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*Case2023

【速報】2023.05.18 「Amgen v. Sanofi」 米国最高裁No. 21–757 - Amgenの抗PCSK9抗体特許 実施可能要件非充足を理由に無効としたCAFC判決を米国最高裁も支持 -

2023年5月18日、米国最高裁判所は、Gorsuch判事による全会一致の意見として、Amgenの抗PCSK9抗体に関する米国特許8,829,165及び8,859,741は実施可能要件(enablement requirement)を満たさないから無効であるとした米国連邦巡回区控訴裁判所(CAFC)の判決を支持しました。 May 18 2023 Adjudged to be AFFIRMED. ...
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*Case2023

2023.05.10 「ニプロ v. エーザイ」 知財高裁令和4年(ネ)10093 特許権侵害差止請求権等の不存在確認請求控訴事件(エリブリンメシル酸塩事件) - 法治主義に反する状況? 問われる日本版パテントリンケージ制度 -

>原判決記事1.はじめに本判決(知財高裁令和4年(ネ)10093)は、抗悪性腫瘍剤ハラヴェン®(有効成分: エリブリンメシル酸塩)の後発医薬品の承認申請を行ったニプロ(控訴人)が、エーザイ(被控訴人)が有する本件各特許権による差止請求権及び損害賠償請求権の不存在確認、並びに当該医薬品が本件各発明の技術的範囲に属しないことの確認を求めた控訴審判決である。知財高裁は、ニプロの後発医薬品の製造販売につい...
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*Case2023

2023.04.19 Amgen v. Sandoz CAFC 2022-1147, 2022-1149, 2022-1150, 2022-1151 乾癬治療薬Otezla®(アプレミラスト)の米国ANDA訴訟 - 公知ラセミ混合物からエナンチオマーの非自明性(進歩性) -

Summary アムジェン社が販売する乾癬治療薬Otezla®(有効成分: アプレミラスト)の米国ANDA訴訟で、2023年4月19日、CAFCは、ラセミ混合物として記載された先行文献からエナンチオマー(立体的に純粋なアプレミラストを含む医薬組成物)の非自明性を認めた米ニュージャージー州連邦地裁の判断を支持した。 CAFCは、当業者であれば立体的に純粋なアプレミラストを含む医薬組成物を作ろうと...
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*Case2023

2023.03.22 「東亜産業 v. neo ALA」 知財高裁令和4年(行ケ)10091(5-アミノレブリン酸リン酸塩事件) - 刊行物に新規化学物質の発明が記載されているといえるか(引用発明の適格性)の判断基準 -

Summary5-アミノレブリン酸リン酸塩(5-ALAホスフェート)に係る特許発明の新規性が争点となった審決取消請求事件で、引用文献には、同物質が記載されているといえるものの、その製造方法に関する記載が見当たらないことから、同物質を引用発明として認定することの可否が問題となった。知財高裁は、引用文献からは同物質を引用発明として認定することはできないと判断し、本件発明は引用発明に対して新規性を欠くも...
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*Case2022

2022.12.20 「アストラゼネカ v. 日本ジェネリック・東亜薬品」 東京地裁令和2年(ワ)19198 ― 医療用医薬品シムビコート タービュヘイラーの形態は出所表示機能を有しないとして商品等表示該当性を否定した不正競争行為差止等請求事件判決 ―

1.背景本件(東京地裁令和2年(ワ)19198)は、気管支喘息用の医療用医薬品である原告商品を製造販売する原告アストラゼネカが、原告商品の形態は商品等表示に当たり、被告東亜薬品が当該商品等表示に類似した形態を商品等表示として使用した後発医薬品である被告商品を製造し、被告日本ジェネリックがこれを販売する行為は、不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為に該当するなどと主張して、被告らに対し、被告商品の...
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*Case2023

2023.01.26 「リジェネロン v. アムジェン」 知財高裁令和3年(行ケ)10093 ―「参照抗体と競合する」抗体クレームのサポート要件充足性と発明特定事項の意義―

