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中国人民解放軍による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するファビピラビル(Favipiravir)の使用に関する特許出願について(2)

SARS-CoV-2阻害剤として用いられるファビピラビル(アビガン®の有効成分)に関する発明について、中国人民解放軍軍事科学院(Academy of Military Medical Sciences)による日本への特許出願が公開されました。

【公開番号】特開2021-116296
【公開日】2021.08.10
【発明の名称】コロナウイルス感染の治療におけるファビピラビルの使用
【出願番号】特願2020-173044
【出願日】2020.10.14
【優先権主張番号】202010070142.0
【優先日】2020.01.21
【優先権主張国・地域又は機関】中国(CN)
【出願人】アカデミー オブ ミリタリー メディカル サイエンシズ

出願日は2020年10月14日ということで優先日(2020年1月21日)から1年を待たずに日本へ出願されたことになります(PCT経由ではなくパリ優先で)。出願審査請求書は2020年12月10日に提出されていますので、近いうちに特許庁からの審査結果が明らかになると思われます。

日本でアビガン®錠(有効成分: ファビピラビル)の新型コロナウイルス感染症への適応追加を求めて開発している富士フイルム富山化学(株)(2021.04.21 富士フイルム富山化学 press release: 抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠」新型コロナウイルス感染症患者を対象とした新たな臨床第Ⅲ相試験を国内で開始 (富士フイルム))としては、その臨床試験結果がどうなるか、申請できたとして承認を取得できるか、といった進展を見ながら、目指している製造販売までには上記特許出願の登録阻止のアクションをとるのではないかと想像されます。2021年8月20日に刊行物等提出書が提出されています。

海外の状況はというと・・・上記特許出願のファミリーである中国特許出願は既に特許登録されています(2021年5月4日)。また、同ファミリーであるPCT出願では、PCT国際調査機関の見解書(ISA/237)(国際調査機関は中国国家知識産権局(CNIPA))にて、コロナウイルスをSARS-CoV-2に限定した請求項8(PCT出願)は新規性及び進歩性が肯定されていますが、同ファミリーの欧州出願における欧州調査見解書(European search opinion)によると、コロナウイルスをSARS-CoV-2に限定した請求項8及び9(欧州出願)は進歩性が否定されています。

過去記事:

中国人民解放軍による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するファビピラビル(Favipiravir)の使用に関する特許出願について
ファビピラビル(favipiravir)は、富山化学工業(株)(現:富士フイルム富山化学(株))により創製された低分子の経口抗インフルエンザウイルス薬「アビガン®錠」の有効成分です。ウイルスのRNAポリメラーゼを選択的に阻害することでウイル

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