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タフルプロストを含む医薬に関する特許権について

2023年1月18日、参天製薬株式会社とAGC株式会社の連名による「タフルプロストを含む医薬に関する特許権について」の謹告文が掲載されました。

参天製薬は、AGCから原体の供給を受け、タフルプロスト(Tafluprost)を有効成分として0.0015%含み、効能・効果を緑内障、高眼圧症とする「タプロス®点眼液0.0015%」、「タプロス®ミニ点眼液0.0015%」及び「タプコム®配合点眼液」を製造販売しています。

謹告文によると、

タフルプロストを含む医薬に関して、

それぞれ所有しており、さらに、

  • タフルプロストを含む医薬に関する研究の成果たる発明に関する複数の特許出願も係属中

とのことです。

参天製薬 2022年3月期 有価証券報告書によると、タプロス®点眼液及びタプコム®配合点眼液の日本における2021年度売上収益は、それぞれ84億円及び27億円です。

「タプロス®点眼液0.0015%」及び「タプロス®ミニ点眼液0.0015%」の再審査期間(8年: 2008年10月16日~2016年10月15 日)、並びに「タプコム®配合点眼液」の再審査期間(6年: 2013年9月20日~2019年9月19日)は終了していますが、これら製品の後発医薬品はまだ承認されていません。

タフルプロストの物質特許と思われる特許第3480549号に係る特許権が、存続期間延長期間(5年)も含めて、2022年12月12日に満了していることから、後発医薬品の参入に向けた動きが水面下で活発化しているのかもしれません。

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コメント

  1. 匿名 より:

    このような発表を医薬品メーカーがするのは一般的なのでしょうか?特許満了を迎えているのに、どのようなメリットがあるのでしょうか。

  2. Fubuki Fubuki より:

    謹告の掲載は珍しいことではありません。業界紙である日刊薬業に掲載されることが多いと思います。それを発出するかしないかは企業に依ります。本件、物質特許は満了しましたが、製品を保護するその他の特許等が存在している旨を謹告として発信して、後発品参入を計画しているかもしれないメーカーに対して注意喚起をしているわけです。

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