Summary抗PCSK9モノクローナル抗体アリロクマブ(alirocumab)を有効成分とするサノフィの高コレステロール血症治療剤プラルエント®を特許権侵害訴訟で販売停止に追い込んだアムジェンの抗体特許に対して、今度はリジェネロンが同特許の無効を求めて再挑戦してきた無効請求不成立審決取消訴訟で、サノフィとの別件訴訟でアムジェン勝訴判決を下してきた知財高裁は、一転、リジェネロンが主張した取消事由(...
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*Case2023

2023.01.12 「東和薬品・共和薬品工業・日医工 v. 協和キリン」 令和3年(行ケ)10155, 10157・・・パーキンソン病治療剤ノウリアスト®の医薬用途発明の特許性 引用文献記載は「実証的でない」と判断

Summaryパーキンソン病治療剤ノウリアスト®(一般名:イストラデフィリン)の医薬用途発明に係る協和キリンの特許第4376630号についての無効請求不成立審決の取消訴訟で、裁判所は、原告ら(東和薬品、共和薬品工業、日医工)の取消事由(新規性の欠如、進歩性の欠如等)は理由がないとして、原告らの請求を棄却する判決を言い渡した。その判断は、引用文献(発明者らが共著者であった)の考察の記載は試験結果等に...
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*Case2022

2022.12.21 「ツールゲン v. 特許庁長官」 知財高裁令和3年(行ケ)10129・・・CRISPR-Cas9ゲノム編集を真核細胞で初実証したというToolGen社の発明の進歩性

Summary知財高裁は、ToolGen社のCRISPR-Cas9によるゲノム編集に関する発明はCharpentier博士とDoudna博士が2012年のScience誌にて発表したCRISPR-Cas9によるゲノム編集に関する論文によって進歩性を欠くとした拒絶審決を支持する判決を言い渡した。ToolGen社は、米国において、CRISPR-Cas9によるゲノム編集に関する先発明を争っている。1.背...
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*Case2022

2022.12.13 「中外製薬 v. 沢井製薬・日医工」 知財高裁令和4年(ネ)10065・・・エルデカルシトール前腕部骨折抑制医薬用途発明の新規性を否定(エディロール®後発医薬品に対する特許権侵害差止等請求控訴事件)

Summary骨粗鬆症治療剤エディロール®カプセルの有効成分エルデカルシトールの前腕部骨折抑制剤に関する医薬用途発明(特許第5969161号)に係る特許権を保有する中外製薬が、沢井製薬及び日医工がその後発医薬品を製造・販売する行為は侵害に当たると主張して、その差止・廃棄を求めた事件。原審は、本件発明はいずれも乙1文献に記載された発明に基づき新規性が欠如し、本件訂正によってもその無効理由は解消されな...
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*Case2022

2022.11.28 「沢井製薬 v. 東レ」 知財高裁令和4年(行ケ)10046; 10048; 10049・・・レミッチ®用途特許延長登録に関する前訴判決拘束力の理解の誤り及び手続上の瑕疵の存在を主張する沢井の審決取消請求を棄却

本件(令和4年(行ケ)10046; 令和4年(行ケ)10048; 令和4年(行ケ)10049)は、東レ(被告)が保有する「止痒剤」に関する特許第3531170号に係る特許権の存続期間延長登録(特願2015-700061; 2017-700309; 2017-700310)に対して沢井製薬(原告)がした無効審判請求(無効2020-800002号事件; 無効2020-800003号事件; 無効2020...
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*Case2022

2022.12.13 「中外製薬 v. 沢井製薬・日医工」 知財高裁令和3年(行ケ)10066・・・「技術常識によれば当業者は認識するものといえる」エルデカルシトール前腕部骨折抑制医薬用途発明の新規性を否定

Summary中外製薬及び大正製薬の「エルデカルシトールを含有する前腕部骨折抑制剤」に関する医薬用途発明に係る特許第5969161号の無効審決取消請求事件。本件各訂正発明は「非外傷性である前腕部骨折を抑制するための」医薬組成物であるところ、公知の甲1発明では特定されていなかった本件各訂正発明の各相違点が、甲1発明との実質的な相違点といえるか否か(新規性の判断)が争われた。知財高裁(第3部)は、「技...
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*Case2022

