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テリパラチド酢酸塩に関する特許権について(3)

旭化成ファーマ(株)は、ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)の活性部分であるN端側の1-34ペプチド断片であるテリパラチド(Teriparatide)酢酸塩を有効成分とする週1回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン(TERIBONE)®皮下注用56.5μg」を製造販売しています(再審査期間は終了、2011年9月26日~2017年9月25日(6年))。

2021年6月21日付の「【謹告】テリパラチド酢酸塩に関する特許権について」(日刊薬業)によると、旭化成ファーマ(株)は、テリパラチド酢酸塩を有効成分とする骨粗鬆症治療剤ないし予防剤に関する特許権7件(日本特許第6522715号、同第6150846号、同第6043008号、同第6198346号、同第6275900号、同第6274634号、同第6301524号)、テリパラチド酢酸塩を有効成分とする凍結乾燥製剤等に関する特許権11件(日本特許第5922833号、同第5960935号、同第5996824号、同第6031633号、同第6057492号、同第6025881号、同第6258426号、同第6487597号、同第6467102号、同第6510737号、同第6830136号)を保有しており、今般、無効審判係属中であった、以下の特許請求の範囲(請求項2は省略)を有する特許権(日本特許第6522715号)に対し、特許有効との審決がなされたとのことです。

【請求項1】
  1回当たり200単位のPTH(1-34)又はその塩が週1回投与され、PTH(1-34)又はその塩を有効成分として含有する、骨粗鬆症治療剤ないし予防剤であって、下記(1)~(3)の全ての条件を満たす骨粗鬆症患者を対象とし、皮下注射投与であることを特徴とする、骨折抑制のための骨粗鬆症治療剤ないし予防剤;
(1)年齢が65歳以上である
(2)既存の骨折がある
(3)骨密度が若年成人平均値の80%未満である、および/または、骨萎縮度が萎縮度I度以上である

テリパラチド製剤には、用法違いのフォルテオ®(バイオ医薬品)もあり、こちらはBSが参入していますが、テリボン®のジェネリックは承認されていません。2019年2月に旭化成シンメッドがテリボン®皮下注用56.5μgのオーソライズド・ジェネリックの承認を得ていますが、薬価収載には至っていないようです(日刊薬業)。

テリボン®は、2020年国内売上高が310億円に達し、旭化成グループにおける医薬品事業の主力製品となっています(旭化成2021年3月期(第130期)決算説明会資料 p31)。したがって、旭化成ファーマにとっては、テリボン®のジェネリックの登場をそれら特許群で阻止したいところ、沢井製薬及び日医工から特許無効審判を請求され、その事件のほとんどで審判請求不成立の審決を旭化成ファーマが勝ち取り、現在、知財高裁で審理中という状況です。

上記のテリパラチド酢酸塩を有効成分とする骨粗鬆症治療剤ないし予防剤に関する特許権7件の請求項1及び現在の係争状況について、以下の表1及び表2にまとめました。今年中には、沢井製薬と旭化成ファーマとの間で争っている特許無効請求事件の知財高裁による判決が次々と出てくると見込まれます。

表1 テリパラチド酢酸塩を有効成分とする骨粗鬆症治療剤ないし予防剤に関する特許権7件の請求項1

表2 テリパラチド酢酸塩を有効成分とする骨粗鬆症治療剤ないし予防剤に関する特許権7件の係争状況

参考過去記事:

骨粗鬆症治療剤テリボン®(テリパラチド酢酸塩)の週1回投与に関連する特許群とジェネリックメーカーの動き
旭化成ファーマは、ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)の活性部分である N 端側の 1-34番目のアミノ酸に相当する化学合成ペプチドであるテリパラチド(Teriparatide)酢酸塩を有効成分とする週 1 回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン®皮下注用56.5μg」を製造販売しています(再審査期間は、2011年9月26日~2017年9月25日(6年))。2019年9月には「テリボン®皮下注28.2μg...
テリパラチド酢酸塩に関する特許権について(2)
2019年6月5日付の「【謹告】テリパラチド酢酸塩に関する特許権について」によると、旭化成ファーマ(株)は、テリパラチド酢酸塩を有効成分とする骨粗鬆症治療ないし予防剤に関する特許権(日本特許第6522715号)が以下の特許請求の範囲(請求項2は省略)にて登録されたとのことです。【請求項1】1回当たり200単位のPTH(1-34)又はその塩が週1回投与され、PTH(1-34)又はその塩を有効成...
テリパラチド酢酸塩に関する特許権について
旭化成ファーマ(株)は、ヒト副甲状腺ホルモン(PTH)の活性部分である N 端側の 1-34 ペプチド断片であるテリパラチド(Teriparatide)酢酸塩を有効成分とする週 1 回皮下投与の骨粗鬆症治療剤「テリボン(TERIBONE)®皮下注用56.5μg」を製造販売しています(再審査期間は、2011年9月26日~2017年9月25日(6年))。旭化成(株)の2017年度第2四半期決算説明資料...
2016.11.28 「旭化成ファーマ v. 特許庁長官」 知財高裁平成27年(行ケ)10241
患者群を特定した医薬用途発明の進歩性(骨粗鬆症治療剤テリボン®): 知財高裁平成27年(行ケ)10241【背景】「1回当たり100~200単位のPTHが週1回投与されることを特徴とする,PTH含有骨粗鬆症治療/予防剤」に関する特許出願(特願2011-530844; 再表2011/030774; WO2011/030774)の拒絶審決(不服2015-9596)取消訴訟。争点は新規性・進歩性。...

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