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エディロール®カプセルの医薬用途発明に係る特許権侵害訴訟 中外製薬の控訴棄却 沢井製薬と日医工が勝訴

医薬用途発明に係る特許権侵害訴訟

2022年12月13日の中外製薬のプレスリリースによると、骨粗鬆症治療剤(活性型ビタミンD3製剤)エディロール®カプセル0.5μg、同0.75μg(一般名:エルデカルシトール)の後発医薬品に関して、中外製薬が2022年6月9日に控訴した特許権侵害訴訟において、知的財産高等裁判所が、2022年12月13日、中外製薬の控訴を棄却する旨の判決を言い渡したとのことです。

発明の名称を「エルデカルシトールを含有する前腕部骨折抑制剤」とする特許第5969161号の医薬用途発明に係る特許権を有する中外製薬は、沢井製薬及び日医工がそれぞれ製造販売承認を得たエディロール®カプセルの後発医薬品が、いずれも上記発明の技術的範囲に属するとして、沢井製薬及び日医工に対して、2020年5月29日、東京地方裁判所に当該後発医薬品の生産、輸入、譲渡、譲渡の申出の差止めならびに廃棄を求める訴えを提起しましたが、2022年5月27日、中外製薬の請求を棄却する旨の判決が下されました(原審: 東京地裁令和2年(ワ)13326; 13331)。

当該原審の詳細は以下の記事参照。

2022.05.27 「中外製薬 v. 沢井製薬・日医工」 東京地裁令和2年(ワ)13326; 13331 エディロール®用途発明に係る特許権侵害差止等請求事件・・・新規性判断への疑問点
Summary骨粗鬆症治療剤エディロール®カプセルの有効成分エルデカルシトールの用途発明に係る特許権を保有する中外製薬(原告)が、沢井製薬及び日医工(被告ら)がその後発医薬品を製造・販売する行為は侵害に当たると主張して、その差止・廃棄を求めた事件。本件発明は、「非外傷性である前腕部骨折を抑制するための」医薬組成物であるところ、本件発明と公知の乙1発明が相違するといえるかが問題となった。裁判...

当該東京地方裁判所判決(原審)を不服として、中外製薬は、2022年6月9日に知的財産高等裁判所に控訴していましたが、今回のプレスリリースのとおり、中外製薬の控訴を棄却する旨の判決が下されたようです。

中外製薬は、今後の見通しとして、「現時点で当社の業績に及ぼす影響はございません。なお、当社は判決の内容を踏まえた上で、今後の対応を検討してまいります。」とコメントしています。

勝訴した沢井製薬は、プレスリリースにて、「本件により当社による本製品の製造販売の継続に何ら問題が生じることはございません。今後も、知的財産権を尊重したうえで、患者さんならびに医療関係者の方々が安心して本製品をご使用いただけるように取り組んでまいります。」とコメントしています。

また、日医工は、プレスリリースにて、「当社は、今後も知的財産権の尊重とエルデカルシトールカプセル 0.5μg、0.75μg「日医工」の安定供給に努めつつ、ジェネリック医薬品の普及のため、患者様や医療関係者の皆様が安心してご使用いただけるよう取り組んでまいります。」とコメントしています。

同特許の無効審決取消訴訟

なお、同特許第5969161号に対して沢井製薬及び日医工が請求した無効審判事件(無効2019-800112号)において特許を無効とする審決を受けた中外製薬が審決の取消しを求めて提起した訴訟(令和3年(行ケ)10066)の判決も、同日(2022年12月13日)に言い渡されているはずです。

結晶発明に係る特許権侵害訴訟

また、中外製薬は、エルデカルシトールの結晶発明に係る特許権侵害訴訟も提起していましたが、下記の記事のとおり、東京地裁にて請求棄却判決が下され、控訴を断念しているようです。

2022.02.24 「中外製薬 v. 沢井・日医工・日産化学」 東京地裁令和3年(ワ)3816 エディロール®結晶発明に係る延長特許権侵害差止請求事件 -延長登録対象となる発明範囲・延長特許権の効力範囲についての雑感-
Summary骨粗鬆症治療剤エディロール®カプセルの有効成分エルデカルシトールの結晶特許に係る延長された特許権を保有する中外製薬が、被告ら(沢井製薬、日医工、日産化学)がその後発医薬品を製造・販売するために本件発明に係る結晶を製造・使用している行為は侵害に当たると主張して、その差止・廃棄を求めた事件。日産化学が納品するエルデカルシトールは溶液の状態になっており、エルデカルシトールは結晶状態で...

「錠」の発売

中外製薬及び東和薬品は、2022年8月15日に中外製薬が製造販売承認を取得した「エディロール®錠0.5μg/0.75μg」について、2022年12月9日に薬価基準収載され、東和薬品より販売を開始したことを発表しました。「エディロール®カプセル 0.5μg/0.75μg」の販売体制には変更なく、今後も中外製薬が販売および情報提供を実施し、東和薬品は、エディロール®カプセルの後発医薬品(オーソライズド・ジェネリック品)を販売しています。

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