2022.11.14 「バイオセレンタック v. コスメディ製薬」 知財高裁令和3年(行ケ)10089・・・ヒアルロン酸溶解型マイクロニードル製剤を巡る特許紛争

Summaryコスメディ製薬の溶解型マイクロニードル製剤は、生体親和性の高いヒアルロン酸を基材とした微細なニードル(針)が整列したシート状に成形されたもの。皮膚に貼付することで、ニードルが直接皮膚の内部に入り、溶解・浸透する。バイオセレンタックも、溶解型マイクロニードル等のDDS技術をもとに経皮吸収製剤等の開発を行っており、溶解型マイクロニードル製剤を巡って、同社が保有する特許第4913030号に...
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*Case2022

2022.09.30 「再生未来 v. 神戸医療産業都市推進機構」 大阪高裁令和4年(ネ)1273 損害賠償請求控訴事件 管轄違いで原判決取消し・・・受託研究成果物?その発明は誰のもの?

Summary本件は、公益財団法人神戸医療産業都市推進機構(被控訴人)に研究を委託する契約を締結した医療法人再生未来(控訴人)が、被控訴人の研究者により発明された本件発明が本件契約に基づく研究により得られた成果物であることを前提として、当該研究者個人が本件発明を単独で特許出願したことが契約義務違反等に当たる旨主張して、被控訴人に対し、損害賠償金等の支払を求めた事案である。原審(神戸地裁)は控訴人の...
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*Case2022

2022.08.30 「ニプロ v. エーザイ」 東京地裁令和3年(ワ)13905 特許権侵害差止請求権及び損害賠償請求権の不存在確認請求事件・・・抗悪性腫瘍剤ハラヴェン®(エリブリン)の後発医薬品申請時点における訴えの利益

Summary本件は、抗悪性腫瘍剤ハラヴェン®の後発医薬品の承認申請を行ったニプロ(原告)が、エーザイ(被告)が有する本件各特許権による差止請求権及び損害賠償請求権の不存在確認、並びに当該医薬品が本件各発明の技術的範囲に属しないことの確認を求めた事案である。エーザイは、本案前の主張として、ニプロの各訴えには訴えの利益がないと主張した。東京地裁(民事第46部)は、ニプロの後発医薬品の製造販売について...
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*Case2022

2022.09.21 「興和 v. 東和薬品」 知財高裁令和4年(ネ)10052 ピタバスタチン製剤の特許権侵害損害賠償等(総額約188億円)請求事件・・・当初差止請求事件から一転、興和敗訴(東和勝訴)となった原因とは

Summaryピタバスタチンを有効成分とする高コレステロール血症治療剤リバロ®の後発医薬品の製造・販売行為がピタバスタチン製剤に関する特許権(特許第5190159号)を侵害するなどと主張して、興和が、東和薬品に対し、損害賠償金等の支払を求めた事件の控訴審。東和薬品による当該後発医薬品の販売開始(2013年12月)から約9年が経とうとしている。当初の差止請求事件では興和が勝訴しており、その後提起され...
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*Case2022

2022.05.27 「中外製薬 v. 沢井製薬・日医工」 東京地裁令和2年(ワ)13326; 13331 エディロール®用途発明に係る特許権侵害差止等請求事件・・・新規性判断への疑問点

Summary骨粗鬆症治療剤エディロール®カプセルの有効成分エルデカルシトールの用途発明に係る特許権を保有する中外製薬(原告)が、沢井製薬及び日医工(被告ら)がその後発医薬品を製造・販売する行為は侵害に当たると主張して、その差止・廃棄を求めた事件。本件発明は、「非外傷性である前腕部骨折を抑制するための」医薬組成物であるところ、本件発明と公知の乙1発明が相違するといえるかが問題となった。裁判所(東京...
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*Case2022

疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)の後発医薬品の特許権侵害訴訟で控訴審(知財高裁)判決出揃う 全ての「痛み」の用途特許は無効、特許権侵害認めず・・・4つの部で本件訂正が新規事項追加か否かへの向き合い方に違い

