公開しました(2021年3月12日公開)。 去る2019年1月に日本製薬工業協会(以下、製薬協)は、いま製薬業界に何が求められ、社会に対して何を発信していくべきか、また創薬イノベーションをさらに促進するためには何が必要かを整理し、まとめたものを「製薬協 政策提言 2019」として発表し、関係各位の協力を得ながらその実現に...
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*Case2021

2021.02.09 「X v. アムジェン」 知財高裁令和2年(ネ)10051・・・新薬承認を得るために必要な試験は特許法69条1項の『試験又は研究』に該当するか

1.事件の概要・・・本件治験は特許法69条1項の『試験又は研究』に該当するか 本件(知財高裁令和2年(ネ)10051)は、「ウイルス及び治療法におけるそれらの使用」に関する特許第4212897号に係る特許権者である控訴人(X)が、被控訴人(アムジェン)が腫瘍溶解性ウイルス「T-VEC」の国内ブリッジング試験(本件治験)を実施していることが、本件発明の実施に当たり、本件特許権を侵害すると主張して、同...
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*Pharma/IP news

ペメトレキセド点滴静注液に関する特許権について

2021年3月10日、富士フイルム富山化学(株)より「ペメトレキセド点滴静注液に関する特許権について」の謹告文が掲載されました。 2021.03.10 富士フイルム富山化学(株)press release: ペメトレキセド点滴静注液における特許権に関する謹告掲載のお知らせ 2021.03.10 日刊薬業 【謹告】ペメトレキセド点滴静注液に関する特許権について 富士フイルム富山化学(株)は、2021...
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*Pharma/IP news

日本のパテントリンケージの現状の課題とその解決に向けた提案

1.はじめに パテントリンケージ(patent linkage)とは、後発医薬品承認時に先発医薬品の有効特許を考慮する仕組みであり、その制度内容は国によって異なるが、その意義は総じて、先発医薬品を保護する特許権の重要性を尊重しつつ先発医薬品メーカーと後発医薬品メーカーとの特許紛争を事前に整理することによって後発医薬品の市場への安定供給を実現することを目的としている。代表的なものとして、例えば、米国...
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*Pharma/IP news

武田と帝人ファーマ、糖尿病薬4剤の販売移管・資産譲渡契約を締結・・・特許独占期間と他社DPP4阻害薬ジェネリック参入時期のインパクト

2021年2月26日、武田薬品工業は、糖尿病治療薬4剤について、帝人ファーマに販売を移管するとともに、日本における製造販売承認及びこれに関連する資産を譲渡することを決定し、帝人及び帝人ファーマとの間で資産譲渡契約を締結したと発表しました。本記事は、本譲渡対象製品及び競合するDPP-4阻害剤製品を保護するそれぞれの基本特許(物質特許)に係る特許権存続期間満了時期の前後関係から、本譲渡対象製品の将来の...
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*Pharma/IP news

中外製薬 エディロール®カプセル(エルデカルシトール)に関する特許権侵害訴訟を再提起

2021年2月17日付の中外製薬からのプレスリリース(「エディロールカプセルに関する特許権侵害訴訟の再提起について」)によると、中外製薬は、骨粗鬆症治療剤(活性型ビタミンD3製剤)エディロール®カプセル0.5μg、同0.75μg(一般名: エルデカルシトール(Eldecalcitol)。以下、エディロールカプセル)の後発医薬品に関し、中外製薬が保有する物質特許に基づいて、沢井製薬、日医工及び日産化...
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*Pharma/IP news

前立腺がん治療剤XTANDI®(イクスタンジ)のパテントクリフ

1.2027年度以降の備え - 問われるアステラスの事業戦略 - アステラス製薬のR&Dミーティング(2020年12月10日開催)の冒頭、安川健司氏(代表取締役社長 CEO)から、 最近よく私共が受ける質問としましては、『アステラス製薬の2027年度以降の戦略が良く分からない。説明してほしい。その備えは何なのか。』・・・をよくお聞き致します。・・・その答えがFocus Areaアプローチなのであり...
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*Pharma/IP news

中外製薬 エルデカルシトールに関する特許権侵害訴訟を取下げへ

1.特許第3429432号に基づく特許権侵害訴訟の取り下げ 2021年1月27日付の日医工、沢井製薬、日産化学からのプレスリリースによると、骨粗鬆症治療剤(活性型ビタミンD3製剤)エディロール®(一般名:エルデカルシトール)の後発医薬品またはその原薬の製造等をしている日医工、沢井製薬および日産化学に対して、物質特許第3429432号の特許権を侵害すると主張して、2020年11月27日付にて中外製薬...
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*Pharma/IP news

パロノセトロン塩酸塩(アロキシ®)に関する特許権について

2021年1月25日、ヘルシン・ヘルスケアSA及び大鵬薬品工業(株)より「パロノセトロン塩酸塩(アロキシ®)に関する特許権について」の謹告文が掲載されました(2021.1.25 日刊薬業 【謹告】パロノセトロン塩酸塩(アロキシ®)に関する特許権について)。 ヘルシン・ヘルスケアSAは、パロノセトロン塩酸塩をそれぞれ有効成分として含む医薬品「アロキシ®静注液0.75mg」及び「アロキシ®点滴静注0....
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*Pharma/IP news

マルホ「ヒルドイド」商標権の侵害・不正競争行為に基づき、健栄製薬「ヒルマイルド」の販売差止仮処分の申立て

マルホ(株)のプレスリリースによると、マルホ(株)は、健栄製薬(株)が製造販売する「ヒルマイルド」の販売等が、ヒルドイド®に係るマルホ(株)の商標権の侵害及び不正競争防止法2条1項1号に定める不正競争行為に該当すると判断し、2021年1月21日付で、大阪地方裁判所に、商標権侵害および不正競争行為に基づき、「ヒルマイルド」の販売の差止等を求めて仮処分の申立てを行ったとのことです。 2021.01.2...
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*Pharma/IP news

オレンジブック・パープルブックに関連する法改正

ジェトロ・ニューヨーク事務所 知的財産部からのニュースによると、以下のとおり、米国食品医薬品局(FDA)が発行する低分子医薬品のデータベース(Orange book)及びバイオ医薬品のリスト(Purple Book)に関連する法律案が成立したとのことです。今年中にはバイオ医薬品について提供された特許とその有効期間の情報がパープルブックに掲載されるようです。 オレンシブック(Orange Book)...
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*Case2020

2020.12.14 「ロシュ v. アムジェン」 知財高裁令和元年(行ケ)10076・・・相違点は引用発明に内在する作用効果にすぎないのか争われた事例

1.はじめに 本件は、本願発明と引用発明との相違点について「あくまで先願発明に内在していた効果にすぎないところ,それによって新たな用途が見出されたわけではない」と原告が主張し、新規性が争点の一つとなった事件である。出願時には知られていなかった内在的特性(inherent feature)を構成に取り入れた物の発明についての新規性をどのように取り扱うかという重要な論点について、裁判所は「出願日より前...
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