発明の名称を「イソブチルGABAまたはその誘導体を含有する鎮痛剤」とする特許第3693258号に係る特許権者であるワーナー-ランバートが、効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の後発医薬品を販売するなどする行為はいずれも特許権を侵害すると主張し、後発医薬品メーカーらに対し、その後発医薬品の製造、販売等の差止め及び廃棄を求めた特許権侵害差止請求控訴事件。先発医薬...
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*Case2022

2022.06.22 「日医工 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和3年(行ケ)10115 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判⑧

Summary旭化成ファーマは、週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」(テリパラチド酢酸塩)を製造販売している。本件(知財高裁令和3年(行ケ)10115)は、旭化成ファーマが特許権者でありテリパラチドの週1回投与に関する特許第6198346号に対する無効審判事件(無効2019-800062号)において、請求は成り立たないとの特許庁審決を受けた日医工が、その取消しを求めて知...
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*Case2022

2022.06.22 「日医工 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和3年(行ケ)10069 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判⑦

Summary週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」(テリパラチド酢酸塩)を製造販売する旭化成ファーマが特許権者であるPTH週1回投与に関する特許第6522715号に対して日医工が請求した無効審判事件において、請求は成り立たないとの特許庁審決を受け、日医工がその取消しを求めて知財高裁に提起した訴訟。知財高裁(第4部)は、日医工が主張する取消事由(甲7発明に基づく進歩性判断...
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*Case2022

2022.06.29 「ワーナー-ランバート v. 大原薬品工業・共創未来ファーマ・三和化学研究所・キョーリンリメディオ・杏林製薬」 知財高裁令和4年(ネ)10015・・・疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)特許権侵害訴訟 控訴審も非侵害の判決

Summary効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の医薬用途特許に係る特許権者(ワーナー-ランバート)とその後発医薬品を販売等する被告ら(大原薬品工業・共創未来ファーマ・三和化学研究所・キョーリンリメディオ・杏林製薬)との間で争われていた、特許権侵害差止請求事件の控訴審。知財高裁(第2部)は、ワーナー-ランバートの請求を全部棄却した原判決は相当であるとして、...
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*Topics

重水素化医薬品の特許的視点 - Austedo®(deutetrabenazine)とCTP-543(deuterated ruxolitinib)を例として –

本記事では、FDAが承認した初の重水素化医薬品「Austedo®(deutetrabenazine)」の特許出願審査経過、特許延長、先発権、ANDA訴訟Concert社が開発している「CTP-543(deuterated ruxolitinib)」の特許紛争を眺めながら、既存薬をもとに重水素化医薬品を開発する場合において明らかになってきた課題を、特許的な観点から紹介します。1.はじめに米国食品医薬...
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*Case2022

2022.02.24 「中外製薬 v. 沢井・日医工・日産化学」 東京地裁令和3年(ワ)3816 エディロール®結晶発明に係る延長特許権侵害差止請求事件 -延長登録対象となる発明範囲・延長特許権の効力範囲についての雑感-

Summary骨粗鬆症治療剤エディロール®カプセルの有効成分エルデカルシトールの結晶特許に係る延長された特許権を保有する中外製薬が、被告ら(沢井製薬、日医工、日産化学)がその後発医薬品を製造・販売するために本件発明に係る結晶を製造・使用している行為は侵害に当たると主張して、その差止・廃棄を求めた事件。日産化学が納品するエルデカルシトールは溶液の状態になっており、エルデカルシトールは結晶状態で存在し...
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*Case2021

2021.12.23 「ワーナー-ランバート v. 東和薬品」東京地裁令和2年(ワ)19929・・・疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)のジェネリック、医薬用途に係る特許権は非侵害と判断⑤

Summary効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の医薬用途特許を保有する原告(ワーナー-ランバート)とその後発医薬品を販売等する被告(東和薬品)との間で争われていた、延長登録された特許権の侵害差止請求事件。東京地裁(民事第46部)は、全ての「痛み」に関する本件発明1及び2に係る特許は、サポート要件違反により無効である本件発明1及び2を「痛覚過敏又は接触異痛...
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*Case2022

2022.03.07 「ワーナー-ランバート v. 沢井製薬外15社」知財高裁令和2年(行ケ)10135・・・「痛み」を特定する本件訂正は当該痛みに「効果を奏すること」の記載がないから新規事項の追加に当たる

Summaryワーナー-ランバートが保有する「イソブチルGABAまたはその誘導体を含有する鎮痛剤」に関する特許第3693258号の無効審決取消訴訟。知財高裁は、「痛み」に関する本件発明を「神経障害や線維筋痛症による痛覚過敏や接触異痛の痛み」に特定する本件訂正について、本件明細書には「痛み」に当該痛みが含まれる旨の記載があるが、当該痛みに「効果を奏すること」の記載がないから、新規事項の追加に当たる前...
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*Case2021

2021.12.10 「ワーナー-ランバート v. 第一三共エスファ・第一三共」 東京地裁令和2年(ワ)22283・・・疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)のジェネリック、医薬用途に係る特許権は非侵害と判断④

Summary効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の医薬用途特許を保有する原告(ワーナー-ランバート)とその後発医薬品を販売等する被告ら(第一三共エスファ及び第一三共)との間で争われていた、延長登録された特許権の侵害差止請求事件。東京地裁(民事第40部)は、全ての「痛み」に関する訂正前発明1及び2に係る特許は、実施可能要件及びサポート要件の各違反により無効で...
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*Case2021

2021.11.30 「ワーナー-ランバート v. 日新製薬・Meiji Seika ファルマ」 東京地裁令和2年(ワ)19918/22291・・・疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)のジェネリック、医薬用途に係る特許権は非侵害と判断③

Summary効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の医薬用途特許を保有する原告(ワーナー-ランバート)とその後発医薬品を販売等する被告ら(日新製薬・Meiji Seika ファルマ)との間で争われていた、延長登録された特許権の侵害差止請求事件。東京地裁は、全ての「痛み」に関する本件発明1及び2については、実施可能要件違反により無効である本件発明1及び2を「痛...
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*Pharma/IP news

真核細胞で使用するCRISPR-Cas9の先発明を巡るインターフェアレンス ブロード研究所に再度軍配があがる

真核細胞で使用するCRISPR-Cas9に対するクレームの先発明を巡って、CVC(カリフォルニア大学バークレー校、ウィーン大学、Emmanuelle Charpentier氏; Junior party)の一部の特許出願とBroad研究所(Broad研究所、MIT、ハーバード大学; Senior Party)の特許との間で争われていた米国でのインターフェアレンスにおいて、2022年2月28日、米国...
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*Case2022

2022.01.19 「ワーナー-ランバート v. 武田テバファーマ・武田薬品工業」 東京地裁令和2年(ワ)22290/26770・・・疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)のジェネリック、医薬用途に係る特許権は非侵害と判断②

Summary効能・効果を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」とする先発医薬品リリカ®の医薬用途特許を保有する原告(ワーナー-ランバート)とその後発医薬品を製造等する被告ら(武田テバファーマ及び武田薬品工業)との間で争われていた、延長登録された特許権の侵害差止請求事件。東京地裁は、「痛み」に関する本件発明1及び2については、実施可能要件違反及びサポート要件違反により無効である本件発明2に「神経...
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*Case2021

2021.12.27 「大塚製薬 v. 共和薬品工業・日医工」 知財高裁令和2年(行ケ)10077・・・エビリファイ®用途特許一部無効審決を取り消す(判決④)・・・特許紛争を横目に沢井ジェネリックは効能追加

>関連判決③から続くSummary5-HT1A部分作動薬を双極性障害の「うつ病エピソード」の治療に使用できることが技術常識であるとはいえないとした本件審決の認定に誤りがあるから、その認定を前提として本件医薬用途特許の一部が実施可能要件・サポート要件違反であるとした無効審決は取り消された。但し、双極性障害の「躁病エピソード」の治療に係る部分については、本件審決において実質的な判断が示されていないとし...
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*Case2021

2021.12.27 「大塚製薬 v. 東和薬品」 知財高裁令和2年(行ケ)10079; 10083・・・エビリファイ®用途特許一部無効審決を取り消す(判決③)

>関連判決②から続く1.背景ジェネリックメーカー各社(共和薬品工業、ニプロ、東和薬品及びMeiji Seikaファルマ)が抗精神病薬エビリファイ®の医薬用途特許(第4178032号)に対して各々請求した特許無効審判事件において、特許庁は、エビリファイ®の「うつ病・うつ状態」の効能・効果を保護する請求項2に係る発明についての無効の主張を退けたが、エビリファイ®の「双極性障害における躁症状」の効能・効...
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*Case2021

2021.12.27 「大塚製薬 v. ニプロ」 知財高裁令和2年(行ケ)10078; 10082・・・エビリファイ®用途特許一部無効審決を取り消す(判決②)

>関連判決①から続く1.背景ジェネリックメーカー各社(共和薬品工業、ニプロ、東和薬品及びMeiji Seikaファルマ)が抗精神病薬エビリファイ®の医薬用途特許(第4178032号)に対して各々請求した特許無効審判事件において、特許庁は、エビリファイ®の「うつ病・うつ状態」の効能・効果を保護する請求項2に係る発明についての無効の主張を退けたが、エビリファイ®の「双極性障害における躁症状」の効能・効...
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*Case2022

2022.02.02 「沢井製薬 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和2年(行ケ)10071 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判⑥

・・・特許6150846(「増悪椎体骨折抑制のための」を発明特定事項とする医薬用途発明)の進歩性を認めた審決を取り消す。>⑤から続く前回記事: 2021.12.09 「沢井製薬 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和2年(行ケ)10069 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判⑤1.はじめに旭化成ファーマが製造販売する週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注...
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*Case2021

2021.12.27 「大塚製薬 v. Meiji Seikaファルマ・大原薬品工業」 知財高裁令和2年(行ケ)10080; 10081・・・エビリファイ®用途特許一部無効審決を取り消す(判決①)

Summary5-HT1A部分作動薬を双極性障害の「うつ病エピソード」の治療に使用できることが技術常識であるとはいえないとした本件審決の認定に誤りがあるから、その認定を前提として本件医薬用途発明の一部が実施可能要件・サポート要件違反であるとした無効審決は取り消された。但し、双極性障害の「躁病エピソード」の治療に係る部分については、本件審決において実質的な判断が示されていないとして、その部分の実施可...
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*Case2022

2022.01.24 「ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア v. 国」 知財高裁令和3年(行コ)10002・・・手続却下処分取消等請求控訴事件

1.背景本件(知財高裁令和3年(行コ)10002)は、国際特許出願(PCT/US2016/065653)をしたザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア(控訴人)が、特許法184条の4第1項が定める優先日から2年6月の国内書面提出期間内(2018年6月11日まで)に同項に規定する明細書等の翻訳文を提出することができなかったことについて、同条4項の正当な理由があるにもかかわらず...
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*Case2021

2021.12.24 「ワーナー-ランバート v. 小林化工」 東京地裁令和2年(ワ)19927・・・疼痛治療剤リリカ®(プレガバリン)のジェネリック、医薬用途に係る特許権は非侵害と判断①

本件(東京地裁令和2年(ワ)19927)は、発明の名称を「イソブチルGABAまたはその誘導体を含有する鎮痛剤」とする特許第3693258号に係る特許権の特許権者である原告(ワーナー-ランバート)が、被告(小林化工)に対し、プレガバリンを有効成分とし「効能又は効果」を「神経障害性疼痛・線維筋痛症に伴う疼痛」として承認を受けた後発医薬品プレガバリンOD錠「KN」(被告医薬品)が本件特許の特許請求の範囲...
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*Case2022

2022.01.19 「メジオン ファーマ v. 特許庁長官」 知財高裁令和2年(行ケ)10122・・・医薬用途発明の実施可能要件を満たすための記載(ウデナフィル/udenafil)

本件(知財高裁令和2年(行ケ)10122)は、発明の名称を「ウデナフィル組成物を用いてフォンタン患者における心筋性能を改善する方法」とする特許出願(特願2017-504434号、特表2017-524705、WO2016/025100)の拒絶査定不服審判事件(不服2019-1474号)について、実施可能要件違反及びサポート要件違反により拒絶すべきものであるとして出願人(メジオン ファーマ/MEZZI...
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*Case2022

2022.01.12 「ポータル インストルメンツ v. 特許庁長官」 知財高裁令和3年(行ケ)10067・・・針を使わない医療用デバイスに用いるカートリッジの意匠登録出願

裁判所は、本願意匠に係る物品「インジェクターカートリッジ」と引用意匠に係る物品「注射器用シリンジ」を同一であると判断した拒絶審決を取り消した。1.本件の概要本件(知財高裁令和3年(行ケ)10067)は、意匠登録出願(意願2019-017357)の拒絶査定に対する不服審判請求(不服2020-11187号事件)を不成立とした審決の取消訴訟である。本件審決は、意匠に係る物品の対比及び類否判断において、本...
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*Case2021

2021.12.09 「沢井製薬 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和2年(行ケ)10069 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判⑤

・・・特許6198346(投与期間を発明特定事項とする医薬用途発明)の進歩性を認めた審決を取り消す。>④から続く前回記事: 2021.09.28 「沢井製薬 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和2年(行ケ)10038 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判④1.はじめに旭化成ファーマが製造販売する週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」(以...
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*Case2021

2021.11.30 「デビオファーム v. 特許庁長官」 知財高裁令和3年(行ケ)10016; 10017; 10018; 10019; 10020; 10021

エルプラット®点滴静注液中のオキサリプラチンから遊離して生じたシュウ酸は、オキサリプラチン製剤特許の発明特定事項「緩衝剤」に当たらないとして、知財高裁はエルプラット®点滴静注液についてのオキサリプラチン製剤特許に係る特許権存続期間延長を認めず。1.本件の概要本件(知財高裁令和3年(行ケ)10016; 10017; 10018; 10019; 10020; 10021)は、発明の名称を「オキサリプラ...
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*Case2021

2021.11.16 「大塚製薬工場 v. エイワイファーマ・陽進堂」 知財高裁令和3年(ネ)10007

知財高裁は、大塚製薬工場とエイワイファーマ・陽進堂との間で争われていた高カロリー輸液製剤に関する特許権侵害差止請求事件において、大塚製薬工場の請求を認め、原判決を取り消し、エイワイファーマ・陽進堂の「ワンパル®1号輸液/ワンパル®2号輸液」の製造販売等の差止め及びその廃棄を命じた。本件特許発明は、大塚製薬工場が製造販売する高カロリー輸液用 糖・電解質・アミノ酸・総合ビタミン・微量元素液「エルネオパ...
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*Case2021

2021.11.16 「エイワイファーマ v. 大塚製薬工場」 知財高裁令和2年(行ケ)10144

大塚製薬工場とエイワイファーマとの高カロリー輸液を巡る特許紛争・・・エルネオパ NF®輸液特許に対するエイワイファーマによる3度目の無効審判請求。請求不成立審決の取消訴訟でも大塚製薬工場が勝訴。1.背景本件(知財高裁令和2年(行ケ)10144)は、大塚製薬工場が保有する「含硫化合物と微量金属元素を含む輸液製剤」に関する特許(第4171216号)のエイワイファーマによる無効審判請求(無効2019-8...
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*Case2021

2021.09.28 「メディオン v. P1・P2・P3・P4」 大阪地裁令和元年(ワ)5444

1.背景本件(大阪地裁令和元年(ワ)5444)は、発明の名称を「二酸化炭素含有粘性組成物」とする2件の特許(特許第4659980号及び特許第4912492号。以下、併せて「本件各特許」といい、本件各特許に係る特許権を「本件各特許権」といい、本件各特許に係る発明を「本件各発明」という。)の特許権者であった原告(メディオン・リサーチ・ラボラトリーズ)が、各被告製品の製造販売等を行った訴外2社(ネオケミ...
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*Case2021

2021.09.28 「沢井製薬 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和2年(行ケ)10038 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判④

・・・特許6301524(一定の服薬歴がある患者を対象とする医薬用途発明)の進歩性を認めた審決を取り消す。>③から続く前回記事:「骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判③」1.はじめに旭化成ファーマが製造販売する週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」(以下、「テリボン®」と略す。)のジェネリック参入障壁となっていると考えられるのが、テリパ...
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*Pharma/IP news

理研・ヘリオス・大阪大学の「網膜色素上皮細胞の製造方法」特許に公共の利益のための通常実施権の設定を求めてビジョンケアが裁定を請求・・・iPS細胞を用いた世界初の臨床応用からなかなか進まないヘリオス・大日本住友による加齢黄斑変性に対する再生医療の治験

1.はじめに理研・ヘリオス・大阪大学が特許権者である発明の名称を「網膜色素上皮細胞の製造方法」とする特許第6518878号に係る特許権を含む網膜色素上皮細胞を用いた再生医療についての独占ライセンス契約が理研-ヘリオス-大日本住友製薬の間で締結されているという状況のもと、2021年7月13日に、第三者であるビジョンケアらが、同特許権について公共の利益のための通常実施権の許諾を求める裁定の請求を行いま...
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*Case2021

2021.08.31 「沢井製薬 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和2年(行ケ)10132 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判③

・・・特許6275900の進歩性を認めた審決を取り消す。>②から続く前回記事「骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判②」1.はじめに旭化成ファーマが製造販売する週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」のジェネリック参入障壁となっていると考えられるのが、テリパラチドの週1回投与を特徴とする発明に係る7つの特許(存続期間満了は2030年9月8日...
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*Case2021

2021.08.31 「沢井製薬 v. 旭化成ファーマ」 知財高裁令和2年(行ケ)10056 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判②

・・・特許6043008の進歩性を認めた審決を取り消す。>①から続く前回記事「骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判①」1.はじめに旭化成ファーマが製造販売する週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」のジェネリック参入障壁となっていると考えられるのが、テリパラチドの週1回投与を特徴とする発明に係る7つの特許(存続期間満了は2030年9月8日...
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*Case2021

2021.08.31 「旭化成ファーマ v. 沢井製薬」 知財高裁令和2年(行ケ)10004 骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与特許を巡る裁判①

・・・予測をすることができなかった顕著な効果を奏するものであると認めることはできない。特許6274634は進歩性なしと判断された。1.はじめに旭化成ファーマ(株)は、ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)の活性部分であるN端側の1-34ペプチド断片であるテリパラチド(Teriparatide)酢酸塩を有効成分とする週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」を製造販売している(再審査期...
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*Case2021

2021.06.29 「EAファーマ v. 沢井製薬・大原薬品工業」 知財高裁令和2年(行ケ)10094

・・・パリエット®のPPI抵抗性逆流性食道炎に対する維持療法に関する用法・用量特許を無効とする判断。臨床試験の結果を頼りとする特許出願のタイミングについて ー特許取得可能性の観点とジェネリックへの対抗力の観点からー1.パリエット®の「PPI抵抗性逆流性食道炎に対する維持療法に関する用法・用量」追加とジェネリックの参入エーザイは、2017年9月22日にパリエット®錠5mg/10mg(一般名: ラベプ...
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*Case2021

2021.07.07 「ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア v. 国」 東京地裁令和2年(行ウ)423

1.事件の概要本件(東京地裁令和2年(行ウ)423)は、国際特許出願(PCT/US2016/065653)をした原告(ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア)が、特許法184条の4第1項が定める優先日から2年6月の国内書面提出期間内(2018年6月11日まで)に同項に規定する明細書等の翻訳文を提出することができなかったことについて、同条4項の正当な理由があるにもかかわらず...
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*Case2021

2021.06.29 「ネオケミア v. メディオン」 知財高裁令和2年(行ケ)10051; 知財高裁令和2年(行ケ)10052; 2021.07.20 知財高裁令和2年(行ケ)10053

1.背景本件各訴訟(知財高裁令和2年(行ケ)10051;知財高裁令和2年(行ケ)10052; 知財高裁令和2年(行ケ)10053)は、メディオン・リサーチ・ラボラトリーズ(以下、「メディオン」と略す。)が特許権者である「二酸化炭素含有粘性組成物」に関する特許4659980号及び特許4912492号(いずれも2018年10月5日に満了)及び「二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物」に関する特許56438...
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